[ 目黒区M邸 ]2006〜2007
東京/個人住宅/木造地上2階地下1階建て
設計_中辻正明・都市建築研究室
(中辻正明+中辻雅江)
監理_同上
構造_長坂設計工舎
施工_栄港建設
撮影_田伏博氏(上段:中と右/下段:左からニつ)
その他:中辻正明撮影
新しい住まいの設計 2008/02 掲載
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東京23区内に建つ、内外とも白をベースにした住宅。
建築主の持ち物がカラフルでデザイナー物が多かった
ので、建物はシンプルな背景となるようにしました。
外壁はガルバリウム鋼板です。建物のコーナー(出隅
と言います)も板金を折り曲げて張っています。金属
板は色や張り方で建物の印象がずいぶんと変わります。
小さな敷地なので地下と屋上をつくりました。地上2
階と合わせると4層構造です。元々の敷地が道路より
高く、そのレベル差を利用した半地下は十分な自然な
通風と採光がとれています。純粋な全地下の半分以下
の工事費で実現できるのも魅力です。ここでは夏季
中間期に地階の床下で冷やした新鮮空気が住宅の隅々
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まで行き渡る工夫をしました。その仕組みは地表から
1mよりも深い土中の安定した地熱と、煙突効果や重
力換気などの自然の法則を最大限に利用しています。
機械換気やエアコンに頼らなくても、快適に暮らせる
家づくりはできます。...とは言え、都心の密集地
ですから全室のエアコンに加え、1階のLDKは全面
の温水式床暖房が備え付けてあります。中央に階段が
あるLDKは、ぐるぐる歩き回れて空間をフル活用で
きます。Lのソファに座って見上げると吹抜を通して
子供室や屋上に視線が抜けていきます。吹抜の高窓は
採光と通気にとても有効。屋上に出ると都心とは思え
ない360°の展望が広がります。
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