ローラ

 

登場話 : 10話『謎の惑星に迫れ』/11話『ローラが金色に輝く時』/12話『母よ永遠なれ』

 

ローラ

<2002.2. Illustrated by Maja>


  
 容姿はまだ少女の面影が残るが、非常に腕の立つ優秀なマゾーンでその独特のクールさがとても魅力的なマゾーンでありました。
なんと連続3話に渡って登場して、まだ戦いの経験不足な台羽正にその美貌や母の幻影を見せて惑わしたこのローラは数々登場したマゾーンの中でも印象に残っている人も多いのでは?
 彼女の身分としては一士官で、戦闘機隊の隊長ではあるけれど、上司のアレルギアス司令の配下のということでそんなに高いわけではないのですが、はっきり言ってその司令よりもキャラクターの個性が際立っていましたね。(勿論それは敢えてそういう設定にしているんでしょうけど。)

 私は最初見てた時は、”人の心をもて遊ぶ悪のマゾーン”キャラという単純なイメージがあったり、雑誌では”台羽正を成長させる為のキャラ”と書いてあったりもするけれど、いろいろ見ていくと、ローラ自身が非常に魅力的なキャラクターなんだなぁと思いました。
 まず、アレルギアス司令にも一目置かれるほどの優秀な闘いぶり。
アルカディア号も一時は彼女の精鋭部隊により一時戦況が危うくなったり、台羽も最初の戦闘機での対決で破れてしまうのでした。
(しかも戦闘機での宇宙戦にも関わらずその美貌をも武器にしてしまうところも凄い…。)
また、宇宙での戦闘を離れてアルカディア号に捕虜となっても、逆にアルカディア号の秘密を探り出しまんまと仲間の元に舞い戻り、その入手情報からアルカディア号の弱点を攻撃するあたり、度胸と狡猾さも只者ではない?!
 それから面白かったのが、アルカディア号の反撃で母艦がラム戦で体当たりをされる寸前、司令が急いで回避命令を出した時、「司令、もう間に合いません。」と冷静に言うローラ。
うーん、ゆくゆくは司令以上に出世していく玉か?と思ってしまいましたね〜。
無論、ハーロック達がマゾーンの行く手にたちはだからなかったら、その実力からして彼女の未来は栄光が待ち受けていたことでありましょう…。

 ただ、非情に台羽正に亡き母への想いを利用して意のままに操ったそういう狡猾でクールな彼女も、今の司令を引き摺り下ろして私がそのポジションに…とか、司令をバカにするとか、そういう人間だったらよくある野心的な感情は見られず、ひたすら司令の指揮のもと、軍人としての自分の役割を果たしているように見えるんです。(それはあくまでも個人的な見方で本当かどうかわかりませんが…。)
 また、金星で台羽の母になりすまして台羽と共にアルカディア号から脱出するとき、横に台羽がいるのに、空をふと見上げて遠くにある地球を想い「地球。第2のふるさと。」と思わず呟くところに、クールなだけでないその下の彼女のもう一面を少し見た気がしました。
私としては独特のクールさプラスこういう面も持っているところが魅力的でしたねぇ。
 最期は、いかにも彼女らしいというか台羽に破れて笑いと共に消えていったわけですが、ある種謎の笑いですね。
この哄笑の意味もいろいろ考えていくとまた面白いかもしれません…。最後まで強烈な個性を持つマゾーンでした。


◆セリフから
 「あなたと私が逆の立場だったら、あなたはしゃべる?ほら、ごらんなさい、私だって同じよ…。」

 


 
おうかしら?」