第8回 山ん姥ギャルは絶滅したか?(5月24日)
数年前、顔を真っ黒に焼いて髪の毛を異様に白く染め、目と口を白で縁どる「山ん婆ギャル」なる一群が現われました。しかし、最近はあまり見かけません。もしかしたら皮膚癌で絶滅してしまったのでしょうか?
いずれにせよ「ガングロブーム」は去ったようです。亡くなった鈴木その子さんの影響もあり、最近は美白ブームです。これは医学的には大変よいことです。
人間は紫外線に当たっていると、防御反応として皮膚のメラニン色素が増えます。この色素が紫外線を吸収、内部まで到達しないようにして皮膚を守るわけです。しかし、その過程で皮膚の細胞の遺伝子に傷がつき、しみ、しわ、果ては皮膚がんの原因となります。皮膚の老化、発癌の最大原因は単なる年齢の積み重ねではなく、紫外線であり、しかも若いうちに浴びた紫外線の総量でその後の皮膚の老化速度が決定されることも判明しました。つまりガングロはわざわざ皮膚の老化を促進する危険なことをしているといえます。
よく紫外線を浴びないとビタミン不足になりませんか、と質問を受けますが、日常生活で浴びる程度の量で十分であることが判明しています。わざわざ紫外線を浴びることは百害あって一利なし、というわけです。今浴びた紫外線は20年後30年後にしみ、しわ、さらには癌になって自分自身に還ってくるのです。
今やオゾン層は破壊され、有害紫外線は地表に雨あられと降り注ぎ、あなた方の皮膚は危険にさらされています。それに対して、美白は紫外線にあたらないようにする理にかなったケアといえます。
山ん姥ギャルやガングロの皆さん、もし生き残っているようでしたら明日から色白ギャルを目指してください。皮膚癌で絶滅する前に。
それでは、「たけやぶやけた」でおなじみ本日の回文です。
「色黒く、ほくろ黒い」
(いろくろくほくろくろい)