今はもう・・・


こんな絵を描いているのかと恥ずかしいのですが、それなりの訳があるのです。


(250x190)

遠い昔、まだ私が絵描きでなかった頃の、大阪の阪堺線のスケッチ住吉車庫のある辺り

だったと記憶するが、何故このスケッチがここにあるのか?紙の色も黄ばみ、決して良い

出来とは言えないのに・・・。

実は、この後すぐに私は始めての個展を開いた、そしてこの作品も描き上げて出品した。

小さな(当時4歳)子供を連れた男性が、その孫にせがまれてこの作品を買ってくれた。

初めて画廊で売約が付いた、そんな訳で私にとって記念のスケッチなのである。

今ではこの辺りもすっかり様相を変え、紳士は故人となり、その孫は大学生となっている。

一枚の作品を描くことは、自分自身の思いと、何れは過去となる歴史を封じ込めながら、

不確かな未来に力一杯飛ばす(紙飛行機)のような気がする

水彩画・・・まさしくその通り、ただの紙なのだと改めて思った。



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byコンドル