【TAMAの覚え書き(10)】・・・・・・・・「映画の小道具たち」を書くために、色々なビデオ作品等を観直した時の感想など。 |
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2001.4.10 『風を感じる小道具・・・「自転車」』
2001年になってから、私が映画館で観た映画は、なぜか「自転車」の出てくる作品が多いので、今回の覚書きでは、「映画に出てくる自転車(シーン)」を取りあげてみます。 映画中の「自転車」といえば・・・、『明日に向って撃て』(=ポール・ニューマン&キャサリン・ロスの名場面)を、まず思い浮かべる方が多いかもしれない。BGM“雨にぬれても”とともに、ポール・ニューマンによる「自転車曲芸」も忘れがたい。(笑) また、80年代に大ヒットを記録した『E.T.』の「空飛ぶ自転車」は、同作のシンボルでもある。 最近の映画だと、『ライフ・イズ・ビューティフル』に出てきた「自転車/親子3人乗り」が印象深い。強制収容所へ送られる以前...ごく平凡だが幸せな家族像を、自転車3人乗りシーンで見事に描いていた。 ※(1)〜(4)の映画は、2001年1月〜3月に私が映画館にて観た作品です。※ (1) 『オーロラの彼方へ』は、NYの空にオーロラが出現した時、ひとりの青年(ジム・カヴィーゼル)が30年前に殉死した父親(デニス・クエイド)と偶然、時空を超えて無線交信したことから、過去と現在の出来事に様々な変化をもたらしてゆく......といった物語。自転車の練習を繰り返すのは、子供が行動範囲を広げる為の第一段階。 「幼い頃、自転車に乗るコツを覚えるまで、誰かに荷台をそっと支えてもらった」経験を持つ人は多いだろう。父親は、息子が自転車を乗りこなす姿は見ることなく他界していたが、成長した息子との不思議な無線通話がヒントとなって、殉職をまぬがれる。その夜、父親は息子に自転車の乗り方を教えることができたのだった。 (2) 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』主人公、セルマ(ビョーク)にとって最愛の息子ジーンは、生き甲斐そのもの。工場勤めのかたわら、眠る時間を惜しみ内職さえも引き受けていたセルマ。つましい生活を送る中、次第に衰えていくジーンの視力を回復させるため、母親は息子の手術費用を必死に貯め続けていた。だが、ジーンの欲しがっている自転車は買うことができない。そんなセルマ親子に友人達(デビッド・モース、ピーター・ストーメア等)から思いがけない贈り物=「きれいに塗り替えられ、調整された中古の自転車」が届く。ジーンは大喜びで自転車に乗ってみせた。 (3) 『ペイ・フォワード』のオスメント君は、『シックス・センス』の時より行動的な少年役を演じている。彼は、どこへ出掛けるのも自転車にまたがり、風を切ってビュンビュン走り抜ける。「自転車は少年にとって最大の移動手段」なのであろう。ラスト近くでも、彼が自転車に乗っているシーンがあった。友達がいじめられているのを見つけ、勇気をふりしぼり、凶暴ないじめっ子に向かっていくのだ・・・が・・・。(←納得いかないラスト!^^;) (『ペイ・フォワード』と似通った設定の映画、『顔のない天使』に出ている少年の移動手段もやはり、もっぱら自転車である。) (4) 『小説家を見つけたら』。バスケが得意&文才もある黒人少年(ロブ・ブラウン)のいたずら心から、世間嫌いな老小説家(ショーン・コネリー)のアパートへ忍び込んだことを発端にして、ふたりの間に年齢や人種を超越した友情がはぐくまれていく。長い年月、自室に閉じこもりきりだった小説家は少年との交流や、色々な出来事によって、再び一人で街へ出掛けることができるようになる。「ずっと放置されていた愛用自転車のタイヤには、新たな空気が吹き込まれ」老いた主人の足となったのだ。(自転車に乗るショーン・コネリーの手信号は必見!/笑) 「自転車でのアクシデント」といえば『シティ・オブ・エンジェル』、メグ・ライアン。爽やかな朝の風景。山中の長い下り坂、自転車に乗ったメグ・ライアンが風を受け止めるかのように目を閉じ、両手を広げる映像は美しい。しかし、その直後、事故に遭遇した彼女は無情にも、愛する人(ニコラス・ケイジ)との別れを迎えることとなる。(自転車の手放し運転、及び、前方不注意は危険だぞ・・・。^^;) かつての教え子(マット・ディロン)が有名俳優となり、オスカーを獲得した。彼が喜びの壇上で恩師(ケビン・クライン)のゲ○疑惑をぶちまけたため、故郷の小さな町へはマスコミが押しかけパニックになる。もっとも一番混乱したのはケビン・クラインと、その婚約者(ジョーン・キューザック)だ・・・。これは、『イン&アウト』というドタバタ・コメディ。映画中...「教師役のケビン・クラインが通勤に使っていたのが自転車」。スーツに蝶ネクタイ、(自転車に乗る際、ズボンが汚れぬよう)几帳面な仕草で裾をまくりあげ、バックパックを背負う姿は、すごく滑稽。(『イン&アウト』、オスカー候補者を紹介する女優(グレン・クローズ)の毒舌ぶりに笑う。) 『明日に向って撃て』と同じジョージ・ロイ・ヒル監督作『リトル・ロマンス』にも、自転車が登場するが、こちらの方は「もっと若々しく(?)自転車レース場面」である。‘夕暮れ時、ベニスにある‘ため息の橋’でキスをかわし、永遠の愛を誓う’と決めたフランス人少年とアメリカ人の少女(ダイアン・レイン)。ふたりは国境を越え、ベニスへと向かう。途中で出会った老いぼれ詐欺師(ローレンス・オリビエ)と三人で、自転車レース参加者に紛れ、町を抜け出そうとする。(同作品では、ローレンス・オリビエの手信号が見られる!/笑) もうひとつ・・・邦題に「自転車」がつく代表作、『自転車泥棒』も忘れてはならないと思う。 ※ 春は、サイクリングに最適の季節ではないでしょうか? 私の「風を感じる小道具」は、ママ・チャリなのだけれど・・・・・・。(苦笑) ※ |
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