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▼『恋のゆくえ』の作品データ▼
#21.酒・ボトル (2001.2)
 2月14日は・・・バレンタイン・デーですね。今回はラストに/~~ 毎日がバレンタイン・デー〜♪(=「マイ・ファニー・バレンタイン」)の歌声が流れる作品を取りあげてみましょう。※この曲以外にも、ジャズの名曲をたくさん聴くことができて嬉しいです!※

『恋のゆくえ』は、ボー・ブリッジス&ジェフ・ブリッジス兄弟が、劇中においても兄弟役を演じます。フランク(ボー・ブリッジス)とジャック(ジェフ・ブリッジス)はピアノ・デュオ。長年、ホテル・ラウンジなどを回りスタンダード・ジャズを弾いています。

□□□ルックス&ピアノの腕前はジャックに劣るものの、フランクは、「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」(=彼等のデュオ名)としてマネージャー役を兼ね、また、MCも頑張ってきたつもりでいた。だが最近は、ふたりの演奏に聴き入る観客などいない。ついにホテル側から仕事を切られ、苦肉の策ではあるけれど フランクとジャックは女性ボーカルを加えることに・・・。□□□

彼等のオーディションもパッとせず、諦めかけたところへ現れたのが、美しい女性、スージー・ダイアモンド(ミシェル・ファイファー)でした。

□□□美人ではあるけれど、下品な振る舞いをするスージーに呆れさせられながら、彼女の歌声はジャックとフランクを納得させる。スージーの加入後、観客席は今までとうってかわって満杯続き。高級リゾート・ホテルからのオファーもくるようになった。□□□

何もかも順調に進んでいるように見えたベイカーボーイズにも、転機は訪れます。スージーの脱退。さらに、ジャックまでも。

□□□スージー、ジャックの短い恋と別離。フランク、ジャック兄弟の音楽的な方向性および、人生に対する考え方におけるすれ違いの表面化。□□□

結局、三人は別々の道を選んでゆくことになりました。心の奥底でジャックが戻る事を信じていたフランクですが、兄を訪ねたジャックは、ベイカーボーイズと決別する意志を告げます。

□□□ガレージのを整理しているフランクの後ろ姿。そこは、ベイカーボーイズの過去が詰まった場所である。数々のトロフィー・ふたりの写真・ショットグラス・白いピアノ2台。それから・・・1本の「ボトル」!ベイカーボーイズ結成後、ふたりが初めて演奏した店でもらった思い出深い「お酒」だ。「(君たちが)辛い時、この酒で傷を癒せよ!」の言葉とともに受取った酒のボトルは今まで一度も封を切られることなく置かれていた。□□□

思い出話の後、2台のピアノに向かい合って座り演奏する、最後のベイカーボーイズ。ジャックが立ち去る前に、ふたりは「ボトル」の封を開け一緒にお酒を飲みました。この「ボトル」をもらった当時、まだ少年だったフランクとジャックは、お酒の味も厳しい現実さえも知らずにいたことでしょう。人生の半ばが近づき、兄弟はそれぞれの大切なモノ(=フランクは家族。ジャックは自分の音楽性。)を守るためにデュオ解散を決心したのです。ガレージでふたりが口にしたお酒は、どんな味がしたのでしょうか?

 実生活上の兄弟であるボー・ブリッジスとジェフ・ブリッジス、ふたりの初共演作品だそうです。女性ボーカリストとして出演するミシェル・ファイファーの美しさと歌声も印象に残りました。残念なことに・・・物語自体は、ごくありふれた展開です。(←苦笑)でも音楽は、ストーリーの弱さを補って余りあるほど本当に素晴らしいと思います。(思わず『恋のゆくえ』サントラ盤を探したくなったりして・・・?)

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