日本テレビ系「ザ！世界仰天ニュース」＃２６２「突如逆上する魔性の女」で、 境界性人格障害の女性が夫を殺害した事件が取り上げられました。（URL) 境界性人格障害については、例えば「Dr 林のこころと脳の相談室」にある「境界性人格障害」のページ などに、専門家による分かりやすい解説があります。また、 汐の宮温泉病院の[境界性人格障害（ボーダー）]のページも分かりやすいと思います。 境界性人格障害（と専門家が考えている）の著名人は、尾崎豊や太宰治などですが、 境界性人格障害はむしろ若い女性に圧倒的に多い病気だそうです。 感情と人間関係が不安定・見捨てられ不安が強い・自傷行為や自殺（未遂）・ 周囲を巻き込む等が特徴ということです。 境界性人格障害の特徴から、大切に思っている人に対する感受性が非常に高く、 それが表現力と結びつくと、尾崎豊や太宰治などのように、素晴らしい作品を残すことになります。 ぼくが勉強した限りでは、境界性人格障害で他人を殺害するような事例はこの番組で初めて知りました。 番組によれば、夫の遺体に対して猟奇的な行為を行ったということです。 猟奇的殺人というのは境界性人格障害とは関係がないはずで、犯人の女性が 猟奇的殺人に及んだのは、境界性人格障害以外の問題があったことによると思います。 ぼくが問題だと感じるのは、専門家による境界性人格障害に関するコメントもなく、 タレント達によるお笑いを含む興味本位のバラエティとして扱っていたことです。番組だけ見ると、 境界性人格障害の人は切れると相手を殺してしまう恐ろしい病気のように感じてしまいます。 この番組を見ることによって、境界性人格障害の人と我慢強く付き合っていこうとしている人を、 境界性人格障害の人から距離を置かせてしまうことにならないかと危惧します。 また、境界性人格障害の人は、見捨てられ不安が特徴ですので、 身近な人から距離を置かれることは病気の悪化に繋がるように思います。 肉体的病気と同様、精神病や発達障害についても、 「ザ！世界仰天ニュース」のような興味本位のやり方ではなく、 真面目な番組作りをしてほしいものです。[2007/08/02 06:41:02]
私は、診療内科のディケアに通っています。中にはいろんな病気の人がいます。 境界性人格障害の人もいるかと思います。でも、何とかなんの支障もなく、 会話をしたりしています。自己中心な人もいて、他人が発言しているときに、 平気で入ってきたりする人もいます。一見、普通の人に見えます。 だからかもしれませんが、偏見の目でみたことは、一度もなく、みんな普通に 話したり、冗談を言ったりしています。 今回の「ザ！世界仰天ニュース」では、病気に対する偏見を深めるようなことに なってしまうでしょう。 視聴率を上げたいが為に、興味本位に病気をとりあげるのは、好ましくありませんね。[2007/08/02 14:46:21]
境界性人格障害は、それでなくとも誤解されやすい障害であるだけに、 偏見を助長するような報道など、決してあってはいけない事ですね。 確かに対人関係の不安定さが特徴的な障害ではありますが、 学術的な検証をするでもなく、バラエティのネタにするなんて酷過ぎます。 心に問題を抱えている人には、ただでさえ傷ついておられる方が多いのに・・・。 このような報道のせいで、更にひどく傷つけられる人が出ないことを 祈っています。[2007/08/02 16:43:52]
テレビの番組はあくまでも娯楽か，単なる参考に見るくらいでちょうどいいのではないかと思います。 精神に病を持っている方が犯罪にかかわると，それっとばかりに報道しますが， 実際には普通の方のほうが多いのだといわれます。 医学の発達は最も早いのではないかと思われ，自分の関連する病でさえも追いついていくのは大変です。 NHKの「今日の健康」でさえ，古かったり説明不足だったりではないかと思うことがあります。 唯１の例外は専門家向けの「話題の医学」くらいではないかと思います。 事例の出てくる番組を見ていますと，まるで「どこが悪いのでしょう」とまるでクイズ番組ですが， みんなよく我慢しているものと感心します。最初の兆候ぐらいでは医師も判断に悩むでしょうが， ものすごく変わった症状が出たり，幾日も症状が続いた場合，受診するきっかけとしては 大いに役に立つのではないかと思っています。 なお，病によってはそれなりの病院でないとわからない場合もありますから， 埒が明かなくなった時も１度受診する必要もあるかも。 最後に，健康を害するとロングヘアは無理になる場合もあります。髪は健康から。[2007/08/02 21:01:13]
＞肉体的病気と同様、精神病や発達障害についても、 ＞「ザ！世界仰天ニュース」のような興味本位のやり方ではなく、 ＞真面目な番組作りをしてほしいものです。 バラエティー番組は、その様な問題が多いですねぇ。 誤解のリスクは無視して、何でも面白可笑しく仕上げる。 『性同一性障害』だって、例外ではありませんよ・・・・・ オカマやニューハーフ、ディープな女装趣味者と扱われたり。 更に出演者も、疑問に思う人が登場する事も多いです。（汗） 医学番組みたいに、真面目に作って欲しいと私も思いますね！ とりあえず本当の事を、誤解なく視聴者に伝えて欲しいですよ。[2007/08/03 01:00:45]
