山ん婆ギャル、皮膚癌で絶滅
最近、顔を真っ黒に焼いて髪の毛を異様に白く染め、目と口を白で縁どる「山ん婆ギャル」なる一群が現われました。そこまでいかなくても、顔を日焼けさせる「ガングロ」なる一族も町を歩いています。本人達は可愛いと言いますが、眉をひそめる大人もいます。
皮膚科医である私はちょっと見方が違います。私が言いたいのは
「君達、20年後30年後にしみだらけ、皺だらけになって泣くぞ。そして、そのあと皮膚癌になるぞ」です。
かつて言われたように紫外線を浴びなくてもビタミン不足にならないことが判明しました。皮膚の老化、発癌の最大原因は紫外線で、しかも若いうちに浴びた紫外線の総量でその後の皮膚の老化速度が決定されることも判明しました。つまり、今浴びた紫外線は20年後30年後に皺やしみ、さらには癌になって自分自身に還ってくるのです。白人には過剰な紫外線の降り注ぐオーストラリアでは子供のうちから日焼け止めを塗る習慣が浸透してきました。
山ん婆ギャルの皆さん、今やオゾン層は破壊され、有害紫外線は地表に雨あられと降り注ぎ、あなた方の皮膚は危険にさらされています。
明日から色白ギャルを目指してください。皮膚癌で絶滅する前に。
ところで、10月から半年間続けてきた私の朝の随想も今日で最後になりました。朝の随想を聞いて下さっている方は思いのほか多く、励ましの言葉や、手紙などを沢山いただきました。
私の随想のためにわざわざ器械を購入して毎回録音して下さった方がいらっしゃいます。また、毎回最後の回文を記録するためにラジオを聞きながらボイレコーダーに向かって毎週毎週人目を気にしながらバスの中で叫んでくれた方もいらっしゃいます。
「あたし頭の中馬鹿なの、また明日あ」
等と叫ぶのはずいぶん辛かっただろうと思います。また、新年の回文
「生かせ起点、新千年元年、先進的世界」
を大変気に入って下さり、墨で書にしたため部屋に飾って下さった方もいらっしゃいます。
「バロック音楽と私」の話は思いのほか好評で、感動した、リコーダーの演奏もまた聞きたいとのお手紙をいただき、私の方がもっと感動してしまいました。
自らを語ったこの半年間は自分を振り返る良い機会となり、我が半生をしみじみと思い出しました。
皆さん、またいつかどこかでお目にかかりましょう。
最後の回文です。新潟の皆様に愛をこめて
「新潟を よろしくしろよ お互いに」
(にいがたおよろしくしろよおたがいに)