唇の荒れに悩んでいます。常にガサガサして乾燥しており、切れたり、時には細かい湿疹のようなものが出てかゆくなります。一日に何度もリップクリームを塗っていますがよくなりません。内臓との関係はありますか。どうしたら良いでしょうか。

　無意識に口唇をなめることから起きる、俗に言う“ナメカン”とかぶれ、この二つの可能性が高いと思います。いずれも内臓とは関係ありません。

　口唇も皮膚と同じで、潤い分がなくなれば肌荒れします。大事な表面の油分がなくなると容易に乾燥し、水分を補うために無意識になめてしまいます。すると、さらに油分がなくなり、ますます乾燥するという悪循環にはまります。これが俗に言うナメカンです。ナメカンでは、なめた時に舌が触れる口唇のまわりまで肌荒れします。この場合、リップクリームやワセリン等をこまめに塗って、なめないように気を付けていれば、治ります。

　もう一つの可能性はかぶれで、その二大原因は口紅と歯磨き剤です。

　口唇は普通の皮膚に比べるとかゆみは感じにくく、常にかゆいわけではありません。かぶれとは気が付かないこともしばしばです。

　口紅のかぶれでは、まわりの皮膚の症状はわずかです。はみ出さぬように気を付けて塗っているからですね。長い期間口紅を使っているうちに肌に合わなくなる場合もありますので、ずっと同じものだから安全とは断言できません。また、口紅のかぶれの場合、原因は色々な口紅に共通に含まれる色素のことが多く、そのケースでは違う製品に変えても同様にかぶれてしまいます。

　歯磨き剤によるかぶれは、口腔粘膜には全く症状がなく、口唇の荒れと、口唇のまわりの皮膚炎、かゆみが主症状です。歯磨き剤に含まれる発泡剤のラウリル硫酸ナトリウムが原因であることが多く、この場合発泡剤を含まないノンフォーム製品に変える必要があります。

　以上が複合していたり、それ以外の疾患の可能性もあります。正確に判断するためには、医師の診察やパッチテストを必要とします。一度皮膚科を受診してください。