好きという 言葉が 夜の沈黙の中で
ただひとつ 光っていました
好きという扉を 何枚かひらいて行っても
それは 好きで つくり上げられている
お家のようなものなんです
おいしくて 何杯でも 食べられる
ごはんの おかずみたいに
甘く 優しく うっとりと してしまいます
本当にうれしくて 楽しくて 思い出して
なめて 熟して 熟れて とろりと 美しいのです
お水は きれいなのを 下さいね
お天気の日は 陽にあてて
私を 眺めて いて下さい
赤い色は 私の心と 同じ色
SUMACO
版画集「九ッの扉」より 2004年
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