記事タイトル:撮影相談 お受けしましょうか? 


タイトル&名前: M.中村   

 去る2月23日から25日までの3日間、作品展[3Photographers×3Days]Vol.2を開催しておりました
フォトグラファーの中村です。
   
 正直に言うと、心底コテコテにロングヘアを愛している」というのでもないのですが、作品展にご来場いただき、
直接お話させていただいたwindさんから お帰りになった後いただいたメールでお招きにあずかりましたので、
お言葉に甘えて参加させていただくことにしました。 どうぞ、宜しくお願いします。
   
 僕の方からロングヘアに関する話題を提供することは、残念ながら出来そうにない気がしています。
 しかし、せっかくお招きいただいて 参加させていただくことになったのですから、何か僕に出来ることをと、考えました。
   
 で、作品展にご来場いただいた際、windさんから「どうしたら髪の毛を綺麗に写すことが出来るのか」といった内容
のご質問をいただいていたのを思い出しました。(これ、実のところ言葉で説明するのはちょっと難しいのですが・・・)
とにかく 作品展会場では、バタバタしていてちゃんとにお答えすることが出来なかったように思います。
   
 一般論として、どのように撮ったら髪が綺麗に写るか」というような話が出来ないではないと思います。
また、思うように写らなかったけど、なぜ?」みたいな質問にも、撮影された時の諸々の条件なんかを教えていただければ、
なんとか ある程度はお答え出来るのではないかと思います。
 ご希望があれば、こと女性ポートレートの撮影に関してのご質問・ご相談をお受けしても良いかな」と思います。
 いかがでしょうか?
   

[2001/02/28 01:45:02]


タイトル&名前: それでは  wind   

お言葉に甘えて、ご質問をば。
1 逆光での撮影をすると、ロングヘアは黒く潰れてしまいます。光の当たる角度自体を
変えなければ、これは避けられないのでしょうか?
2 黒髪を美しく撮るためには暗い色の服や暗い背景の方がいい、といいますが、美麗さんの
十二単の写真の後ろ姿の撮影では、とても明るい色の衣装に金屏風のバックという環境なのに、
黒髪がとても綺麗に写っています。なぜうまく撮れたのか、自分で理由が分かりません。
なお、ぼくの写真は、全てカメラお任せモードのポートレイトモードです。単にカメラの
プログラムが優秀なだけなのでしょうか??
3 太陽光の下でも、黒髪が茶色に写ってしまうことがありますが、
これを避ける方法とかはあるでしょうか?
   

[2001/03/02 00:30:42]


タイトル&名前: お答えします   M.中村   

早速、言葉で説明するのが難しいご質問、ありがとうございます。(笑)
 頑張って答えさせていただきます。
   
 A1 基本的に、答えはYesです。 長く綺麗な黒髪が、ベタに塗り潰したように写ってしまうことの無いようにする
ためには、髪が反射する光を与えてやらなくてはなりません。 ですから、屋外で太陽を光源としている撮影で、真逆光条件
である場合、最も簡単で手っとり早いのは、側光や斜光、順光の条件下に移動することだということになります。
 しかし、他に方法が無いわけではありません。 レフ板やストロボを使って、髪が反射する光を作り、あててやれば良い
ことになります。
   
 A2 暗い色の服や背景が良いというのは、前述の髪を輝かせる光の存在がある限りにおいて、服や背景と髪の輝きとの
間のコントラストが高くなるため、髪がより綺麗に見えるようになる ということだと考えられます。
 美麗さんの十二単の撮影会の時は、髪を輝かせる光源の条件が良かったのでしょう。 windさんは、あの写真をスト
ロボ無しで撮影されたのですよね? つまり、会場の部屋の自然光で撮影された。 美麗さんの背中の向いている方向には、
大きな障子か、硝子の窓があったのでは?  障子もしくは硝子窓という大きな面光源で撮影されたため、これがあの長い髪
の広い範囲に(柔らかく、やさしく)反射して、あのように綺麗に写ったのだと考えられます。
 同じ条件で、背景だけはもっと暗い色で オートで撮影したなら、カメラの露出計は背景の暗さを拾うため、少しオーバーめ
に写ることとなります。 その上で、プリントの時に正しく露出補正がされれば、より美しく見える写真になった可能性は
大きいとも思いますヨ。
   
