「まちづくりと情報化」について
私がテーマとしている「まちづくりと情報化」がいったいどういうものなのか、少ない知識と知恵を絞って説明したいと思います。
○「まちづくり」とは?
1)「まち」について
「まちづくり」とは、文字通り「まち」を「つくる」ことです。
まず、「まち」についてですが、複数の居住者(昼間のみの滞在者も含む)がいることが「まち」の前提条件ではないかと考えています。また、「まち」には大小様々な捉え方があり、大きくは都道府県から、小さくはある通り沿いの数件の住宅の集まりを「まち」として捉えることも可能です。「まち」の区切り方も、都道府県、市区町村等のように行政単位を区切りにする明確なものもありますが、実際には、最近、話題になっている「中心市街地」のように曖昧な捉え方もできます。しかし、「まち」として捉えるためには、何らかしらの地域の関連性、共通性や、居住者間のつながりがあることも前提条件ではないかと考えています。
2)「まち」の構成要素
次に「つくる」についてですが、「まち」を「つくる」場合は、「まち」がどのような要素により構成されているかを考えることが必要であります。
「まち」の最初の前提条件が複数の居住者であったことから、「ひと」を中心とした構成要素と、「ひと以外」の構成要素に分けることが可能です。
「ひと」に関しては、住民や就業者としてに「個々人」と、個々人の集まりである「組織」(企業、地方公共団体、NPO・NGO等)に分けることができます。また、「ひと以外」に関しては、基本的に「まちの資産」として捉えることが可能であり、建物や道路等の「有形資産」と、知識や文化等の「無形資産」に分けることができます。
更に、「まち」の構成要素として、「ひと」と「まちの資産」の組み合わせから創出される「機能」を挙げることができます。例えば、教師という「個々人」と学校という「有形資産」、そして地域にある知識や文化等の「無形資産」により教育という「機能」が創出されます。
したがって、「まちづくり」とは、これらの構成要素を現状から改善したり、新たに創出することで、「まち」を望ましい方向に発展させていくことだと私は考えています。
図表1 「まちの構成要素」
○「情報化」とは?
辞書を引くと「情報化」とは「情報の役割が増大し重視されること」とされています。私のテーマとする「情報化」も大きくはこの捉え方で問題ないのですが、厳密には「高度情報化」、つまり、「情報通信機器や情報通信ネットワークの発達により、情報の役割が増大するとともに、情報に収集・作成・加工・発信等の利便性が高まること」であると考えています。
○「まちづくり」と「情報化」の関連
情報自体は「まち」の構成要素である「無形資産」に該当すると考えております。ただし、「情報」を作成したり消費したりするのは「ひと」であり、それを流通させるために、「有形資産」も必要になってきます。
昨今の高度情報化の進展にともない、「まち」の中における情報の重要性も高まってきており、パソコン、ファックス、携帯電話といった情報通信機器の家庭への普及が進むとともに、インターネットの利用者も急速に増加しています。
このようなことから、今後、「まちづくり」は「情報化」に関する検討を抜きにして進めることはできないと考えておりまして、「まちづくり」に関する検討そのものにおいても情報通信ネットワークを活用する事例も出てきています。
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