167系
修学旅行専用
(急行形)電車

 修学旅行専用電車の登場は昭和34年春に155系電車の運用が元祖である。
 この黄色と朱色のツートンカラーは中学生から募集で当時としては斬新な物であり、修学旅行の楽しみに非常に大きな色を添えるものになっていた。
 車内構造も特殊で、3人掛け・2人掛けのボックスシート、進行方向に向かって真横に向いている大きな網棚、トイレが1両あたり2ヶ所で左右両端に設置され大量輸送の修学旅行用に対処されていた。
 ちなみに男子・女子専用トイレを設置したのも列車トイレとしては初めてのことであった。
 愛称は「きぼう」「ひので」「こまどり」「なかよし」があり、首都圏から近畿圏・近畿圏から中国圏の往復で修学旅行の生徒を頻繁に輸送した。
 しかし新幹線開通後はその修学旅行の利用が減り、昭和46年秋をもって運用を終了した。
 運用終了後もしばらくの間は黄色と朱色のツートンカラーを保っていたが、徐々に湘南色(オレンジと緑のツートンカラー)に塗り替えられ修学旅行専用電車の面影が消えた。

 167系電車は急行形電車165系をベースに昭和41年北関東・中国地区用に製作され、修学旅行専用の任務を外れたあとは東海道本線の急行「東海」「伊豆」「ごてんば」に運用された後、現在は団体専用電車としてJR東日本田町電車区(東チタ)に籍を置いている。

 画像は昭和52年夏に品川駅で撮影したものだが、カメラのフィルムふたが一瞬開いてしまい、画像が粗い写真になってしまったのは悔いが残る限りだ。

 修学旅行専用電車の姿は現在東京秋葉原にある交通博物館に「なかよし」のヘッドマークを掲げ展示されている。

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