 A3 脱色したり染めたりをしていない黒髪が、写真のプリントがあがってみたら茶色に写っていた」ということですよね。
 茶色になってしまう理由が幾つか考えられるため、こうすれば絶対大丈夫」という方法はない とお答えせざるを得ません。
   
 出来るだけ簡潔にお答えするよう 心掛けたつもりですが、ずいぶんと長くなってしまいました。
 3番のご質問に関しては、あらためて(1週間以内に)、補足説明を書き込ませていただくことにさせて下さい。
   

[2001/03/03 16:55:16]


タイトル&名前: 黒髪とは・・・ FDRAGON   

 M.中村さん、windさん、横レス失礼します。
   
 お二方が話しておられる三番目の問題ですけれども、私は、そもそも完全に
真っ黒な髪の方って珍しいんじゃないかと思います。学生時代、朝礼で並んで
いたとき、太陽光線を浴びている級友の頭という頭がみんな茶色っぽく見えて
「黒髪と言っても基本的には茶色なんだな」とか思ったこともあります。蛍光
灯などに比べると太陽光は非常に強力で、髪の毛のように細い(薄い)ものは難
なく突き抜けてしまいます。光が突き抜けて半透明状態になったために茶色っ
ぽくなってしまうのではないかな、という気がします。ですから、脱色しても
いないのに薄い色合いに写ってしまったならともかく、ちょっと茶色っぽいな、
くらいは構わないのではないかな、と思いますが・・・。
   
 オレンジ色のナトリウム灯はともかくとして、蛍光灯・水銀灯・太陽光と、
人間の目にはさして違うようには感じませんが、じつは混ざっている色とその
割合はどれも異なります。同じように見えるのは脳が無意識のうちに"修正"し
ているからで、写真用フィルムはそれほど優秀ではありませんから、撮ったと
きの光源の種類とその光線状態によって(たとえ同じ人を撮っていても)、髪の
色は変わってくるものです。コスプレギャラリーのコミケの写真でも、光が当
たっている方とかげっている方では、かげっている方の方がおおむね黒く見え
ていると思います。
   
 それと、太陽光のもとで髪が茶色っぽく写るなら、積極的にその状況を利用
するのも一つの策かと思います。髪の毛一本一本まで分かるような写真にした
ければ太陽光に当てるようにし、髪の黒さをを強調したければ直接太陽光を当
てないようにするわけです。必ずしも狙った通りになるとは限りませんけど、
逆に何の気なしに撮った一枚がその日の最高傑作になることもありますから、
そういうランダムな部分こそが写真撮影のおもしろいところ、と思っていただ
くしかありません(笑)。
 また、太陽−被写体−カメラマンが成す角度を九〇度以上にして逆光ぎみの
状態をわざと作り出すと、被写体の、特に髪の輪郭が(それこそ茶色に)輝いて
見え、とても幻想的な雰囲気となるでしょう。撮影会のような比較的じっくり
と撮れるような状況も必要ですけど、私はそういうロングヘア写真を撮るのが
一つの夢でもあります。むろん、超ロングなサイドテールで(笑)。
   
 それでは、長広舌、失礼いたしました。
   

[2001/03/07 03:24:23]


タイトル&名前: ブラボー!!   M.中村   

FDRAGONさん  ありがとうございました。 僕が補足説明として書こうと考えていたことの主たるところを、
解り易く書いていただいて、助かってしまった感じです。 途中まで読ませていただいたところで、思わず「ブラボー!!」
と声をあげてしまいました。
   
