「きみ、これは間違えだよ」「す、すみません。間違いました」 ・その2
前回は「新潟弁」の方に話が一気にずれたけど、まじめに検証すると、こういうことです。

さて次に示すものはどちらが正しいか?

1)「間違えない」
2)「間違いない」

答えはちょっと考えてから下を見てね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はいはいはい、どちらも成立しますね。

1)は「間違える」という動詞の未然形。
2)は「間違い」という名詞プラス否定の「ない」、つまり「間違い」が「ない」ってことね。または「君は間違いない人だ」のような慣用的な形容詞的用法(広辞苑には形容詞としての「間違いない」は出ていません)。

似たようなものがどちらも成立するので、そのうち混乱して「間違いやすい」じゃなかった、「間違えやすい」というわけ。

ちなみにこのような混乱は簡単に作ることができる。

例えば、「とんがりコーン」というお菓子があります。今から、あなたは「こんがりトーン」と「とんがりコーン」を適当にごちゃ混ぜにして、続けて十回言ってください。さて、そのあと、あなたはどちらが正しいお菓子の名前だったかもうわかりません(ただしハウス食品勤務の人を除く)。もし「まだわかる」という方は一週間続けてみてください。絶対にわからなくなります。かく言う私は過去に自分でこの実験をやったために、今ではどちらが正しいか全くわからず、ハウス食品のホームページを見て確認しました(笑)。


おまけ1

 このような音の入れ換えの例:

「暑い夏だな〜〜!」→「なつい あつだな〜〜!」

「さらば!」→「さばら!」

「ちびまるこちゃん」→「ちるまびこちゃん」「ちまびるこちゃん」

「加藤あい(かとうあい)」→「阿藤快(あとうかい)」

「草刈正雄」→「マサカリ臭雄」

「鉄の結束」→「ケツの鉄則」

「ズレないブラ」→「ブレないズラ」

「生体肝移植(せいたいかんいしょく)」→「性感帯移植(せいかんたいいしょく)」

「舌鼓(したつづみ)」→「したづつみ」 
  これはすでに容認されています(広辞苑に出ていますし、パソコンで入力するとどちらでも「舌鼓」に変換されます)。

(旅館で中居が)
「御床の用意ができました」→「男の用意ができました」・・・女性客は大喜び??


おまけ2

 「音(おん)の入れ換え」は幼児期の言語発達段階によく見られる現象とされていますが、成人にも時に見られ、大脳生理学的にも説明されています。「したづつみ」のようにすでに容認されたものもいくつかあります。

次回は音の入れ換え例として「新しい」を取りあげます。