本来のかぐや姫

熊野   

【管理人注】切手「まんが日本昔ばなし」 から独立させました【管理人注終了】
   
    かぐや姫は、ほとんど平安中期時代の姿で描かれていますが、
本来のかぐや姫は、平安初期に書かれたもので、その当時から昔話ですから、
奈良時代か、平安初期の姿でなくては、おかしいのですね。
    奈良〜平安初期は宝髻(ほうきつ)という結い方で髪を結っていましたし、
着ているものも袿(うちき)姿ではおかしいはずなんです。
背子(はいし)に裳(ロングのプリーツスカート状のもの)を着ていたと思います。
    国民の大半の方が、絵本のせいで勘違いをしているものと思われます。
京都で10月に行われる時代祭で小野小町が平安初期の装束を身につけているのが、
正しく考証されているといわれるように、かぐや姫も本来はそうでなければなりません。
老婆心がゆえ、一言付け加えさせていただきました。
    だとしても、宝髻という髪型はかなりロングヘアでなければ結えませんし、
十分ロングヘアとしても、成り立つのではないかと思われます。
   

[2008/01/20 13:04:06]

ご指摘ありがとうございます  wind    URL

勉強になります。
 なお、URLに示したスレッドのイロコさんの書込もとても勉強になります。
以下にその一部を抜粋します。
   
>かぐや姫は奈良時代より前の人なんです
>つい平安後期の人かと思い込んでしまいますね。
>絵本のヴィジュアルによる刷り込みは恐ろしいです(笑)
   
>『竹取物語』にはかぐや姫に髪の長さについての描写はありません
   

[2008/01/21 01:38:32]

風詠   

もともと本を読むとき光景を想像するのが好きなので竹取物語のヴィジュアルイメージには大変興味があります。
成立年代からすると大抵のかぐや姫の絵は正しくないですね。
しかし、奈良から平安初期は唐様から和様への過渡期でもあって正確な考証は難しいんですね。
たとえば自邸では結髪を解いて過ごしていた可能性もありますし。
(ただ、原作にそこまで服装に関する記述がないので自由にイメージして良いのだと思いますが)
いずれにせよ、奈良〜平安初期の結髪は最低でも太もも位までの長さがないと難しいでしょう。
   
ただ、日本郵便のサイトにある「人間に福を授けて帰っていく、天女のお話」というのは違うと思いますが。
   

[2008/01/23 18:35:16]

どうでもいいことですが…  熊野   

最近のTVのCMでまた「勘違い」したかぐや姫が出てきていますよね。
天童よしみのVC3000のど飴のCMです。
しかも、茶髪で…
別にどうでもいいことかもしれませんが…
あまりにかけ離れているので、おかしくて取り上げました(笑)
   

[2008/01/31 20:41:57]

wind    URL

文芸作品をビジュアル化するとき、ある程度の解釈の幅は許されるのではないでしょうか。
例えば、平安時代の(貴族の)女性は、お歯黒をし、眉を剃っていましたが、
源氏物語をTVドラマ化するとき、時代考証に忠実にお歯黒・眉剃りをした女優を見て、
現代日本人がそれを美しいとは思わないと思います。
かぐや姫にしろ、それが成立した時代は、その時代の髪型がイメージされていたのに対し、
平安時代になると、平安時代の美人の髪型(=超ロングのダウンスタイル)がイメージされていたのかもしれません。
URLは國學院大学の竹取物語絵巻のページです。
   

[2008/02/08 09:38:50]

熊野   

物語や史実は、どうしても、脚色した時代になってその時代の風俗に染まってしまいます。
歌舞伎や浄瑠璃の「義経千本櫻」なども、江戸時代の格好ですから。
「かぐや姫」は物語のはじめとして、平安時代に既に有名であったので、どうしても、
平安中期の風俗が有名になってしまっています。
   

[2008/02/08 19:28:00]


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