 さらに補足として、とりあえず 黒髪が茶色く写る原因として考えられることを、大きく3つにわけて上げておきます。
   
 1)被写体(髪)自体の問題  FDRAGONさんが書かれているように、強い光が髪を透かし、結果茶色く見える
  (写る)というのも、もちろんあります。 が、髪が綺麗に写る条件は、直射日光を受けている場合ばかりではあり
  ませんし、直射日光を受けても(それを反射して)黒く輝いて写る、所謂『緑の黒髪』の持ち主だっていらっしゃ
  らないわけではありません。 基本的に 限りなく黒に近い茶色の髪であったとしても、その太さは人それぞれです。
  太陽光の透過の程度もまた 人それぞれだと考えられます。 光に透かされて茶色く見えるのではなく、髪が痛んで
  いて、乱反射を起こしているために茶色く見えるというケースもあります。
 2)色温度の問題  一口に太陽光といっても、天候や季節、時間帯などによって、その色温度には意外なほどの差違
  があります。
  デイライトタイプのフィルムは、基本的に5500°Kの光でノーマルに発色するように作られていますが、太陽
  光がこの色温度になるのは晴天時の10時頃から14時頃までの間だけです。(冬場の日の低い時期にはもっと短
  い時間になります。)晴れていながらも 太陽が少ない雲にかくされた時、または、 同じく晴天時の建物の影の中な
  どは、色温度が高く、写真が全体的に青っぽく写ることになります。これに対して、夕方 日が傾いてからなど
  は、色温度が低く、全体的に赤っぽく写ります。
  この色温度の問題は、ネガでの撮影の場合、第3のポイントともつながって、髪が見た目以上に茶色い写真になって
  上がってくる要因となります。
 3)現像・プリント時の問題。  これは、ネガカラーフィルムで撮影した場合に限ってのことになるかとは思います
  が・・・。
  例えば、コスプレギャラリーの コミケの写真の内、新城祐里さんの写真。これでは新城さんの髪の一部にだけ光が
  当たっており、他は影の中です。影の中は、先に書いた通り 色温度が高く、青く写ります。肌(顔)が青っぽいの
  では 病的に見えてしまいますから、写真をプリントするオペレーターは 色調を補正し、健康的な肌色の再現をし
  ようとします。機械焼きの場合、Y・M・C 3色のフィルターの濃度コントロールのみで補正しますから、画面全
  体の色相が変化することになります。結果、陽の当たっている部分の髪の毛は、見た目より以上に茶色く写ってい
  る写真が出来上がります。
  もっとも、この新城さんの写真自体が、そういった写真だと限った話ではありません。ちょうど このような条件
  だと、その可能性が十分考えられるという話です。
   
 >FDRAGONさん
 windさんにしたところで ロングヘアを美しく撮影したい とお考えなのに違いないことは、当然 FDRAGON
さんもお分かりですよね。 その上で、見た目には黒いのに 写真には茶色く写ってしまうのを避ける方法がないものか」
というご質問だと解釈し、前回の答え ならびに今回の補足説明をしました。 納得していただけますでしょうか?
 と、今後も 横から助け舟を出していただけること、期待しております。よろしくお願いします。
   
 といったところで、今回は これまでとさせていただきます。
 ちょっと、専門用語的なものも使ってしまいました。 ご不明な点などありましたら、あらためてご質問下さい。
   

[2001/03/07 14:29:13]


タイトル&名前: ありがとうございます  wind   

>中村さん
A1 よく理解できました。ありがとうございます。
A2 十二単の撮影のときは、ぼくはフラッシュなしで撮影し、会場には確かに障子から
光が射し込んでいました。ぼくは全く考えてなかったのですが、障子の効果で柔らかい
光源になったんですね。勉強になりました。あのときは、大さんが、開いていた障子を
閉められたのですが、大さんは障子の効果を知っておられたんだと思います。
   
>FDRAGONさん
なるほど。よく見てみると、茶色に写っているのは、確かに逆光で太陽光が透過してくる
場合です。桜那妃さんの写真で、髪の一部が茶色に写ってしまっているので、
なぜこの部分だけが、と思っていたのですが、そういうものなんですね。
   
>中村さん
そうです。新城祐里さんの写真です。新城祐里さんの髪は少しだけ茶色ですが、
写真では直射日光が当たっている部分が完全に茶色に写ってしまっているのが不満だった
んです。理由が分かりました。
 また、毛先が茶色に写りやすい理由は、毛先が傷んでいて乱反射してるというわけですね。
   
