【TAMAの覚え書き(5)】・・・・・・・・「映画の小道具たち」を書くために、色々なビデオ作品等を観直した時の感想など。
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1999.12.23   『クリスマスに贈るこの1本』

 1900年代も残すところ約1週間になりました。今日はクリスマス・イブ・イブの祝日。
ここ数年、恐ろしい天災が起こったり、長引く不況の中、世間では殺伐とした事件も多かったように感じます。
今年最後の覚書きは、「クリスマスに贈るこの1本」と題して、私のお薦め作品を紹介したいと思います。


本当は、誰もが精一杯生きているはずなのに、時として人間には、「なぜか自分だけが不幸だ、不運だ、世の中は不公平だ」と愚痴のひとつもこぼしたくなる時がある。
 この作品の主人公も、最初はあまり幸せそうに見えない。

ダンディな2枚目役が多く、それがまた、とてもよく似合っている役者さんのひとり、ポール・ニューマン。


しかし、『ノーバディーズ・フール』の彼は、珍しくうだつの上がらない男の役である。
 60歳のサリー(ポール・ニューマン)は、ひとり暮らしの老婦人の家下宿人として住んでいた。

何年か前、仕事中に足場から落ちて以来、膝を痛めており、ふだん歩く時にも片足をひきずっている。
未払い分の請求をするために、雇い主との間で裁判を続けているが、ほとんど勝ち目はなさそうだ。
 友人たちとのカードゲームや、長年買っている馬券すら、いつも負けてばかり・・・。
町の警察官とも折り合いがよくないのか、彼の古いピックアップ・トラックには違反切符が山とある。

 冬のある日、サリー赤ん坊の時生き別れた息子、ピーターと偶然に再会する。
息子は妻と2人の子供達に囲まれて幸福な家庭を築いているように見えるのだが、
実際のところ、息子の現実は決して明るいものではなかった。
 職を失った
上に、生活費について妻との言い争いが絶えない毎日だったのだから。
それはやがて、2人の子供達を各々1人ずつ連れて別居するという話にまで発展していく。

 サリーと交流を持つ町の人々も一見、何不自由なく幸せな生活を送っているように思えるが、
実は、それぞれに悩みや痛み、不安や寂しさを抱えていた。
両親の離婚を心配しているサリーの孫、ウィルをはじめ、夫の浮気に悩まされている女性(メラニー・グリフィス)、痴呆による徘徊癖がある母親を抱えたレストランの店主心臓病の手術を受けた男性(ブルース・ウィリス)、割に合わないキツイ仕事と自分の未来を悲観する男性勝訴したためしがない、義足の弁護士金の盲者と化した息子にうんざりしている下宿の老婦人(ジェシカ・タンディ)など・・・。

 これらの人々とサリーとのユーモアあふれる会話がとても面白い。

 年齢・性別にかかわらず、サリーは相手の目線にあわせて口をきくし、裏表がない態度で接する。

下手をすると、こういった雰囲気のヒューマン・ドラマは説教じみていて嫌気がさしてくるのだが、『ノーバディーズ・フール』は、普通の人々の日常生活をさりげなくもあたたかく描いてゆく。

 季節としては感謝祭・クリスマス・新年といった今の時期
だけど、これらの行事もまた、 それほど大袈裟な祝い方ではなく、ごく自然な流れで日々を過ごしている気がして親近感を持った。

 案外と地味だが、ポール・ニューマンの演技力&実力派の共演者達との絡みが絶妙な佳作である。

 サリーの台詞に、(色々な人々から)なつかれる・・・」って言葉が出てくる。
言い替えてみれば、「(私には)心の通じ合う人々がいて幸せだ・・・」なのだろう。
 地位や財産、身なりの立派さ・・・確かに人間にとって魅力的な付加価値かもしれない。
でも、何もないありのままの姿になった時、前述の付加価値などきっと色あせてしまうはずだ。
だから、目には見えない、形にもできない、弱くなったり、勇気が出たり・・・と、様々に変化する心の部分も大切にしたいものである。

