ハンカチを持たない人
私の友人で生まれてこの方ハンカチを持たことがない人がいる。不便ではないのか? トイレの後、手は洗うのか?
ちゃんと洗うらしい。
さて、その後彼はどうするのか。インタビューしてみました。
「最近は空気で乾燥させる装置がありますよね。あれ、いいすね〜」
「でもその装置がない場合は?」
「そうね。わたしは髪がぼさぼさなので、濡れた手で整えます。手櫛ですね。気がつくと手は乾いています。一石二鳥ですね」
「なるほど。でも今日はすっきりといい髪をしていますね。さっきトイレに行きましたか?」
「ご明察!このような状況では、その次のトイレでは紙じゃなかった、髪は使いません」
「ほほう。わかりました!ズボンで拭きますね」
「残念!ズボンで拭く場合もありますが白っぽいものだとしみが目立ちますね。一応わたしも外見は気にするんです」
「じゃあどうするんです?」
「ここに入っています」
と、ズボンの中から何やら布を取り出す。
「なあんだ。ハンカチ、あるじゃないですか」
「いえいえ、よく見てください。これは、ポケットの布です。人が見ているときには、『ちょうど今ハンカチをポケットに入れました』って感じで手を入れながら拭くわけです」
「意外と見栄っ張りですね」
「ははは、そうでもありません」
「でも、ズボンの裏地が濡れて気持ち悪くないですか?」
「まあ、濡れたハンカチを入れても大差ないでしょう」
「他にはどんな手口が?失礼。方法が?」
「近くにカーテンがあれば、ちょっと触る振りをして拭いたり・・・」
「まだ何かありそうですね」
「あとは、知り合いが通りかかったらポンポンと肩をたたくわけ。やあ久しぶり!とか何とかいってね。座っている人のところへ行って肩をもんだり。親しい女の子だとおしり触ったり。すぐに乾きますね!!!はっはっは!!」
「ひえ〜〜!!かんべんしてくれ〜〜!!」
註!
この「友人」は架空の人で、内容はすべてフィクションです。