箱根・小田原紀行
1999.03.15〜16


 3月4日か5日のことだったと思う。武蔵工大バドミントン部の友人としから突然携帯に電話が入った。
「……でさぁ、俺行かれなくなっちゃったんだけど、代わりに車出せないかなぁ?」
 口調はともかく内容がこんなんだったのは間違いない。どこに行くかって? こいつらはオレに内緒で箱根に旅行に行く計画をしていたのだ。ともかく、卒業旅行がご破算になってしまい、少々物足りなさを感じていたオレは二つ返事でOKした。


 今回いっしょに行くぽいとおくだとは10時30分に大学で待ち合わせをした。が、待ち合わせの時間におくだは来ない。おくだのPHSに電話をしたら、「二子多摩川園駅まで迎えにきて」だと。そういうやつだ、おくだってのは。

 おくだを拾ってから東名高速・東京インターへ。御殿場インターまでは1時間くらいだったろうか。思ったよりもぜんぜん早く着いた。それもそのはず。平日故に道路はガラガラ。おまけにけっこうな雨の中を晴れの日と変わらぬスピードで走ってるんだから。

かま家前にて、ぽい 高速を下りたら、まずはぽいがガイドブックで見つけた釜飯と温泉の店「かま家」へ。釜飯ができるまでお風呂に入っていてくださいなどと言われたが、ここでオレらはとんでもない勘違いをしていた。なんと食事と入浴は別料金!なのである。当たり前と言えば当たり前。風呂に入る直前、おくだと「入浴代込みで1500円は安いね」と話していたのは大きな間違いなのだ。おまけに釜飯は蒸らしすぎ(客が自分でふたを取る)のせいでご飯が柔らかい。「とほほ…」な気分でオレらはかま家をあとにした。


ビクトリア号 かま家を出るとぽいの希望で関所に向かうことに。途中、当然芦ノ湖沿いを走ることになるが、駐車場があったので車を止めて芦ノ湖を見にいった。そこではしばし、湖に浮いている遊覧船が豪華客船を模しているのか、海賊船を模しているかのかでちょっと話題になった。「ビクトリア号」とかいうカッコイイ名前からオレは豪華客船説を主張したのだが、結果は明日わかることに。…ちっ。


箱根八里 箱根の関所は駐車場が一番奥にあるため、徒歩の客とは観る順番が逆になる。ところが、その駐車場で思わぬものを発見してしまった。

 「箱根八里」という歌を刻んだ石碑だ。港区の校外施設が箱根にあるため、オレは小学生のときに何回か箱根に来たことがあった。そのときに歌った歌がこの曲だ。歌詞を忘れ読み方がわからない箇所もところどころあるが、メロディははっきりおぼえている。おくだも小学校のときに歌ったことがあったらしく、二人で「懐かしいね」などと言い合った。ぽい一人、かやの外。


箱根の関所 そして関所跡へ。資料館の入館料は200円と安かったが入らなかった。だって外からのぞいた限り、そんなに面白そうじゃないんだもん。けど、今から考えれば話のネタ作りに入ってもよかったかなぁとも思う。


甘酒茶屋。犬をからかっているのはぽい。 ぽいがガイドブックで見つけた、この関所の中にあるお団子やさんは今日はすでに閉まっていた(ちょっと早くないか?)。でも、そろそろどっかでお茶したいね、ということで再びガイドブックで見つけたのは「甘酒茶屋」という300年以上続いているお店。旧街道沿いにあって、じつはけっこう有名。家に帰って話したらなんと親父も知っていた「ああ、あの店ね」 ここに来る途中、旧街道の山道を下るのに運転手自ら車酔いしかけるという貴重な経験をしたが、それはまた別の話。

 店の中は薄暗いオレンジ色のライトで照らされていて、おそらく囲炉裏の炎の照り返しのような雰囲気をねらっているのだろう。たしかに落ち着く雰囲気ではある。ちょっとしたお土産物なんかも扱っている。ここでオレとぽいはいそべ餅を、おくだは味噌おでんを食べた。「甘酒」茶屋なのに誰も甘酒を頼まないのが…。

 ここでハプニングに出くわしてしまった。いや、オレらじゃなくて別の観光客の人たちが。どうも終バスを逃してしまったらしい。だけど、その終バスってのが16時台なんだよ! オレが住んでる方では考えられないね。よくこんなところで生活できるなぁ。バスを逃した観光客の人たちはお店の人にタクシーを呼んでもらって事なきを得たみたい。

 甘酒茶屋を出たら一路ホテルへ。今回はおくだのバイト先と同系列のホテルということで割引してもらえたので、一泊二食付き7500円で泊まることができた。夕食はバイキング、部屋もなかなかのものだ。


2日目の朝 翌日。昨日とはうってかわっていい天気。雨が降っていると傘を持たなきゃいけないから動きも制限されて、なんとなく楽しさも半減しちゃうんだよね。


大涌谷の噴煙 今日はどこに行こうかと相談した結果、またもオレとおくだの懐かしさが手伝って、大湧谷に行って黒たまごを食べることに決定! 桃源台の発着場まで車で行き、そこに車を置いて(駐車場無料)ロープウェイへ。ただ、ロープウェイの料金がけっこう高いから大湧谷まで車で行っちゃってもいいし、どうしてもロープウェイに乗ってみたいなら車で次の姥子の発着場まで行き、そこからロープウェイに乗ってもよかったなぁとも思う。

富士山 大湧谷の博物館の屋上で写真を撮ってから自然研究路という一週約30分ほどの遊歩道に向かった。途中には有毒な水蒸気やお湯の出ているところもあるけれど、名物の黒たまごを食べれば寿命が7年延びると言われているから問題はないだろう。この黒たまご、6個入り500円で売っている。なぜ黒いかというと温泉の硫化水素と鉄分が結合して、硫化鉄となって黒くなるんだと。


大涌谷をバックに(撮影:ぽい)


硫黄入り温泉




3人で記念撮影


黒たまご(撮影:ぽい)




下りのロープウェイから見た芦ノ湖



小田原城 時間も時間だけどもう一箇所くらいまわりたいねぇということになった。しかし、運転する身としてはこれ以上西の方には行きたくない。帰るのに時間がかかるから。

 そこで、急遽小田原によってから帰ることになった。これについても帰ってから親父に「モデルコースだね」と言われた。いいんだよ、自分で考えて選んだコースなんだから。

 小田原城のまわりは動物園になっている。入場無料のわりに象までいるけっこう本格的なものだ。そして、小田原城の中は資料館になっている。歴史のことはさっぱりわからないけど、といった武具を見るのはけっこう好き(←ゲームの影響)。ぽいとおくだにおいてかれてるのを気にもせず、ゆっくりと自分の満足のいくまでそれらを見てまわった。


 あとは小田原厚木道路を使って東京まで戻ってくる。バイトがあるというおくだを近くの駅まで送り、ぽいを自由が丘で降ろして自らも家路についた。


 参考までに、今回かかったお金は…

高速道路料金 1700円?÷3人
ガソリン代
(走行距離290km)
3449円÷3人
 
かま屋
 かに釜飯
 入浴代

1500円
700円
甘酒茶屋
 いそべ餅

450円
ホテル
 宿泊代(2食付)
 夕食のジュース代

7875円
625円?
大涌谷
 ロープウェイ
 (桃源台←→大涌谷)
 黒たまご

1830円
 
200円
小田原城
 入館料
 駐車代

400円
400円÷3人
おみやげ 2310円
合計 17740円