『ノーバディーズ・フール』は、名作『素晴らしき哉、人生!』とも相通ずるところがあります。
 ラストシーンで、主人公へちょっとしたご褒美がありますから、「これもクリスマス向きかな・・・?」と思いました。もしよろしければ、クリスマスのひとときにご覧くださいね。(^-^) 


1999.12.10   『1999年、管理人の懺悔!』

12月に入って、もう10日が過ぎました。仕事と雑事に追われている私ですが、今回は覚書きのネタ作品についての観直し・確認作業が遅れているので、管理人の懺悔をいたします。
本当は、庭に穴掘ってひそかにつぶやくべき「王様の耳は・・・」ってたぐいのモノだけど。(笑)

 「映画の小道具たち」を始めてから、はや7ヶ月経ち、たくさんの映画好きな方との出会いがありました。掲示板やメールを通してみなさまと情報交換をさせて頂くようになってから、私は自分がこれまでに観てきた作品に関して、いくつかの傾向に気付きました。それらを挙げてから・・・懺悔のコーナーへと続きます・・・。(苦笑)

 1.好きな俳優が出ていたら、とりあえず何でも観る。
これで失敗することもある。

  ●メル・ギブソン、ニコラス・ケイジについては、かなり痛い目(駄作)にもあった。でも、これはやめられないと思う。

 2.モノクロ・2時間20分以上・恋愛モノ・吹き替え・邦画・シリーズ化・流行・・・。
なぜだか、上記のような作品を避けて通る。

  ●(モノクロ) どんなに名作であろうとも睡魔が来たりて・・・。
  ●(2時間20分以上) こらえ性がない。集中力に欠ける。
  ●(恋愛モノ) 恋のかけひきが出来ないタイプかもしれない。私にとっての高いハードル=恋愛モノ。
  ●(吹き替え) ただのわがまま。役者さんの本当の声が聞きたいのみ。
  ●(邦画) ここ10年以上、映画館で邦画を観たことがないからわからない。(「スワロウテイル」だけはビデオで何度も観た。)
  ●(シリーズ化) 根気なし。ひっぱられるのが苦手。
  ●(流行) 普段は郊外で生活している為、人混みに酔う。行列が恐い。

 3.味わい深い映画も好きだけど「まったくもう〜っ、しょ〜がないんだからぁ」って映画も好きである。
   面白そうなものは、節操無く、観たい時に観る。気に入ったら繰り返して何度でも観る。

  ●深刻な作品を何本も続けて観るのは辛いので、ドタバタ・コメディビシバシ・アクション等を間にはさむようにしている。

 4.観ていない作品の話を振られると、急に無口になって目をそらす。または頻繁に話題を変える。
  ●掲示板やメールのレスで、その作品に対して「私は未見です」「今度、ぜひ観ます」というコメントがあったら怪しいかも・・・。

<1999年・・・TAMA@管理人の懺悔コーナー>
 このHPの管理人はこんな身勝手過ぎる人間です。だけど・・・映画が大好きです。また、映画のお好きな方々とお話するのが楽しくて仕方がありません。それから、私は「スター・ウォーズ」シリーズを1本も観ておりませんし、「ローマの休日」では途中で眠ってしまいました。実は頭髪の行方が危ない俳優さんフェチであり、ラブ・シーンの時は、役者さんの裸体が誰かの身体と吹替えてあるのでは?などと勘ぐっています。時々、小道具を観察するのに夢中で、ストーリーがわからなくなったり、タイトルを間違えて告げたりもします。いけないとわかっていながら、まだ観ていない人々にそっと、こっそり、ひそひそとしつこくネタばらしをして嫌がられているのかもしれません。〜〜〜他にもお詫びすることがたくさんあると思いますが・・・容量の都合上、今回は割愛させていただきます。(笑)〜〜〜 皆様、神様、仏様、このように迷える私をどうかお許しくださいませ。懺悔!◆
 心温かなる、みなさまへ。これからも変わらず私と仲良くしてくださいね・・・。(ちょっと不安です(^^;))
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