ダイバーデビューツアー
2003.08.24


登場人物

オレ

浩邦
小・中・大学と一緒だった友人。

亀山さん
パパラギダイビングスクール渋谷店の店長。

金谷さん
オレらよりすでに2本多く潜ってて水中でも落ち着いてる。

佐藤さんヒロミさん
ハワイでライセンスを取った仲の良いお二人。海の中ではずっと手をつないでました。

田中お母さんアンナちゃん
アンナちゃんは小学6年生! 浩邦曰く「お母さんの方が落ち着きがない」というお二人。お母さんは来るときに駅でコケて捻挫したらしい。潜って大丈夫なの?


用語集

オープンウォーター(略してOW
スキューバダイビングのもっとも初歩的で基本的なクラス。

アドバンス
正確には「アドバンスドオープンウォーター」。「OWコースが基礎テクニックと基本的な緊急手順を学コースなら、アドバンスコースは『遊び方』を習うコースです!」とチラシには書いてある。海底に足を着かないで泳ぐ方法や深いところに潜る方法などを習う。

バディ(バディシステム)
ダイビングの安全確保のために2人一組で機材のチェックをしたり水中でも同行すること。

軽機材

スノーケル…シュノーケル
マスク…水中めがね
フィン…足ひれ
スーツ…ウェットスーツ
グローブ
ブーツ
メッシュバッグ…機材を入れるメッシュ部分のあるバッグ。水洗いできる。

重機材

BCD…ライフジャケットみたいの
レギュレータなど…タンクから空気を吸うための道具。

耳抜き
耳の中の空気圧と水圧を同じくらいに調整する行為

ログ(ログブック)
ダイビングでは記録が重要らしい。海外で潜るときもログブックを持っていって自分の経験を証明しなきゃいけないときもあるんだと。自分で書くだけでなくてバディにも署名をしてもらう。




 浩邦に誘われて再び伊豆に潜りに行くことになった。オープンウォーター(以下OW)を終えてアドバンスまでに1本も潜ってないのは不安だというのだ。OWの海洋実習に行ってからかれこれ1ヶ月近く経ってしまっている。潜ったときのテクニックはともかく、機材のセッティングについてなど、メインでないことは確かに忘れてそうだ。そんなわけでちょうど初心者向けのツアーがあったので潜りに行くことにした。しかし、話が決まったのがツアーの一週間前。よくもまあ予約が取れたものだ。

 今回のツアーは日帰りのものだけど、オレらはまた天城の別宅に泊まらせてもらうことにした。ちょうど親父と母親も行っているので食事や風呂の支度など一切しなくていいから助かる。東京を20時頃出発して23時半に到着。山側(箱根新道&伊豆スカイライン)と海側(真鶴道路)のどちらを通るか迷ったが、途中で食事をすることを考えて海側を使うことにした。箱根新道では霧かがかなり濃かったらしいので大正解だろう。

 深夜1時に床について朝6時前に目が覚めてしまった。9時15分の集合に対して8時40分頃家を出ればいいんだから本当に助かる。が、車の中でもあくびが止まらない。インストラクター(略してイントラ)の亀山さんにも「寝不足?」なんて言われてしまった。そんなに眠そうな顔してたかなぁ。

 イントラの亀山さんは渋谷店ではいつもお世話になってるけど、海(&プール)でお世話になるのは初めてだ。機材のこととか全部面倒見てもらってるので心強い。亀山チームはオレ、浩邦、金谷さん、佐藤さん&ヒロミさん、田中さん&アンナちゃん親子の7人(亀山さん入れて8人)。オレと浩邦と金谷さんが3人でバディを組むことになった。

 まずは伊豆店で機材の準備。オレはほとんど自前で持っているが、浩邦はマスク以外は全部レンタルだから忙しい。オレはウェイトだけを準備すればいい。が、今回は前回のスチール8リットルのタンクと違ってアルミ10リットルのものを使うらしい。この2種類は重さが違うからウェイトの量も違う。スチール8リットルのときは4kgだったけど今回は…同じでいいらしい(笑) 待ってたのはいったい何のためだったんだ?

 伊豆店からマイクロバスで富戸(ふと)のクラブハウスへ。そこで着替えなどの準備をして富戸の海まで歩いていった。今日潜るのは富戸の脇の浜というところ。オレとしては同じく富戸のヨコバマの方が好きだったんだけどね。

 今度は浜でタンクにBCDレギュレータを取り付けるといった準備をする。今日は久しぶりの晴れの週末のせいか人が多くて浜が混雑していた。水の中の方がダイビングスーツを着やすいので、水温に慣れるためと素潜りを兼ねて海の中に入っていった。地上が暑いとはいえ水は冷たかった。今日の水温は24℃。浩邦のスーツはレンタルのため今回も腕が入りにくかった。

 そしていよいよタンクを背負い、海に入っていった。まずはBCDに空気を入れて沖にあるフロートまで水面を泳いでいく。このときもマスクをつけているので海の中をのぞくといろいろな魚がいて面白い。そして、フロートで全員集合してまずは深呼吸。そして耳抜きの練習。それからオレ&浩邦&金谷さんが最初に潜降することになった。が…

あれ? 沈んでいかない…。潜降ってどうやってやるんだっけ?

