ゴッホ (1853‐1890)
                                       
                               

                                          農夫








                

                                          農作業








                    

                                        農夫の靴








              

                                 ジャガイモを食べる人々 (1885)

                                            






                              

                                           農婦










                                       牛と共に働く人々








                

                                           機織








         

                                            裸婦




            



                          

                                    キャンバスを持って歩くゴッホ








                            

                                     キャンバスに向かうゴッホ








         

                                            ひまわり








                           

                                       浮世絵の模写








                            

                                       浮世絵の模写








                               

                                         浮世絵の模写








                            

                                      タンギー親爺 (1887)








                            

                                         自画像 (1887)








               

                                           野菜畑 (1888)








                  

                                     沈む太陽と種を播く人 (1888)








                  

                                       アルルの跳ね橋(1888)








                            

                                      夜のカフェ・テラス(1888)








                   

                                     ローヌ川と星月夜 (1888)








                 










                 










                    










                

                                             静物








                 

                                          海辺の漁船








                   








                            

                                         ひまわり (1888)








                   

                                       アルルの寝室 (1889)








                 

                                      黄色い家 (1889)








                           

                                   郵便配達夫ルーランの肖像 (1889)








                   

                                        麦畑と糸杉 (1889)








                  

                                          星月夜 (1889)
                         

                                  





                  










                  

                                          アイリス








                            

                                            悲しみ








                  

                                      ゴッホが入院した精神病院








                            

                                            教会








                           

                                 ガシェ 博士(医師)の肖像 (1890)








 

                                     麦畑の上の鳥 (1890)








オランダの画家だが,後半生をフランスで送った。後期印象派を代表する一人。オランダではホッホ,フランスではゴーグと発音される。ベルギー国境に近い,北ブラバント州の小村フロート・ズンデルト Groot‐Zundert で新教の牧師の長男として生まれた。生来の極端な性格がわざわいして,その前半生は失恋と失職による挫折感に満ち満ちている。

1869年,美術商グーピル商会につとめるが,76年解雇される。短期間イギリスで語学教師として働いたのち,一念発起して,77‐78年,アムステルダムの神学校,ついでブリュッセルの伝道師養成所で学び,無給の伝道師としてベルギー南部の炭鉱地帯ボリナージュにおもむく。しかしここでも,80年にその常軌を逸した振舞いにより教会から解雇され,失意のどん底に陥る。

幼少より絵心のあったゴッホが画家になる決心をしたのはこの頃であり,ブリュッセルのアカデミーで数ヵ月間学んだのち,画商として一家をなしつつあった弟テオ Theo の経済的援助に頼りきったまま制作をつづけた。宗教的情熱と一体となったこの時期の作品は,ミレーの深い影響もあり,社会の底辺の虐げられた人々にたいする共感に根ざしている。一時期,憐憫(れんびん)から同棲した娼婦シーンをモデルにした素描《悲しみ》(1882),質朴な農民生活を描いた《じゃがいもを食べる人々》(1885)などはそのよい例である。

しかしながら,画家としての才能が開花するのは,86年から88年にわたるパリ生活で印象主義の洗礼をうけてからである。それまでの暗い鈍重な色彩は消え失せ,《タンギー親爺》(1887)に代表される明るい筆触が画面を満たすようになる。これにはまた,日本の浮世絵版画からうけた強い印象がはたらいている。事実,88年,そもそもゴッホは,日本のイメージを求めて南仏のアルルへと向かったのであった。

いわゆる〈ゴッホの耳切り事件〉という悲劇的な結末をみたゴーギャンとの共同生活を別にすれば,アルル時代はゴッホにとって実り豊かなものであった。この時期の《ひまわり》《麦畑》《糸杉》などでは,ぎらぎらした量感ある色彩とうねるような筆触によって,原初的ともいうべき自然のエネルギーを画面に噴出させ,また《夜のカフェ》(1888)では,強烈なコントラストによって,カフェにたむろする人間存在の狂気すらあばきだした。

ゴッホ自身狂気と無縁でなく,89年5月サン・レミの精神病院に収容された。しかし創作意欲は失わず,この頃描かれた《星月夜》は,自然と感情とが狂おしいまでに一体になろうとうごめいている,画期的な作品である。90年5月,パリ近郊のオーベール・シュル・オアーズのガシェ Gachet 博士――著名な美術愛好家でもあった――のもとにあずけられ,いかにも病的な博士の肖像と,死の影が色濃くただよう《麦畑のうえの烏》を残し,7月末ピストル自殺をとげた。