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▼『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』の作品データ▼
#24.現金入り封筒 (2001.8)
 夏休み。わが家の子供たちは「海へ行きた〜い!」ってセリフがもはや口癖のようになってます。しかし・・・猛暑の2001年・夏は、海岸へクラゲの大群やサメまでやってきているそうなので、海へお出掛けの際にはみなさまもどうかお気をつけて!

今回は、生まれてはじめて海を見に行く男たちのお話をとりあげます。私の好きな映画のひとつである、 『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』から・・・。

□□□マーチン(ティル・シュヴァイガー)は脳腫瘍が悪化しており、医師から余命いくばくもないことを宣告された。同日・同病院にて、 ルディ(ヤン・ヨーセフ・リーファース)もまた末期骨肉腫のため回復の見込みがないことを告げられる。□□□

マーチンと ルディは即日入院となり、同じ病室へ案内されました。対照的な性格ながら、お互い死期迫る病気だと知ったふたりは意気投合。深夜。病室を抜け出し、病院の厨房で酒をくみかわします。

□□□「海を見たことあるか?」マーチンがルディに問いかける。「いや・・・見たことない。」 ルディの答えに対し・・・「天国では海を話題にすることが流行ってるんだ。(海について)語れないとお前はドジなのけ者になるだけさ。」まことしやかにマーチンは言った。□□□

残された時間はほんのわずか。こうして 海を目指す旅は突然始まったのです。パジャマ姿のふたりが盗んだ車は、 ベイビー・ブルーのメルセデス=いわく付き!→車の持ち主はギャング。しかもトランクには目もくらむほどの大金が・・・。

□□□途中までマーチンと ルディはトランク内の大金に気付かない。「無一文だ・・・」と思い込んでいるふたりは、やむなくガソリン・スタンドを襲ったり、銀行強盗をはたらき、ギャング&警察、両方から追われる身となる。□□□

□□□逃亡を続けて行くうち、トランクの大金を見つけたふたりは大喜びで 贅沢三昧する。高級ブランドの洋服に着替え、豪華ホテルへ泊まり、見たことも食べたこともないような料理に舌鼓をうち、ドンペリで乾杯!□□□

□□□次に彼等が考えたのが・・・「命ある間に、この大金で願い事をひとつだけ叶えよう!」って事。マーチンと ルディは 各々の願望をいくつもリストアップしてゆく。その後、相手のリストに書かれた願望の番号をお互いに一つ選んだ。□□□

□□□ルディの願望はさておき・・・・・・・・ (←本編を見てね!!)、マーチンの「 エルビス・ファンのママにキャデラックを贈る」という 願いを果たしたところで、 ふたりは待ちかまえていた警察官に包囲されてしまう。□□□

が・・・ここでもマーチンの機転(悪知恵?)とルディの優しさ(おひとよし?)から、まんまと救急車・乗っ取りに成功、おまけに ルディの願望も叶えられます。(笑)
さらにピンチは続くのですが、ギャングの 大ボス(ルトガー・ハウアー)の温情によって、ふたりの乗った救急車は海(天国の扉)へむかうことができたのでした。

   −−−−−− エンディングロール −−−−−−
「おい。おい。おい。小道具の“現金入り封筒 ”は、どこに出てくるの?」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんね。すみません。実は、海へ向かう前( マーチンの ママの家付近で)、マーチンと ルディは 現金入り封筒を 何通もポストに投函していたのです。宛先はさだかではありませんけれど、おそらく家族・友人・知人はじめ、旅の道中で迷惑をかけた人々にも現金入り封筒は届いたことでしょう。
※エンディングロールに出てくるのは、そのうちの1シーンだと思います。※

天国の扉をノックしたマーチンとルディ・・・。今頃は海の話で盛り上がっているでしょうか?

 関連作として挙げた『ナッシング・トゥ・ルーズ』も、途中がドタバタのロードムービーで私の大好きなコメディ映画のひとつなのです。また、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』と『ナッシング・トゥ・ルーズ』は、エンディングロールの使い方がとても似ています。(=どちらも小道具の現金入り封筒は、ラストのラストに登場+罪ほろぼし的な役割!)ちなみに『ナッシング・トゥ・ルーズ』の現金入り封筒は、ガソリン・スタンド宛でした。
※エンディングロールのおしまいまで観ていると、たまにこんな発見もあり楽しいものです。※

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