お二人のおかげでものすごく勉強になりました。
   

[2001/03/08 01:17:55]


タイトル&名前: ありがとうございます FDRAGON   

 M.中村さん、windさん、レスありがとうございました。
   
 横レスを入れたというのに、プロの方からお礼をいただけるとは光栄です。
別にお二方に反論しようとか思って書き込んだわけではなくて、もともと髪は
まっ黒いものではないのでは?という仮定と、髪が黒く写りにくい状況も使い
ようによってはいいムードに(笑)、という考え方に基づいて別の角度からアプ
ローチしてみた、と解釈していただければ幸いです。
 女の子を撮るというと誤解されがちですが、花や風景と並んで、女性写真は
写真趣味の一分野として立派に成立しているジャンルです。髪の描写もそうで
すけど、女性の美しさを切り取るというのはなかなか奥が深くておもしろいで
すね(^_^)。
   

[2001/03/09 01:07:34]


タイトル&名前: ホッ・・・ 良かった   M.中村   

>windさん
 回答のA2 ならびに補足の3)に書いた、撮影時の条件に関する読みが、大きく外したものでないことが判り、
安心しました。 一応プロカメラマンの端くれである身としては、ここンとこを外しては まるでカッコがつきま
せんから・・・。
   
 >FDRAGONさん
 お書きいただいた内容、実に的を射たものと感心しました。本当に「助かったァ」と、心底思ったンです。
お礼を申し上げるのは、至極当然のこと。 光栄だなんて言っていただくようなことじゃありません。
 なんにしても、お気を悪くしてはいらっしゃらないようで、これまた安心しました。
   
 女性ポートレート撮影に関するご質問、他にもございましたら、精一杯お答えしたいと思います。
 また、最初に書きました「一般論的に どうしたら髪が綺麗に写るか」について、windさんのご質問への答え
と重複するところもあることになりますが、近い内に書き込ませていただきたいと思っています。
   

[2001/03/10 14:21:17]


タイトル&名前: プロはすごい!  wind   

十二単撮影会の時の撮影条件をあまりによく知っておられるので、
 「美麗さんに聞いたのかな?」
と思っていましたが、写真を見るだけでそれだけ分かるんですね。ぼくなどは、
撮影者本人であっても、なぜうまくいかないのか・うまくいったのか、
さっぱり分からないのに(苦笑)。
   
>FDRAGONさん
ぼくも、「女の子を撮っている」と言ったところ、ヌードモデル撮影のことを聞いてくる人がいて、
びっくりしたことがあります。普通の男性の感覚からすると、そんなものなのかもしれませんね。
(ぼくは「普通」ではないので、普通の男性の感覚がよく分からない(笑))、
ぼくにとっては、ヌードかどうかはあまり意味がなくて、髪が長くて美しいかどうかが
重要なんです。でも、普通の男性の感覚を考えると、うかつに「女の子を撮っている」
とは言えませんね(苦笑)
   
   

[2001/03/11 22:34:32]


タイトル&名前: 面光源と点光源   M.中村   

こんなタイトルだと、なんか 写真講座っぽくて良くありません? (って、僕1人で喜んでても仕方ありませんね。)
 じゃ、本題に入ります。 お約束していた「どうしたら髪が綺麗に写るか」という話しです。あくまでも一般論的な話し
ではありますが・・・。
   
 結論から先に書きましょう。「髪を、その櫛通りまで分かるように綺麗に撮りたければ、面光源で撮れ。」というのが、
それです。
   
 で、面光源と点光源のご説明。 ここで言う光源というのは、被写体を撮影のために照らす光を、被写体の所にもたらす
最終段階の発光体(もしくは発光部位)のことを指します。 この光源が、広い面積を持っている場合、これを面光源と
言い、逆に小さな面積しか持っていないものを 点光源と言います。
   
