カサット (1844−1926)


                 

                                       舟遊び  (1893-94)








                            

                                  母と子(指をしゃぶるアン) (1897)
      









                            

                                   縫い物をする若い母親 (1902)








フランス印象派のなかの唯一のアメリカ人画家。ピッツバーグ郊外に生まれ,幼少期を家族とともにヨーロッパで過ごす。ペンシルベニア美術アカデミーで学ぶ。1872年に再び渡欧し,ドガに見いだされて79年から印象派展に参加。86年の最後の印象派展までドガとともに出品しつづけ,ドガ,マネの影響の濃い作品を描いた。

90年代から独自の様式による母子像を描き,〈マテルニテ(母性)の画家〉として敬愛された。90年ころ日本の浮世絵に触れ,その線と空間を生かした版画連作を制作。没するまでフランスで過ごし,晩年に失明。彼女がアメリカで高く評価されるようになったのは第2次大戦後のことである。