◇◆THEATER◆◇


9/4 TSUYOSHI DOMOTO 2nd LIVE[si:] 〜First Line〜 さいたまスーパーアリーナ 堂本剛
ライブの感想、というよりはイタイ語り。

----------------------
今回のアルバムは、個人的には普段聴くような曲ではなくて、 ライブも、「楽しみー、待ち遠しいー」という感じではなく、 ちょっと距離を置いて参加した。参加したのも、さいたま初日だけだった。

前のアルバムは、痛くて痛くて、聴くのにも気合が必要だった。 でも今回のアルバムには、前のような、死にたくなるような圧迫感や閉塞感は無かった。 前回のアルバムもライブも、しんどかったけど、それはそれで、私は好きだったんだけど。

今回のアルバムは、その点楽に聴けた。 だから、ライブは普通に楽しめて、3時間弱のライブも短く感じられたんだと思う。
、、彼が歌っている間は。

彼の歌は、良かったと思う。 「オリジナルカラー」なんかは、生で聴いて、こんなに心に響く曲だったんだ、と 改めて気付かされたし。

でも、剛さんの語りは、正直無理だった。ワタシには。

あまりに「人間不信だった自分をバンドのメンバーが救ってくれた」と繰り返す彼の言葉を 聞いてられなかった。
それはふたつの意味で。

まず、内輪の事をそんなに言われても困る。というか萎える。 私が元々「俺語り」な人が苦手なせいもあろうかと思うが。
「自分じゃなく曲を見てくれ」という彼の言葉とあまりに矛盾しないか?と思うのだ。

もうひとつは「光一ファン」の間で色々いわれていること、そのものだ。 彼の中で、光一さんの存在は何なのだろう、、。
剛さんの言葉には、苛立ちとそれ以上の不安を与えられる。

私は、自分の事を「オンリーファン」じゃないと思っていたが、 剛さんがバンドのメンバーを語る言葉に、過剰に反応してしまった時点で、 所詮は光一寄りのファンなんだな、と思ってしまった。

光一さんのWebサイト「Show must go on」では、私のこのどうしようもない思いに、 ひとつひとつ丁寧に答えてくれている。
「妙な曲解はやめたまえ!」と、救いの言葉をくれるのだ。 剛さんの言葉でモヤモヤな気持ちを抱いて、それを光一さんが解消してくれる。 しかし、光一さんの言葉に救われると同時に、「そうせざるを得ない」 光一さんの立場について考えてしまう。

本当は、光一さんの言葉を、そのまま、穿った見方をすることなく、受け止めたい。 コドモかもしれないけど。
でも、彼はあまりにも、周囲の人、ファンの気持ちや思惑に的確に対処していて、 それが却って、痛い。

それにしても、光一ソロコンでは、「ダンス素敵!」とか「すげーくるくるまわってるよ!」 とかいう話になるのに、 剛ソロコンだと、ファンがみんな、精神的な話をしだすのが不思議。
理由は、言わずもがな、かもしれないけど。

単純に、彼らのパフォーマンスを見せて貰って、それで元気をもらって、 楽しくなりたい、というのが切実な願い。
「ふたり」を見てて、単純に楽しんでたのは、いつまでだったんだろう。
ワイドショーも、スポーツ新聞も、ファンの反応も、彼らの重い語りも、 見ないことにするのが一番か。

 

9/11 ドリアン・グレイの肖像 紀伊国屋サザンシアター Studio Life
[AZULE]高根研一 、笠原浩夫、他
今回の配役を聞いて、まず、山本さんと高根さんがダブルという事に驚きました。
全く違うタイプのおふたりだし、それぞれどんなドリアンが観れるんだろう という期待を持ちつつ劇場へ。

とにかく観念的な台詞が多くて、初回は内容についていくのがやっとでした。
AZULEチームは、この回が最初で最後だったので、 ちょっと予習をしておけば良かったかと、、。
内容を追っていくのに必死で、それぞれの感情を感じるまでには到れなかった感じでした。

