質問
顔中のにきびで悩んでいます。小さい頃から乾燥肌で、顔はもちろん、全身が白く粉を吹いた状態です。にきびの出ている部分もがさがさしています。ちょっとでもにきびが減るように一日何回も水で洗顔していますが効果はありません。生理の前になるとにきびが増えるような気がしますが関係ありますか。今年になってから体重が増え、汗もかくようになりました。また、体毛が濃くなりました。男性ホルモンが増えるとにきびも増えると聞いたことがありますが関係ありますか。治療方法を教えてください。
(新発田市・A子・16歳)
回答
男でも女でも思春期になると男性ホルモンの分泌が増えます。このため毛組織に付随している脂腺が発達します。この状態で毛穴の出口が塞がると、脂腺から分泌された皮脂が毛穴にたまり、にきびになります。
従って一般的にはにきびは脂性の人の方ができやすく、十分な洗顔で脂分を除去したほうが軽快します。
あなたの場合、肌の乾燥が強いのににきびが増えているとのことですので、やや特殊なタイプと思われます。理論的には、毛孔部の角化が強く、異常に毛穴がつまりやすいものと考えられます。
普通、にきびの外用剤は毛穴をふさがぬように、油気のないローション剤や、イオウ入りのものを使います。しかし、これらの外用剤は皮膚を乾燥させますので、あなたにはあわないかもしれませんね。そこで、外用剤としては油気が少く、しかも荒れた角質を正常化させる働きがある尿素入りの角質融解剤を使ってみてはいかがでしょうか。赤みが強いようでしたら、漢方薬や、にきび用の抗生物質が奏功する場合があります。
また、顔のどの部分ににきびが多いですか?おでこなら前髪、耳の前ならサイドの毛、顎なら手で触る癖や夜間に布団ですれている等、軽度の慢性刺激が意外な悪化要因となっています。髪形やちょっとした気遣いでかなり差がつきますよ。
生理前に分泌が増える黄体ホルモンは男性ホルモンと同様、脂腺を増殖させる作用があり、この時期にはにきびが悪化します。男性ホルモンはにきびを悪化させますが、脂腺の感受性の個人差の要素が強いため、にきびの悪化イコールホルモン異常ということにはなりません。体重に関しては、年齢的要因もありますのでホルモン異常の有無については何ともいえません。少なくともにきびとは関係ないでしょう。
済生会新潟第二病院皮膚科
丸山友裕