現代ナンパ事情



 私の知り合いの奥さんは、推定年齢49歳なのだが、とても色っぽい。


 普段のウォーキングの成果でスタイルも良く、何とも若々しい。だから旦那さんはいつもどきどきはらはら。
街を歩いていると、よくナンパされる。ある時は、時間を聞く振りをして話しかけてくる怪しいおじさんに、またある時は怪しい外人に声を掛けられ、またある時は若者に…


 ある日その奥さんが近所を歩いていると、後ろからガッテン系の若者が、タッタッタッと足音も軽やかに追いかけてきた。何かしらんと振りかえると、その若者


「あの〜〜、僕、あなたがあまりに美しいものだから、つまり今ナンパしてるんすけど、付き合ってくれませんか〜〜?」


あらあら、またきたわと、その奥さん慣れたもの。
「まあまあ、どこのどなたか知りませんけど、ありがとうございます。今ちょっと先を急いでいるのよ」


「そういわずにちょっとだけでも…」


「あなた、ずいぶんお若いけど、私の年いくつだと思うの?」


「う〜〜ん30代かな?僕、年上の人って憧れちゃうんですよ」


「ほっほっほ。今年誕生日がくると50歳よ。半世紀生きているの」


「マジっすか〜〜〜!?そんなに見えないなあ。すごい美人だし、スタイルいいし、『ビューティーコロシアム』に出たんすか?でも、ね、ね、いいでしょ、友達になってください


「ところであなたはいくつ?」


「僕っすか。22歳です」


「あら、じゃあうちの息子と一緒じゃないの」


「え? それは、さすがにやばいっすね…」


若者も若干退く気配。
その時、まじまじと若者の顔を見た奥さん、昔の記憶がよみがえった。


「あら、あなた、うちの子と小中学校で一緒だった○○君じゃないの?」


「あ、××君のママだ。ひえ〜〜。おばちゃん。ごめんなさい


というが早いか、くるりと振りかえると、またタッタッタとむこうにかけていったとさ。


おまけ
 さて、その晩のこと。家に帰ってこの話をすると大爆笑。
次男「かあさん。ナンパされたと思って喜んじゃあ駄目だよ。そういう罰ゲームがはやっているんだよ」
三男「そうそう。『罰としてあのババアナンパして来い』って言われたんじゃないの?」
一同「ひえ〜〜〜〜!!!」

やはり息子たちは自分の母親がナンパされるのは嫌なようですね。これが罰ゲームだったかどうかは永遠の謎・・・・