質問
四十歳半ばから頭皮にふけ、かゆみ、抜毛がでるようになりました。ここ6〜7年はふけ状のものがかさぶた状になり、これと一緒に髪も抜け落ちるようになりました。脂漏と診断されたのですが、予防法はないでしょうか。 (新津市・K子57歳)
回答
K子さんは脂漏性湿疹のようです。
脂漏性湿疹とは脂漏部位に好発する湿疹です。脂漏部位は皮脂腺が豊富にある皮膚のことで、頭皮、耳の後、へその回りなどのほか、顔のTゾーンもそれにあたります。Tゾーンはよく肌のトラブルを起こしますが、これも脂漏性湿疹の一つなのです。
頭皮の脂漏性湿疹ではかゆみを伴うことが多く、炎症が長く続くと徐々に脱毛をきたします。
本症の原因は、過剰な皮脂が酸化され皮膚に刺激的に作用するといわれてきましたが、近年、皮膚に常在する好脂性の酵母系真菌「マラセチア」の関与が注目されています。 このため、外用剤はステロイド剤の他、抗真菌剤も使用されるようになりました。頭皮には抗真菌剤配合のふけとりシャンプーが勧められます。
脂漏性湿疹はしつこく再発を繰り返しますが、治療にはよく反応しますので根気よく継続し、多少なりとも良い状態を維持することが抜け毛を防ぐ上でも大切です。頭皮へのステロイド剤の外用は、顔面とは異なり副作用はあまり心配ありません。
洗髪は1〜2日に一度、爪を立てずに行ってください。また、かゆみ止めを内服し、頭皮をかき壊さないことも大事です。体調不良やストレスも悪化因子ですので、規則正しい生活を送って、十分な睡眠をとりましょう。
済生会新潟第二病院
皮膚科 丸山友裕