 具体例を上げましょう。 面光源の光によって撮影された写真の例として好適なのが、windさんからの質問の中で取り
上げられていた 美麗さんの十二単の後ろ姿の写真です。ご案内の通り、windさんは、障子越しの太陽光であの写真を
撮影されました。すなわち、障子という面光源で撮影された ということです。この大きな光源は、美麗さんの長い髪のほぼ
全長にわたって 途切れることなくテカリ(反射)を生じさせました。よって、髪があのように綺麗に再現されたわけです。
 逆に、点光源で撮影したため、髪が綺麗に再現されていない写真の方も例示することにします。このほど新たにギャラリー
に加わった、僕の撮影した美麗さんの写真4枚の内  右下のものが、その例として好適と思います。これを僕は、カメラに
取り付けた小型のストロボ光のみで撮影しました。場所は、某ショッピングモールの建物の中(駐車場)。外光が全く入ら
ない場所ではありませんが、外は小雨模様。どんよりと暗いグレーの空が広がっていました。ストロボという、直径9cm
ほどの小さな光源は、髪のごく一部をテカらせることしか出来ず、髪の毛は黒くつぶれた再現となりました。
   
 と、こんなことで、お解りいただけるでしょうか。
 ご不明な点などございましたら、どうぞ ご質問下さい。
   

[2001/03/15 02:18:41]


タイトル&名前: なるほど  wind   

かなりハイレベルな写真講座って感じです。面光源ですね。
 ただ、十二単撮影会の時のように旅館を貸し切れればいいのですが、
1対1で屋外撮影のような時はどうやって面光源を得ればいいのでしょうか?
それから、屋内でストロボを使わざるを得ない場合は仕方ないのでしょうか?
   

[2001/03/17 00:30:16]


タイトル&名前: 巨大な 面光源あります!(笑)   M.中村   

実に難しいご質問、ありがとうございます。(笑)
 お答えしましょう。(答えになるのかどうか、少々不安もありますが)
   
 点光源を用いて撮影するよりも、面光源を使っての撮影の方が髪の再現が綺麗に出来るというのは、この話しの最初に
お断りしている通り、一般論的な話しです。
 例示したのが、(解り易いと思ったため)十二単撮影会の時の写真だったので、(この場合のように)陽の射している
障子のようなものばかりを面光源としてお考えになっているやもしれません。 しかしそうではないのです。
   
 例えば、町中とかなら、陽のあたっている 白やアイボリーなど明るい色の建物の壁面。郊外・自然の中で、前記の
ような壁の無い場合なら、(いっぱい驚けェ!)空に、欲しがっている面光源の役割をしてもらうことが出来ます。
 陽のあたっている壁については、つまりそれをレフ板として利用するのだということで、ご理解いただけると思います。
『空』というのは、難しいでしょうね。 これも、写真の例示で ご説明しましょうか。
 先日 ギャラリーに加わった、僕の撮影した美麗さんの写真4枚の内、トップページにも使っていただいている 右上の
写真。 windさんは、掲示板に書いてくださったご感想の中で「髪に光がよく当たっているので」とおっしゃって
いますが、これ、ちょっと違うんです。 この日は曇天(のちに 駐車場での撮影時には降雨もあり)で、この写真を
撮った時、空は一面まっ白でした。太陽は、姿を見せてくれていません。直射日光は当たっておらず(そもそも そん
なもん有れへんし)、一面の雲によってディフューズされた柔らかな光で撮影したことになります。すなわち、この
写真は、曇り空という巨大な面光源で撮影したもの」ということです。
 曇りの日ばかりでなく 晴天時でも、被写体の人物自体には直射日光が全く当たらず、尚且つ 輝くような青空が見渡せる
ような条件下なら、やはり その青空が巨大な面光源としての仕事をしてくれます。(太陽との位置関係でいえば逆光の
条件下で、被写体の人物は完全に何かの影の中。といった場合です。)
 このようにして 空を面光源として利用する場合、多くは色温度が高くなる条件となるので、出来上がる写真は青っぽく
なる危険性のあることは 心えていて下さい。 ネガカラーフィルムでの撮影の場合なら、黙っていても プリント時に
補正してもらえたりすることも考えられますが、撮影時に 色温度を下げるフィルターを使うことをお薦めします。
   
