肛門の周囲にいつも汗をかいています。ふき取るのですが、その後でヒリヒリするので、薬をつけています。何年も皮膚科にかかっています。いい治療法を教えてください。
(新潟市Y男・67歳)
回答
肛門周囲は、通常汗をかきやすい部ではありません。
まず第一に、肥満などにより皮膚同士がこすれ、いつも蒸れている可能性が考えられます。もし肥満が高度であれば、糖尿病などの検査を受け、肥満を解消する必要があります。
また、皮膚同士が擦れることにより間擦性湿疹やカンジダ症を併発している可能性があります。
湿疹等の皮膚病変が慢性化すると、ジクジクと汁が出てくる場合があり、これが「汗をかいている」という風に感じられているのかもしれません。
いつもふき取っているために必要以上に皮膚をこすり、皮膚病変が悪化している可能性もあります。排便後も強くこすらないように注意する必要があります。できれば温水シャワー付きの便座を使用し、清潔にも心がけた方が良いでしょう。適切な薬をこまめに付けてください。亜鉛華軟膏などはジクジクした皮膚病変を乾かす力があります。
このほか、痔などの肛門病変も一応念頭におく必要があります。痔瘻では肛門付近の皮膚に穴があいて膿が出たり、穴がふさがらずいつまでもジクジクと汁が出る場合があります。この汁が「汗」という風に感じられている可能性もあります。痔瘻が化膿した状態では腫れたり痛んだりしまので、そのような症状があれば外科を受診してください。
済生会新潟第二病院
皮膚科 丸山友裕