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▼『グリーン・カード』の作品データ▼
#23.植物 (2001.6)
 雨にぬれた木々の濃い緑色。雨あがりの朝は、少し明るい緑色。梅雨の晴れ間は、植物が生き生きとして見えます。

今回は温室付きのアパートメントが出てくる映画『グリーン・カード』から、さまざまな緑色、植物をとりあげます。

□□□アメリカ人のブロンティー(アンディ・マクダウェル)は、ニューヨーク在住の独身女性。彼女は市の公園課職員であり、貧しい地域の緑化ボランティアも行っている。□□□

植物を愛するブロンティーは、温室付きの素晴らしいアパートメントを見つけ、入居条件を満たすために偽装結婚を思いつきます。

□□□ブロンティーの友人アントンが偽装結婚の相手として紹介したのは、フランス人男性で、自称:作曲家のジョージ(ジェラール・ドパルデュー)。彼は、グリーン・カード(居住資格)を得るのが目的だった。□□□

めでたく(?)書類だけ結婚したブロンティー&ジョージでしたが、グリーン・カード狙いの偽装結婚を取り締まっている入国管理局は、調査官をブロンティーの部屋へも派遣したのです。

□□□異なる国で生まれたふたりは、まるで水と油のようだ。コーヒーの濃さ・食べ物の好み・服装のセンス・育った環境・経歴・植物への思い入れ度・・・。ことごとく食い違ってしまう、ふたりの言動。(笑)□□□

部屋を訪れた調査官の質問にドギマギしながら、次から次へと作り話をでっちあげるブロンティーとジョージ。ブロンティーが席を外した隙に、調査官がジョージに洗面所の場所を聞きます。ジョージは洗面所の場所すら知らず、結果として、ふたりは再度審査を受けることに...。再審査に向け、束の間、同居を始めるふたり。

□□□再審査までに残された時間は、わずかばかり。この際、お互いの気持ちは別にしても無事審査をパスするには、できる限り相手の事を知り尽くし、(一緒に暮らしていれば自然とわかるような)細かな部分を覚える必要があった。□□□

・・・・・・ついに再審査の日。ブロンティーとジョージはそれぞれ違う部屋へ通されます。投げかけられる質問に対し、丸暗記した内容に加え、知らず知らずのうち、相手への気持ちをも語っているふたり。
当初の目的 ・・・・・ブロンティーは温室を、そしてジョージは居住資格(グリーンカード)を、手にすることができたのでしょうか?

※ 温室をはじめ、ブロンティーが住んでいる部屋には、いたるところ植物が置かれていましたし、親友を招き、温室内で食事するシーンでは、サラダボウル・食器類・ナプキンなど緑色の小物がポイントとして使われていました。 ※
 ※※ この映画中、「可笑しいくらい正反対なふたりを表しているなぁ〜!」と感じられる、私のとても好きな場面は・・・・・・(植物にまったく興味を持っていない)ジョージが、温室へトマトの苗を植えたり、プランターに大根やニンジンの種をまくため、彼女が研究している草を引き抜いてしまい、ブロンティーを怒らせるシーンです。
 →→→ ジョージが植えたのは、どれも食べることのできる種類でした。ブロンティーの温室と部屋にあるのは、観葉植物が主なのに。(笑) ※※
 ※※※ ジョージの無神経さに怒りをあらわにしたものの、園芸家のブロンティーは、トマトや大根・ニンジン等を処分することはできなかったみたいですね。
 →→→ ラスト近く、短い1シーンではありますけれど、温室内で、たわわに実ったトマトの木が映し出されます。この時、トマトを見つめるブロンティーの複雑な表情は印象的でした。 ※※※

※※ (おまけ)喧嘩した時、ジョージから「(人間よりも植物が大事な)【サボテン女】!!!」って呼ばれちゃうブロンティー・・・ちょっぴり可哀想かな?でも、ブロンティーの台詞には、「(あなたがいれば)温室なんていらない!」なんていう、熱〜い言葉もありますので、−−− その相手がジョージなのか?あるいは他の誰かなのか? −−−もしも興味を持たれた方は、どうか本編をご覧になってくださいね!  ※※

 ずっと以前、「覚書き」でとりあげたこともありますが、グリーンカードをめぐる偽装結婚の映画に『ウェディング・バンケット』があります。(こちらはもう少〜し複雑な事情あり!ですが。)
また、『マンハッタン花物語』では屋上ガーデンが、 『大いなる遺産(=リメイク 』には庭園および、噴水のある室内ガーデンが出てきました。私の住む町ではまだ公開されていない単館系作品『グリーン・フィンガーズ』は、イギリスの囚人ガーデナーのお話らしいので、 公開される日を心待ちにしています。

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