 屋内でストロボを使わざるを得ない場合は、出来る限り、ストロボの光を直接 被写体の人物に当てず、壁や天井などに
バウンス(反射)して使うようにすることです。 先に例示した 駐車場で僕の撮った写真の場合、ストロボは まっすぐに
美麗さんの方を向いています。それゆえ、点光源での撮影例とすることの出来る写真になったわけですから。
 カメラ本体に付いているストロボしかなく、バウンスすることが出来ない となると、これは もう仕方がありませんね。
   
 さらに、いくらか高度な知識と技術を要する手段もなくはありません。・・・が、すごく長くなってしまいましたので、
この辺りで終わりにさせていただこうと思います。 残る『別な手段』についてもお知りになりたい とお考えでしたら、
すみませんが、あらためてお申し付け下さい。
   

[2001/03/17 14:43:23]


タイトル&名前: ア!あご下に影が! 訂正! っちゅうか・・・    M.中村   

微妙なとこで、読みようによっては、僕が嘘を書いているかのように思われてまうんちゃうか?」というところを見つけて
しもたんで、訂正(ちゅうか、フォロー)を入れさしてもらいます。
 トップページに使っていただいとる写真のことです。 撮影した日、晴れとらへんかったんはホンマです。けど、この写真撮った
時には、まだまだ雲は薄うて、言うたらトレペ(トレーシングペーパー)1枚かました感じの光やった。つまりは、一面の雲の
向こうのどこにお陽さんが居やはるか」ちゅうくらいのことは分かる状態やった ゆうことです。 なんにしたかて、空が面光源に
なっとったことに変わりはあれへんのですが・・・。
   

[2001/03/18 01:57:29]


タイトル&名前: なるほど  wind   

壁をレフ板として使うんですか。これは覚えておかなくては。
   
>太陽との位置関係でいえば逆光の条件下で、
>被写体の人物は完全に何かの影の中。といった場合
なるほど。中村さんの書き込みを見て、掲載している写真を見直してみました。
去年の10月の美麗さんの写真で、山梨県フラワーセンターで撮影したシリーズの最初の
3枚はそういう条件です。よく晴れた日だったので、直射日光を避けるため、
木陰に入って撮影したものです。偶然にも、逆光で撮影している感じです。
   
 あまり高度な技術が必要なものはぼくにはとてもできそうにないのですが、
簡単にできる『別な手段』があれば、暇なときにでもご教授お願いします。
   

[2001/03/18 21:41:34]


タイトル&名前: うん、近い! でもちょっと違う    M.中村   

フラワーセンターでの写真、確かに近い状況のようです。 でも、この時にはwindさんも同じ木陰に入ってしまってる
でしょ?(違うかな?)これだと、残念ながら空を面光源として使うこと、出来てないと言えてしまいます。 この写真の
場合で言うと、美麗さんに直射日光の当たらないギリギリの位置(一歩前に出たら頭のてっぺんに陽が当たる所)に立って
もらって撮っていれば、空が十二分に面光源としての仕事をしてくれて、髪の毛の描写はこれ以上に、綺麗になったものと
思われます。 (ちなみに、こうするとwindさんには陽が当たることになります。しかも正面のほうから。レンズに陽光
が入って、ハレーションが起きてしまわないように気をつけなくてはなりません。)
 これ、お解りいただけるでしょうか。 普通 図示して説明する内容なんじゃないかと思うンですが・・・。
   

[2001/03/18 22:40:57]


タイトル&名前: う〜ん  wind   

>この時にはwindさんも同じ木陰に入ってしまってるでしょ
一枚の写真を見るだけで何でも分かるんですね。すごいです。素人に褒められても嬉しくも
何ともないでしょうが、素直にすごいです。今度木陰があったら、モデルの女性に
直射日光が当たらないぎりぎりのところに立って貰ってみますね。いや、予定は全くないのですが。
   

[2001/03/20 22:32:11]


top