第9回「色白は七難隠す」は本当か?(5.31)

 

 先週は山ん姥ギャルと紫外線についてお話しました。今回は生まれつきの皮膚の色についてお話します。


 生まれつき皮膚の色はみな違います。同じ日本人でも雪のように白い肌の人もいれば、たくましい小麦色の肌の人もいます。また、世界に目を向ければ、黒人から白人まで皮膚の色は様々です。この違いはどうして生れたのでしょうか。


 人類の祖先はアフリカで誕生したといわれています。従って人類は最初はみな黒人でした。その証拠といえるかどうかわかりませんが、ゴリラやオラウータンなどの、俗に猿といわれる動物の毛を刈ってみると皮膚は真っ黒。黒人ならぬ「黒猿」なのです。

 人類も同様でした。その後人類は世界各地に広がりました。その過程で緯度の高い地域で突然変異としてアルビノ、つまり白い人が生まれ、少ない紫外線環境に適応し子孫を増やしました。生物は頻繁に突然変異を起こし環境に適応するため、黄色人種などの中間的な色の人も生まれました。

 私たち黄色人種の中でもまた、いろいろなスキンタイプがあります。陽に当たると赤くなる人、赤くなってから黒くなる人、すぐ黒くなる人の3種類です。色白の人ほど赤くなる傾向があり、紫外線には弱いので気をつけましょう。昔から「色白は七難隠す」と言われますが、医学的にはそうとは言えないのです。

 
 褐色の肌の人たちが住んでいたオーストラリアに移住した白人たちは、過剰な紫外線に苦しめられています。皮膚がんが多発してきたのです。このため、オーストラリアでは子供のうちから日焼け止めを塗る習慣が浸透してきました。フロンガスでオゾン層が破壊されてきた今、日本でも日焼けを避ける習慣が広がりつつあります。 
色白の人は、皮膚を焼かずにその色白を保ってくださいね。皮膚科医からのお願いです。


それでは、「たけやぶやけた」でおなじみ、逆さ言葉の本日の回文です。

「色白、色白、色白い!」
(いろじろいろじろいろじろい)