私はその所謂『境界性人格障害』ボーダーの持ち主です。 見捨てられ不安 自傷行為多々あります。 またこの病の恐ろしいところは、鬱病や躁鬱病と混同視されがちで、 精神科でも長い間躁鬱病と診断されてました。 言い方が下手くそなんですがボーダーという病は躁鬱病や睡眠障害など多数の病で構成されたものなのです。 私の左手は不安になると血だらけになりました。 何故か子供を産んだぐらいから安定してましたが、夫に逃げられ不安定になり オーバードーズ（薬を沢山飲み過ぎること）を繰り返しています。 もしもボーダーに興味がおありなら南条あや、かまち、などを読んでいただけたら 気持ちがわかると思います。 なぜかCoccoの昔のCDもボーダーに人気です。 いちボーダー患者より[2007/08/03 05:35:03]
私はその番組を見ていないので、なんとも言えないのですが、皆さんがおっしゃるように、 もしその番組が視聴率目的で患者をパロディ化した興味本位の番組構成だったとしたら、 視聴者は、プロデューサーのみならず当該放送局の経営方針をも問わなければならない でしょうね。 境界性人格障害は、櫻姫さんがおっしゃるとおり、神経症や統合性失調障害といった 範疇には入れがたい精神症状を呈している症例に適用される病名だから、 「境界性」と冠されているのでしょう。 比較的最近になって発見された症例で、ICD-10やDSM-�靴猟蟲舛鼎韻瞼Ｋ罎任垢靴諭� それに、患者が訴える主症状が抑うつ感なので、これも櫻姫さんのご指摘どおり、 鬱病や躁鬱病と混同される傾向があります。 感情の抑制が困難になるため、人間関係で支障をきたすこともよくあり、特に攻撃性が 強く現れると、その攻撃性が自分に向かうとリストカットなどの自傷行為、他人に向かう と文字どおり暴力行為になることもあるので、実際に患者さんと接して、このような 場面に遭遇すると、境界性人格障害と犯罪と結びつけて考えてしまうようですね。 でも、犯罪で検挙された件数のうち精神疾患患者の犯罪率はごくわずかで、したがって 境界性人格障害者の累犯率も極めて低いと考えられるでしょう。犯罪と実際に関わりの ある精神疾患は、反社会性人格障害といわれています。ただし、境界性人格障害者には 微罪が多いとの指摘があるようですが、まだデータに裏づけられた報告はないよう です。 もちろん、だからといって精神疾患者への差別や偏見が助長されてはならないことです し、windさんがおっしゃっているように、精神疾患者を社会的に隔離することで、 見捨てられ不安が強い方は、病気の悪化にも繋がることでしょう。 社会的に真摯に取り組まなければならない問題は、茶化して大衆の関心を得るべきでは なく、現状を知らしめて、ごく身近に起こりうる問題として提起していくべきではない かと私は考えます。[2007/08/03 06:59:12]
境界性人格障害は、正常と精神病の境界という意味に取られやすいのが誤解の元の一つでしょうか。 名前の由来は精神病と神経症の境界ということです。 この説明は、境界型人格障害の医学部講堂が分かりやすかったです。 境界性人格障害が若い女性の間でどれくらいの割合なのかを示す統計は見つけられませんでしたが、 学校ではクラスの女子に一人は境界性人格障害の人がいる、という人もあり、 それが本当だとすればポピュラーな病気だと思います。 ☆澪さん 境界性人格障害は対人関係が不安定なために、本来なら本人の回りで支えてくれるはずの 親しい人が去っていきがちなのが難しいところですね。 見捨てられ不安があるために相手に様々な要求をし、 それが負担になって大事に思っていた相手が去ってしまう、という悪循環です。 ☆鈴原 愛理さん ぼくも勉強するまでは、「ゲイ」「ニューハーフ」「女装趣味」と性同一性障害との違いが よく分かりませんでした。ロングヘアマガジン閲覧者の女装趣味の方や鈴原愛理さんの おかげで、色々勉強できました。ありがとうございます。 ☆櫻姫さん あらら、バイセクシャルに続いて、病気のことも告白しちゃってるね。知ってると思うけど、 境界性人格障害は、思春期に発病して、年齢が上がっていくと良くなっていく傾向があるということです。 精神的に安定した時期があったんだから、直る可能性は十分あると思います。 ただし、すぐに良くなる病気でもないから、気長に病気と付き合うしかないですね。 ☆果奈さん 「視聴率目的で患者をパロディ化した」という感じはしませんでした。 ただし、「興味本位の番組構成」とは感じました。 また、境界性人格障害の可能性をチェックする質問では、 笑いを取るためにタレントが行った物まねはちょっと不快に感じました。[2007/08/03 21:16:49]
約50件の抗議があり、日本テレビが謝罪したということです。 そもそも病気を興味本位に取り上げる番組の制作姿勢自体に問題があります。[2007/09/16 12:44:12]