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▼『フェイス・オフ』の作品データ▼
#07.ヘッド・フォン  (1999.9)
 早いもので、もう9月です。少しずつ秋の気配も感じられるようになった今日この頃。私は、秋の夜長に読書や音楽を楽しみたくなりますが、夜に聴く音楽って案外と周りに響くものなので「ヘッド・フォン」を使うのもひとつの方法かもしれませんね。

今回は、ジョン・トラボルタ&ニコラス・ケイジが、それぞれの持ち味を活かして“頑張るお父さん”した作品、『フェイス/オフ』からの小道具です。

□□□数年前、極悪テロリスト、キャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)に狙撃され、その巻き添えで息子マイケルを失ったFBI員ショーン・アーチャー(ジョン・トラボルタ)は、キャスターを捕らえるために必死だった。ショーンには妻と娘がいるが、彼は家庭を顧みる余裕などない状態で、連日危険な捜査活動を続けていた。□□□

ある日、長年の執念が通じたのか、激しい銃撃戦で部下を失いながらも遂にショーンはキャスターを追いつめることに成功します。その時にキャスターは、死んだはずでした。恐ろしい、殺戮用の爆弾を街のどこかに仕掛けたままで・・・。

□□□必死にその爆弾の在処を探すショーン達だが、爆弾は、そう簡単に見つからない。刻々と爆発の日は迫っていた。その在処を知っているキャスターの弟は既に刑務所へ入れられている。弟の口から爆弾の事を聞き出すために、ショーンは大きな選択を迫られることになった。□□□

死んだはずのキャスター、実は、昏睡状態のまま生かされていたのです。キャスターの弟から情報を得る手段として極秘に考えられたのは、最新のレーザー手術で、キャスターとショーンの顔の皮を剥ぎ、取り替えるというもの。皮肉なことに、ショーンは愛する息子の命を奪ったテロリスト、キャスターの姿をして、投獄されてしまうのでした。

□□□ショーンが刑務所内へ潜入していた時に、突然、病室で眠っていたキャスターの意識が戻る。残されたショーンの顔を見て、FBIの企てを察知したキャスターは、担当医師を脅し、自分へショーンの顔を移植手術させ、また、この秘密を知る人物を全て殺害してしまうのだった。ショーンになりすまして、FBIを牛耳るためである。(超・極悪人だ!)□□□

キャスターの姿をしたショーン(=ニコラス・ケイジ)は、本物のキャスターの復活を知り、愕然とします。しかも、キャスター(=ジョン・トラボルタ)はショーンの容姿を利用して、ショーンの妻や娘にも近づいていたのです。やっとの思いで脱獄した本物のショーンは、自分の家に帰ることができず、キャスターの昔の恋人(ジーナ・ガーション)の元へ転がり込むことになり、そこで5歳になる、キャスターの息子、アダムと対面します。アダムを抱きしめているうちに、いつしか「マイケル、マイケル」と口走るショーン。同じ年頃の息子を失っていたショーンはアダムにマイケルの面影を重ねていました。

□□□感動のご対面も束の間のこと、派手な銃撃戦の再開となる。~~~~~バキューン・バン・バン・ドンガラガッシャーン~~~~~本物のキャスター(顔はジョン・トラボルタ)がFBIを率いて、元・恋人の住む屋敷を襲ったからだ。本物のショーン(顔はニコラス・ケイジ)は、激しい銃声の嵐に怯えるアダムの耳に「ヘッド・フォン」をつけてやる。「銃の音が聞こえなければ、少しは恐がらなくてすむかもしれない」という父親の想いが自然に表れているシーンだ。(この時、流れていた曲は「オーバー・ザ・レインボウ」)。□□□

ここから先のシーンも過激なアクションが盛り沢山です。キャスター&ショーン、どちらも死にそうで死なないし、顔が入れ替わっているから、途中で「あれ?どっちを応援するんだっけ?」ってややこしくなりますけど、ラストシーンは、とてもいい感じで決めてくれます。(笑)

 ニコラス・ケイジ、ジョン・トラボルタ、二人とも「頑張るお父さん」役でしたね。(『アルマゲドン』(1998)のブルース・ウィリスにはちょっと負けてる?)「頑張るお父さん」役で思い出したのが、『クロッシング・ガード』(1995)。幼い娘を失った父親を演じるジャック・ニコルソンの苦悩ぶりが切ない作品です。

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