「きみ、これは間違えだよ」「す、すみません。間違いました」・その1

前回はちょっと硬かったので、今回は軽くいきますね。

「きみ、これは間違えだよ」「す、すみません。間違いました」 のどこがおかしいかわかりますよね。

え?わからない?

だとしたらあなたは生粋の新潟っ子だね。正しくは

「きみ、これは間違いだよ」「す、すみません。間違えました」と言わなくてはいけないのであ〜る。

新潟の人は「い」と「え」の発音の区別がはっきりしないんだよねえ。

「煙突」は「いんとつ」。「越後ビール」は「いちごビール」、「鉛筆」は「いんぴつ」てな具合。

私の友人の中学時代の「いい語」の先生は「です いず あ ぺんそーろ」と、すごくなまっていて、とても発音の真似などできなかったそうな。あ、すいません「英語」の先生です。自分で「いい語」って言うんだからしょうがないよね。

クリニックでの会話

患者:「先生、鼻のおできから息がでました」
私:  「え!!?鼻のおできから『息』が漏れたんですか??それは大変だ!!」
患者:「はい」

    鼻の皮膚が穿孔したかと思い、拡大鏡でしげしげと見たが、穴は開いてない。果てさてどういうことか、と思ったら、
患者:「『いき』が出てジクジクしました」
私:  「それはひょっとして『液』ですか?」

患者:「はい『いき』です」
私:  「なるほど『液』ですか」
患者:「はい『いき』です」

私:  「なるほど〜〜〜〜」(ポーカーフェイスを貫くが、笑いをこらえるのに必死・・・スミマセン)

患者さんが帰った後、看護婦が笑いをこらえながら
「私の子供が『ドライもん』って言った時はショックでした・・・」

全般に「え」が「い」の方にシフトする形で区別がなくなってますね。だから、「色鉛筆」は「いろいんぴつ」であって、

「エロいんぴつ」ではない。残念ながら。ま、大して残念じゃないか。(後で新潟のネイティブの人に聞いたら「エロいんぴつ」と言う人もいるそうです)

「新橋陰部場でエッチ団結!」と言われて卒倒しそうになったが、あらためて聞いたら

「新橋演舞場で一致団結!」だったという話もある。

 昔、新潟の女の人の名前で「ハツイ」とか「キクイ」さんとか「イミ子」さんとかいっぱいいましたよ。今でもいるけど。
大体僕よりちょっと上の世代までが多いですね。

 これは全国的には一般的な「初枝」さんとか「紀久恵」さんとか「恵美子」さんが、戸籍登録の段階でなまっちゃているんではないかと思うんですけどねえ。「恵美子」と書いて「いみこ」とかなを振る人もいます。


おまけ

東京地方では「ひ」と「し」の区別がないのは有名だけど、青森県ではフレーズによっては「し」と「す」も曖昧だった気がする。

トイレの張り紙で「用が済んだら水を流すてください」というのを見た時には、いや〜、びっくらこいたわ。