シルビィ・ギエム

母親が体操の教師であった関係で、国立スポ−ツ学院で体操のトレ−ニングを受ける。12歳の時にすでにオリンピックの予選を通過。振付の基礎を身に付けるために、パリ・オペラ座バレエ学校でバレエ研修を受けたのをきっかけに、1977年にパリ・オペラ座バレエ学校に入学。
1981年、パリ・オペラ座バレエ団に入団。1983年、ヴァルナ国際バレエコンク−ルで、優秀賞、 特別賞、金賞の三冠を獲得。1984年には、パリ・ポペラ座の優秀な新人に与えられる、カルポ−賞を受賞し、プルミエ−ル・ダンサ−に昇格。その5日後始めて主演した「白鳥の湖」の終演後、舞台上でエトワ−ルに任命されるという華々しい昇進劇を演じた。1989年にオペラ座を離れ、国際的な活動を開始。
世界各国から招かれて客演し、現在人気、実力ともにバレエ界の頂点に立つ。

シルビィと同じ時代に生まれ、生の舞台を見るチャンスがあることを神に感謝したい。
素晴らしいバレリ−ナだ。高く上がる脚、並外れたバランスなどテクニック的な部分があれこれ言われやすいが、表現力も並じゃない。
気高く、気品があるオデット、可憐で初々しいオ−ロラ、純真でかわいらしいジュリエット、妖艶な娼婦マノン。どれを踊っても役そのものになりきっている。その上にあのテクニックだもの。例えばロ−ズアダ−ジョでなどでは、高く脚をあげたままクラリともしない。男性の手はただバラを手渡すためのもの。そんなダンサ−はほとんどいない。高度なテクニックは見ている者に安心感を与えてくれる。

 2001.11.18
『シルビィ・ギエム・オン・ステ−ジ』を観に行く。演目のうち東京バレエ団の『白の組曲』と『スプリング・アンド・フォ−ル』は睡魔との戦いだった。結構好き、と思える部分はたくさんあったのに、気が付くと意識が遠のいていた。筋書きのないダンスなのに30分もなんて長すぎる!やっぱり、物語のあるバレエが好きだな〜。
シルビィが踊ったのは『ラ−シヌ・キュ−ビック』『ボレロ』。どちらも一度は見たいと願っていたものだけに、感激もひとしお。だいたいシルビィが舞台にあがっただけで、観客の緊張感も全然違う。睡魔が襲ってくるどころか、咳ひとつ聞こえてこない。みんなが舞台にだけ集中しているのが、ひしひしと伝わってくる。
『ボレロ』は!もう、なんと言っていいのやら。私には、宗教儀式のように感じられた(いい意味で)。赤くて丸い、一段高い舞台で踊るシルビィはまるで、神に踊りをささげる巫女のようだった。これを生で見ることができて、本当に幸せ。

興奮のまま楽屋口に待っている人に混じって出てくるのを待つ。これも初めての経験。バレエのことなどおしゃべりしながら小一時間程待っていると、なんとサインをしてくれるというではないか!!!
うっそ〜〜、マジ〜〜などど、叫んでしまいそうなくらい興奮してしまった。パンフレットにサインをしてもらい、握手までしてもらった。目の前で見たシルビィは、すっごく、顔が小さかった。握手してもらった手は、暖かくて、指が長かった。もう、夢みたい・・・・・
 あまりに興奮したので、足が震えて、泣き出してしまいそうだったよ。駅の階段を転げ落ちるのではないかと思うほど。