 前回は何も考えずに沈んでいったんだけど、今回はぜんぜん沈んでいかなかった。これというのもやっぱりウェイトが軽いせいだった。やっぱスチール製のタンクとアルミ製のものでは違うみたいだ(亀山さんの嘘つき!)。仕方がないのでフロートを海底につないでいるロープを引っ張って潜降した。オレが潜降するとすでに浩邦が海底で待っていた。他の人たちも潜降に手間取ってるみたい。金谷さんは一回潜降したのにまた浮き上がってしまった。田中お母さんはウェイトが軽くてバランスが取りにくかったらしい。ヒロミさんは耳抜きが上手くできなくてちょっと恐怖症入っちゃったみたいだった。

 ま、時間はかかったもののなんとか全員潜降し、水中ツアーが始まった。今回はOW講習と違い練習しなきゃいけないこととかはないのでずっと水中ツアーに当てることができた。透明度は少し悪かったけどね(7メートル先まで見えるくらい)。

 それにしても相変わらず中性浮力(浮きも沈みもしない状態)を取るのが上手くいかない。今回はウェイトが軽いので浮いていってしまう。浮いていったら頭を下に向けて泳いでいって持ち直すといった感じだ。だが、途中で亀山さんにウェイトを1kg増やしてもらったら今度はすごい勢いで沈んでいった(笑)。 泳ぐのをやめるとすぐに海底にひざがついてしまう。BCDに空気を入れて調整しようと思ったのは1本目の終わり頃だった。

今日の1本目のログ
日付 2003.08.24
ダイブNo. No.5
潜水地 富戸・脇の浜
潜水目的 ダイバーデビューツアーNo.1
透明度 7メートル
タンク圧力 潜水開始時200/終了時100
使用機材 タンク アルミ10リットル
ウエイト 5kg
スーツ ウェット5mm
コンピュータ 無
コンディション 晴れ、凪
温度 気温29℃/水温24℃
潜水開始時間 12:00
浮上開始時間 12:36
最大水深 8.8メートル
潜水時間 36分
累積潜水時間 2時間55分


 海から上がってタンクを交換してからお昼ごはんとなる。今日は1本でやめるか2本目潜るか選ぶことができる。オレらは申し込みの時点ですでに2本潜ることを決めていたんだけど、他の人は違っていた。金谷さんはどちらかというと2本目潜る様子。田中さん親子は捻挫した足の様子みたいだ。ヒロミさんは恐怖症入っちゃったみたいで今後ダイビング自体を続けるかどうか悩んでいて、亀山さんと佐藤さんで説得していた。なんとかまた8人で潜ることになったけどね。

 タンクに入っている圧縮空気というのは湿気がないので、吸い続けていると喉が渇く。オレの使っている「ブリザード」というレギュレータはそれを防ぐしくみがあるんだけど、1本目は終わりの方でなぜか喉が渇いてしまった。そのことを亀山さんに話すと「他のだともっと(喉が)乾くよ」と言われ、2本目は試しに浩邦の使っているレンタルのレギュレータと交換して使ってみることになった。

 2本目は1本目に耳抜きが上手くできなかった人のことを考慮して浜から沖に向かって張られているロープを伝ってだんだんと潜降する方法を採った。その間レギュレータを口にくわえてるんだけど、レンタルのレギュレータは顔が水面につく前に早くも喉が乾いてきた(笑) 「ブリザード」のいいところってこういうことだったのね。

 2本目、入った瞬間の透明度は最悪だった。おそらく3メートル先も見えなかったと思う。けど、沖に行くにつれて遠くまで見えるようになっていった。2本目は深度13メートルまで潜って透明度は15メートル! 泳ぎもだんだん調子よくなっていった。沖の方には木が沈んでいるところがあって、ウツボやハナミノカサゴ、カマス、キタマクラ、ムレハタタテダイといったいろいろな魚を見ることができた。田中さん親子や佐藤さんは水中カメラを持っていて、特にアンナちゃんはいろいろな魚をカメラに収めていた。帰りの車の中でオレらもデジカメとハウジング(防水ケース)が欲しいねぇと浩邦と話していた。

 中性浮力がなんとなく取れるようになってきた頃(つまり、泳ぐのが楽しくなってきた頃)、2本目のダイビングも終わりに近づいてきた。再び透明度の悪い海に戻っていくのだが、このときは亀山さんのオレンジ色のフィンも見えにくくて、はぐれてしまうんじゃないかと不安になった。

 浜に上がってタンクをはずし、自分の機材をまとめておく。パパラギはスタッフの人が機材を車で洗い場まで運んでくれるので楽だ。機材を洗うと今度は車で伊豆店に持っていってくれる。オレらはクラブハウスで着替えて手荷物だけを持って伊豆店に戻った。

 伊豆店でログ付け。他のところはどうか知らないけど、パパラギはログブックにバディだけでなく同じチームで潜った人にも一言書いてもらう&書いてあげる。これがなんとなく楽しみだったりする。たいしたことは書かれないんだけどね(笑)

 他の人が電車の時間を気にする中、オレらはのんびりと車で帰る。浩邦に車を持ってきてもらって荷物を積み込み、亀山さんに挨拶をして出発。Cカード(いわゆるライセンスカード)をもらいに渋谷店に行くから、明日も亀山さんに会うんだけどね。帰りの真鶴道路はかなり混んでいて、遅く出発したにもかかわらず伊豆スカイラインを使った親父たちの方が早く家に着いていた。オレらは潜った日は標高の高いところには行かれないから山道は使えないんだよねぇ。

2本目のログ
日付 2003.08.24
ダイブNo. No.6
潜水地 富戸・脇の浜
潜水目的 ダイバーデビューツアーNo.1
透明度 15メートル
タンク圧力 潜水開始時200/終了時90
使用機材 タンク アルミ10リットル
ウエイト 5kg
スーツ ウェット5mm
コンピュータ 無
コンディション 晴れ、凪
温度 気温29℃/水温24℃
潜水開始時間 13:49
浮上開始時間 14:23
最大水深 13.4メートル
潜水時間 34分
累積潜水時間 3時間49分


パパラギダイビングスクール
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