いやはや、八百長問題に始まり、大麻、朝青龍の問題と、相撲界は何かと叩かれていますね。
しかしまあ、私に言わせればなんで世間はこんなに相撲界に厳しいのですかね。不思議です。
朝青龍が態度が悪いとの事ですが、そんな横綱、昔から山ほどいましたよ。
飯がまずいといって、おかみさんを殴り飛ばして、家出してそのままやめてしまった横綱がいました。
そんなにグルメならレストラン経営したり、お食事評論家になるのかと思いきや、そのまま放浪していました。
怪我で休場すると言って、ハワイでサーフィンしていた横綱もいたし、酒飲んで線路で寝ていて汽車を止めてしまった横綱とか、
タニマチにけしかけられたとはいえ、お座敷で芸者と事に及んでしまった横綱とか枚挙に暇がありません。
極めつけは、ハワイの巡業帰りにピストルを密輸入しようとした当時の二人の大横綱。ニュースで第一報は出ましたが、後はうやむや。
何故、朝青龍だけそんなに悪者にさせられるのかよくわかりません。それより、あれだけ叩かれてもめげずに勝ち続ける精神力はすごいですよ。言葉もわからずに日本に来て、あれだけやっているのだからたいしたものです。
マスコミ・世間一般の相撲界に対する叩き方にはちょっと問題がありますね。ホントにこりゃ「いじめ」じゃないの?
朝青龍が怪我を理由に巡業を休んでサッカーをしたこと
「大きな大会」で万全の力を発揮するために、「小さな大会」や「練習」を休むということは通常の判断としてあり得ることです。
私は、中・高校の部活をやっている生徒の診断書を書くことがあります。軽い怪我、足の裏の痛みを伴うイボ、痛いおでき、やけどなどですね。
この際、必ず次の大事な大会はいつなのか本人に確認します。治癒までの期間や通院の頻度などを考慮して、「じゃあ、この期間の練習はパスして、十分に治してから本番に臨もうか」とか「こっちの試合が大事なら、この試合はパスして治療に専念、または差し支えない自主トレだけにしようか」などと決めることがあります。
そのために「練習は不可能です」とか、「この大会には出場できません」などと書きます。これは「事実」ではないかもしれませんが「嘘」でもありません。診断書とはそういうものです。
大相撲の場合、大事なのは「本場所」です。すべてがこの成績で決まります。それに比して「巡業」は相撲協会の「興行」であり、「花相撲」といわれ、お相撲さんは怪我などをしないように決して「本気」ではやりません。花相撲(大相撲トーナメント)を本気でやって賞金を稼いだ高見山や三重の海はむしろ仲間からは呆れられていたようです。
ともかく、朝青龍が巡業を休むに際しては「診断書」があった筈ですが、あれだけ大騒ぎしたのに、その診断書を書いた医師が一切出てこなかったこと、その医師にインタビューすらしなかったのはきわめて疑問ですね。その後の「精神鑑定」みたいなのは一体何なんでしょう?
大麻問題
ロシア人力士が二人「解雇」になりました。彼らは「吸引」はしましたが「所持」をしたという証拠はありません。日本の法律では「所持」に関しては罰則がありますが「吸引」自体を禁止する法律はありません。従って、彼らは法律違反をしたとはいえないのです。その証拠に「逮捕」すらされていません。
従って、それで「解雇」というのは一般論として解雇権の濫用です。その後の若麒麟は「所持」で逮捕されました。これをもって「解雇」となった訳ですが、これも日本の標準に比して厳しすぎます。日本ではこのような時の対応は「判例主義」に準じて概ね前例にならいます。日本で法律違反の結果職を失うのは通常「禁固刑」以上が確定した場合です。
余談ですが、最近飲酒運転に対して厳しくなり、飲酒運転即解雇という事例がありますが、これも日本の法律の運用としては不適切です。
不思議なのは彼らが「普通程度」の腕の弁護士を雇い、普通に裁判所などに判断を求めれば解雇は回避できたと思うのいですが、本当に不思議です。「世論」に配慮したとするなら、その「世論」とは恐ろしい物ですね。
偉そうに「相撲界」はなっちょらん!等と、テレビで散々言ってますが、そのテレビの主役の「芸能界」ってそんなに偉いんですかね。芸能界の中にも大麻やって、また出てきている人一杯いるじゃないですか。
平成21年初場所の朝青龍のガッツポーズ
千秋楽の相撲が終わって「ガッツポーズ」をした、と批判されました。私も見ていましたが「ガッツポーズ」などしていません。
優勝が決まり、声援に応えて、観客の方に向って両手を振って挨拶をしました。彼は、わりとファンを大切にすると思います。挨拶しちゃいかんと言うなら、NHKのアナウンサーの方は今後インタビューの時に「ファンに対して一言お願いします」って絶対に言わないでください。
あとは、土俵上で腕を振り回すのは下品だとか、色々言われますけど、高見盛さんはいいんですか?
要するに、再発防止委員の某漫画家と横綱審議委員の某作家は、朝青龍を個人的に嫌いなだけなんだと思います。某漫画家は「一人でも朝青龍と戦う」などと言ってますが、それなら是非土俵上で戦ってください。期待してます。
おまけ
たぶん、朝青龍は、「憎たらしいくらいに強くて」本当に憎たらしくなった人がいるんじゃないですかね。奇しくもこの文章を書いているとき21年春場所千秋楽の一番があり、朝青龍は白鵬に力なく敗れ全勝優勝を許しました。昨日の琴欧州に敗れた一番も力なく、私の印象では朝青龍は「終わってしまった」感じがします。何だかちょっと可哀想。引退した後に手のひら返したようなコメントしたら、マスコミ許さんぞ〜〜〜。