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「パスワ−ド魔法都市」 松原秀行 文/ 梶山直美 絵 講談社 青い鳥文庫 「パソコン通信探偵団事件ノ−ト10」で前作「パスワ−ド龍伝説」の続き。 ネロ(野沢レイ)をボスとするパソコン探偵団の5人はある事件のためイギリスまでやってきた!霧のロンドンでの「赤いドラゴン」の謎は?敵に捕らえられたホ−ムズ4世の命は? とうとうパソコン探偵団も国際的になりましたね〜。 今回はア−サ−王の伝説やマザ−グ−スなどが随所にでてくるし、「アンドロイドが電気ヒツジの夢をみるのよ」(SF読みならすぐわかる!)なんてセリフもあって、はたして子供に100%理解できるのか疑問。娘に「ア−サ−王とかマザ−グ−スとか知ってる?」ときいたら「よくわかんな〜い」って言ってました。(笑) もちろん、知らなくても物語は楽しめます。おもしろいです!でも、今回はそういう基礎知識がある人の方がより楽しめると思います。 |
「にんきもののはつこい」 森絵都 文/ 武田美穂 絵 童心社 男子のにんきもの、でも女子の嫌われ者のきさらぎまいこ。 だって、もてるために努力してるもの!私は将来男に囲まれてくらす魔性の女になることなのよ! なのに、にんきもののこまつくんにときめいてしまうなんて・・・・ 子供が読んでどこまでわかるのか、わかりませんが、まいこって意外と重いものを背負ってるんですよね。だから、こういう子はまいこのように、「男に囲まれてくらす」か「男なんていらない。ひとりで強く生きていく」かどちらかに傾きやすいと思うのですが。(私は後者でしたけどね) いましたよね。男子の前でだけいい顔して、甘ったれたやつ!大嫌いでしたけど(笑)。でもまいこについては、なんか感情が入ってしまいます。だぶん、(元?)女の子ならこういう子に腹をたてたりした記憶があると思います。 女ってこんな年頃から女なんですね〜 |
「にんきものをめざせ」 森絵都 文/武田美穂 絵 童心社 「にんきもののひけつ」でけいたくんがたったひとつだけもらったチョコレ−ト。それをくれたのが、この本の主人公かなえ。 「げてものずき」と言われても、「魔が差しただけでしょ」といわれても、めげないんだ!だってみんなの知らないけいたくんのいいところ、私だけが知っているんだもん。 ところがある日、男子の人気者のきさわぎまいこがけいたくんに近づき始めた。まいこときたら男子の前でだけ甘えた声をだす、女子の嫌われものなのに。 いや〜〜〜〜、さすが最強コンビ!すっごく面白いです。 かなえだって、まいこだって、クラスに一人はいそうな子なんだけど、本当にうまい! 娘ですら、いきなり「ママ、森絵都ってうまいよね」っていいだしたくらい。 子供もって10歳をすぎるころから、こういうことやってますよね。たしかに。 大人が読んでも、きっと懐かしく感情移入できると思います。 ほんと、子供だけのものにしておくにはもったいない! |
「穴-HOLES-」 ルイス・サッカ- 講談社 空から降ってきたスニ−カ−を拾って持って帰っために、グリ−ン・レイク・キャ ンプ(厚生施設)に送られることになってしまったスタンリ−。だってこんな臭いスニ−カ−が有名なプロ野球選手のもので、5千ドル以上の値打ちがあるものだなんて 知らなかったのだもの。盗もうとおもったわけじゃない。 送られたグリ−ン・レイク・キャンプときたら<レイク>とは名ばかりのからから に乾いてひび割れた砂漠!そこでは直径1.5メ−トル深さ1.5メ−トルの穴を掘 るのが日課だった。人格形成のための根性をやしなうため、と所長はいうけど、実は別の目的があったんだ。 スタンリ−の不運は、ひいひいおじいさんがジプシ−のばあさんから豚を盗んだために呪いをかけられたことにさかのぼる。だからスタンリ−の一族は代々ツイてない。でも、だれも希望だけは失わない。 これがいいところなんだよね。 穴を掘りつづけてつらい毎日のスタンリ−。ゼロという友達とある事件を起こして、 キャンプから脱出することになる。逃げたってそこは砂漠。二人は生き延びるために極限の状況になる。でもスタンリ-は「今の自分が好きだ、ゼロと出会えたのも運命だ」って思うの。ジ−ンとしました。 グリ−ン・レイク・キャンプでのスタンリ−の話と、ひいひいじいさん、ひいじいさんの時代の話が交互の語られます。それが複雑に絡まって思わぬ結末へとなだれ込 む。穴を掘る本当の目的とは? なぜ、ひいひいじいさんは呪いをかけられたのか!など、読みどころがたくさん! 日本では、あまりおめにかかれないタイプのお話だと思う。「厚生施設」の所長がこんなヤツだなんて、あっていいの?って感じだし。 |