それでも、笠原さんのヘンリー卿は存在感がダントツだったなぁ。
彼が与える「言葉」にドリアンが傾倒していくのも分かるほど、 退廃的な魅力に溢れていました。

林さんのシヴィルは、流石という感じでしたね。
ドリアンに酷い捨てられ方をして、彼にしがみついていくところなんかは、 まさに「女」だよなぁ。最後の、全てに絶望したような絶叫は凄かった。
しかし、その時の効果音が、まるでホラー映画で化け物が出てくるような 感じで、それだけはどうかと思ったのですが、、。

高根ドリアンは、最初の純粋無垢なドリアンを演じている高根さんは、 いつもの役と全く違ったので、多少違和感を感じないでもなかったですが、 堕落していくドリアンにはある種の美しさも感じました。

舞台全体を考えると、印象的なハッとさせられるようなシーンもあったし、 場面場面では、役者の演技に心を動かされるところもあったんだけど、 全体的には何故か平坦な気がして、結局どうにも入り込めないまま終わってしまったかな、 という印象でした。
「現代モノ」じゃない時は、ストーリーは知らなくても背景くらいは 理解しておくべきか。

 

9/11、12 ドリアン・グレイの肖像 紀伊国屋サザンシアター Studio Life
[AZULE]高根研一 、笠原浩夫、他
CRIMSONチームは及川シヴィルということで、2公演観ました。
AZULEチームを一度観た後だったので、こちらは多少余裕を持って観る事ができました。
初回のAZULEチームは内容を追っていくだけでいっぱいいっぱいになっちゃったからなぁ。 予習をしていかなかったのが悔やまれる、、。

及川さんの最初の登場は、女優として「ジュリエット」を演じているシーン。
ジュリエットの演技が終わった後に、及川さんを隠すために カーテンが閉まるようになってるんだけど、私が見た2回とも、 カーテンがちゃんと閉まらずに、及川さんが立っている階段に引っかかってしまってました。
及川さんが自ら、バサバサとカーテンを直してるし、、。 毎回引っかかるんなら、どうにか対策が取れないものかしら。

及川さん演じるシヴィルの一番の見せ場のシーンは、 やはり、ドリアンに酷い捨てられ方をするところだと思いますが、 私は今まで、及川さんは”キレイ”な役、大切にされてる役しか 観たことがなかったから、今回は、及川さんの違った顔が見れた気がしました。
ドリアンに夢中になってはしゃいでいるシヴィルが可愛かっただけに、 ドリアンに酷い事を言われても、「一生懸命やります。うまくなるように頑張ります。」 と、ドリアンに縋るシヴィルが健気で、痛くて見てられなかった。

ドリアンが、快楽に溺れ悪事を働いて堕落していく、というところは、 直接的には出てこなくて、イメージカットのような形で表現されていました。
台詞が無くても、ドリアンを演じる山本さんが、彼ならではの「動き」で見せてくれました。
こういう所は、山本さんホントに上手いよなぁ。

このシーンで、吉田さん演じる娼婦がドリアンに妖しく絡んでいるんだけど、 私はそのシーンで、彼にガッツリ嵌ってしまいました。
照明が薄暗いんだけど、何気に衣装とかもセクシーだったりして。
その後、彼はヘンリー卿の従姉妹(?)の婦人も演じてたんだけど、 こちらは育ちが良くて気の強そうな感じがこれまた可愛かった。

舞台上には、実際に「ドリアン・グレイの肖像」が出てきて、 美しい青年の顔から、どんどん醜く変化していくんだけど、 醜くなった後の肖像が、どうしても”雨上がりの宮迫さん”に見えて仕方がなかったのは 私だけかしら、、。←彼が醜いと言っている訳では決して無いです。

ひとつ気になっていることがあるのですが、 ドリアンのせいで堕落していったというエイドリアンって誰?伏線とかあった?
3回観ても分からんかった、、。