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update : 2001.9.8.sat

多次元オリジナルストーリー <1>

 

『未来予想図』

がんま・れい様:作
2001.9.2.sun

 

 


「未来予想図」

 

ヤマト。
コスモタイガー隊パイロット控室。
加藤三郎と山本明が寛いでいる。
加藤、雑誌を読んでいる。

加藤「なあ、山本。」
山本「ああ?」
加藤「これはな、ずっと未来の話になるんだが何時の日かこの宇宙に鉄道が敷設されるらしいぜ」

山本、怪訝そうにヘルメットを磨いていた手を止める。

山本「はあ??鉄道??」
加藤「そうなんだよ。楽しみだよなー。そういう話を聞くとなんていうかこう、想像力をかき立てられるなあ。」
山本「・・・・・・・」

この話題を伸ばすかどうか悩む山本。少し面倒くさい山本。
そして、意に介さない加藤。

加藤「いいよなあー、それくらいの時代になったらきっとクリスタルで出来たウェイトレスとか、もしかしたら美人な女海賊とかいたりしてなあ。それも森(雪)くん以上にさあ。」

とたん、山本の表情が固くなる。
口端が思い切り引きつっている。

山本「い・・、いや・・、森くんだってほらさあ、美人じゃん」
加藤「山本ー、そんな現実的な感覚はよせよ。第一お前だって言ってるだろうが。あの二人を見ていると疲れるって!」

その場を逃げようとする山本。加藤、わからない。
そして背後で殺気立った森雪の声。

森雪「ふうううーーん・・・。そお。あなた達は私たちの事をそういう眼で見てたんだあーーーー。」

加藤、山本の襟首を捕まえている。
二人、顔が青ざめている。このときばかりはガミラス。
その後、艦内に響き渡る阿鼻叫喚。

森雪「あなた達なんて、その銀河鉄道とやらに乗って怪しい機械化惑星にでも行ってネジにされるといいんだわ!!!」


パイロット室を出て行く。
残されたのはボロ雑巾の様な加藤と山本。
・・・ちなみに加藤と雪の予想?は現実となってしまう。

 

★★★



「未来予想図 2」

 


ヤマト。
コスモタイガー隊パイロット控室。
加藤三郎と山本明が寛いでいる。
加藤、雑誌を読んでいる。

加藤「なあ、山本。」
山本「ああ?」
加藤「これはな、ずっと未来の話になるんだが何時の日かこの宇宙に鉄道が敷設されるらしいぜ」

山本、怪訝そうにヘルメットを磨いていた手を止める。

山本「はあ??鉄道??」
加藤「そうなんだよ。楽しみだよなー。そういう話を聞くとなんていうかこう、想像力をかき立てられるなあ。」
山本「・・・・・・・」

山本、ため息をつく。

山本「馬鹿か、お前。」
加藤「え??何で?」
山本「大体鉄道なんて決められたレールの上しか走らねえじゃねえか。そんなのに乗って楽しいわけねえだろうが。」
加藤「それじゃあ、お前ならどうしたいんだよ」
山本「俺か?俺はなあ」

天井を仰ぐ。

山本「俺だったら真田技師長みたいにメカに強い友達と戦艦を造ってだなあ、自由に宇宙を旅するな。あくまでもしもの話だがさあ」

そのときドアが勢いよく開かれる。
驚く二人の視界に真田志郎が入る。眼が、輝いている。

真田「山本・・、お前ってやつは・・」

嫌な予感のする山本、じりじりと後ずさりする。
近寄る真田。

真田「お前が機械の事に興味があったなんて思いもよらなかったぞ!」
山本「ぎ・・・技師長ぉぉぉ・・・・・・」

真田、山本の腕を掴む。そして引く。山本の表情が強張る。

真田「俺はお前のような男が技術班に欲しかったんだ!!さあ行こう!発明への貪欲なる追求の世界へ身も心も捧げよう!!!」

嫌がる山本。

山本「いっっ嫌だーーー!!!俺はここがいいんだああーーーー!!」
真田「何を今更照れてるんだ。お前は初めから技術班に行きたかった、そうだろう?」

真田、嫌がる山本を室外へ引きずって行く。

山本「放せぇぇ!俺はこれ以上制服を替えたくないー!!」

徐々に小さくなっていく山本の声。
その始終を見守っていた加藤。
山本の去って行った方向へ敬礼をする。

加藤「アデュー、山本。俺の愛機の整備はお前に任せた。」


ちなみにはじめの山本のコメントも、事実となって、宇宙は未来において
「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」の姿を見る事となる・・。


                            劇終

 

 

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 ★がんま・れいさん、投稿してくださってどうもありがとうございました!!
  雪も真田さんも恐怖の地獄耳ですね〜。真田さんは山本にかねてから技術班へ引き抜こうと狙ってたとは。
  本人は嫌がってたようですが真田さんに見込まれるなんてスゴイことじゃないですか?!
  それにしても面白かった〜。
  すごく楽しく読ませていただきました。言葉運びも最高ですね!


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