第十一話 私は飴で歯を鍛えた・・・飴男の話

「なんだコリャ〜〜!すごい噛み込みですなぁ!」歯医者は一目私の奥歯を見ると、驚いたように言った。かなり奥歯が磨り減っているようだ。

先日、奥歯のかぶせ物が取れてしまい、あわてて歯医者に行った時の一こまである。

「何かスポーツでもしますか?」

「いいえ」

「歯ぎしりするとか」

「いやあ、しないと思いますよ」

「じゃあ、他に思い当たることは?」

「そうねえ。飴を良く食べますね」

「ええっ?飴ですか?」

「そうです。舐めてると虫歯になると思い、がりがりかじって食べるんです」

「あの硬い飴をですか?」

「そう。一袋くらいあっという間ですよ。それで子供の頃は『飴男』って言われましてね。雨男じゃないですよ」

「ひゃ〜〜。飴で虫歯になった人は居ますが、飴で歯が磨り減るほどあごを鍛えた人は初めてですな!どうりで歯茎の骨もよく発達して、原始人並ですよ!!」

「いやあ。照れますね。飴でほめられたのは初めてですわ。歯っ歯っ歯!」

「歯っ歯っ歯!」

「歯っ歯っ歯!」


おまけ:

この話を人にしたら、何をどう間違ったか
「まるちゃんは『食い込み』がすごいらしい」 という事になった。パンツじゃないっつ〜の!