質問
10年あまり前から冬になると両手の指が「しもやけ」で赤紫色に腫れて苦しんでいます。病院などからの塗薬は効果がありません。何かよい治療法がないのでしょうか。
北魚沼郡川口町 紀子 41歳
回答
しもやけは、体質的な要因が大きく、おとなになっても悩まされる方も多いですね。
しもやけというと寒い寒い冬に発症するというイメージがありますが、実は 晩秋から初冬、冬から春先にかけて発症し、必ずしも厳冬期に多い訳ではないのです。
しもやけが発生する要因としては、単なる寒さではなく、気温の日内変動、つまり日較差と湿度が大きいのです。日較差が10度前後あれば平均気温15度位でもしもやけは発症します。北海道から九州まで、さらに沖縄でも報告があります。また、冬に乾燥する関東に少なく、厳しい寒さの北海道では防寒対策をきちんとするため、むしろ少ないという興味ある報告もあります。
一般的治療として外用、ビタミンE内服、マッサージ等がありますが、なかなか治らない場合も多いようです。
紫色に腫れた指をマッサージすることはうっ血性の痛みがあって口で言う程容易ではありません。かゆみが我慢がならず針を刺しうっ滞している血液をしぼり出す人もいる位です。
そのような訳で、治療も万人に有効という訳ではありません。だとすれば、 予防に力をいれるしかありません。
まず、保温に気をつけることが第一。暖かくなれば自然に良くなるのですから最初から冷やさないことです。からだ全体を温かくすることも大事で、薄着は問題ですね。保温性の高い手袋、靴下を着用し、日較差の影響を受けないようにしましょう。
しもやけのできやすい人は手足が冷たく、湿っぽいです。水仕事で濡れた手をそのままにしていませんか?濡れた手を風にさらしたりのまま寒さの中に長くいるのはもってのほか。家に帰ったらすぐ湿った靴下をはき替え保温と乾燥に努めましょう。抵抗性を高めるため適度な運動や、温浴冷浴交互浴がよいなどの考えもあります。ためしてみては?
これからの季節、予防に気を付けてください。
暖かくなってもしもやけが良くならない人は膠原病等の検査も一度受けたほうがよいでしょう。
済生会新潟第二病院
皮膚科 丸山友裕