ロングヘア女性のためのフィットネス&ダイエット

wind [1999/12/24]


「ロングヘア女性のための」となってますが、実際は羊頭狗肉で、ほとんどがダイエットの話題です。女性と話していると、ダイエットへの関心がすごく高いわりにはちゃんとしたダイエットの知識のない女性が多いのにびっくりすることが少なくありません。そういうわけで、この一文を書いてみました。

1 食生活の見直し

 太りたくないから、と食事は控えめにするのに、間食をしていてはだめですよね。飲み物も、砂糖入りのコーヒー・紅茶ではなく、無糖のものがいいんですよね。お酒を飲むことはパンやご飯を食べるのと同じ、ということもご存じですよね。

 では、次からが、案外知らない人の多いことです。

 まず、カロリーゼロの食品でも太ることがあるんです。ご存じでしたか?それは塩分です。塩辛いものを食べると水分がたくさんほしくなりますよね。身体には、体内の塩分濃度を一定に保とうとする働きがあります。ですから、味の濃い食べ物を食べていると、常に体内にたくさんの水分を留めておく必要があって、そのぶん体重が増えるわけです。ダイエットのためには、食事を薄味にする必要があります。

 次に、生野菜だけでなく、熱を加えた野菜を取ること。野菜に熱を加えるとビタミンが破壊される、ということで野菜サラダが好まれますが、生野菜というのはそうたくさん摂れるものではありませんし、野菜サラダは結局は肉などの添え物でしかありません。それに、生野菜自体はカロリーゼロでも、マヨネーズやドレッシングは高カロリーの場合が多いですから、要注意です。そもそも、熱を加えたからといってビタミンが完全に破壊されるわけではありません。それよりも注目すべきなのは、熱を加えると野菜の量が減って、繊維質をたくさん摂れることです。繊維質は、カロリーゼロで満腹感も味わえ、しかもおなかの中を綺麗に掃除してくれて便秘も防いでくれる大切なものです。繊維質をたくさん摂る方法が熱を加えた野菜(煮物・鍋料理)を食べることなのです。生野菜は主菜にはなれませんが、熱を加えた野菜料理は主菜になれますよね。

 3つめに、腹持ちのいい食べ物を食べること。ご飯とパンとを比べると、パンのほうが消化吸収が早いのです。このことは、同じカロリーを摂っても、パンは早くおなかがすいてしまう、ということです。ご飯のほうが、空腹感を感じるまでの時間が長いので、ダイエットには効果的だと考えられます。

 結局、ダイエットにいい食事は、薄味の和食、ということになるのでしょうか。

2 運動で脂肪を減らす

 世の中には、○○ダイエット、と称するものがたくさんありますが、科学的根拠のあるものは少ないように思います。サウナスーツで一晩で○キロやせた、などというのもありますが、体内から水分を奪うと、血液が濃縮されてどろどろ状態になり、危険です。新陳代謝を高めて美しい肌を保つためにも、水分を取ることが必要です。脂肪はそのままで水分だけ減らしても、すぐに体重は戻ってしまいます。

 ダイエットの目的は、身体についている余分な脂肪を減らすことだと思います。脂肪を減らした結果として体重が減る、というのが本当のダイエットだと思います。だとするならダイエットの方法としては、脂肪分を燃やすこと以外にはありえないことになります。そのためには、運動をするしかありません。楽をしてダイエットはできないのです。

 運動といっても、短時間に力を集中するような運動では脂肪は燃えません。脂肪を燃やせるのは、少し汗ばむ程度の運動です。具体的にいうと、早歩き・ジョギング・自転車こぎなどです(これらを有酸素運動といいます)。この有酸素運動を15分から20分以上続けると脂肪がエネルギーに変わり始めます。それまでは、筋肉中に蓄えられているエネルギーを消費しているので、少なくとも30分は続けないと脂肪を減らせません。

 細かいことですが、有酸素運動を終えた後、すぐにシャワーを浴びないほうがいいようです。運動を終えても身体はぽかぽかとほてっていますが、この時、体内ではまだ脂肪が燃焼し続けているのです。それをシャワーで身体を冷やしてしまうと脂肪の燃焼が止まってしまうということです。ですから、早く汗をシャワーで洗い流したい気持を少し抑える方がダイエットのためにはいいようです。

 さらに、普段運動していない人がジョギングをすると足腰を傷めることが少なくありません。ぼくとしては、ジョギングよりも早歩きやフィットネスクラブにある自転車こぎの方が身体への負担が少なくていいのでは、と思います。

3 寝ている間に痩せる身体をつくる

 人間は、寝ている間もエネルギーを消費し続けています。心臓や肺・脳などは、常に動き続けていますから。そして脂肪も、寝ている間も少しずつ消費されています。脂肪の燃焼工場は筋肉です。筋肉のある人は、少々食べ過ぎても太りませんよね。ですから、筋肉をつければ、寝ている間に痩せる身体にできるのです。筋力トレーニングがすすめられるのは、脂肪の燃焼工場である筋肉の量を増やせるからです。

 ここで、ダンベルなどを使った筋力トレーニングをすると、筋肉が太くなってスリムな身体になれない、という心配をする女性が少なくありません。でも、心配はいりません。筋肉が太くなるのは、3キロのダンベルが楽に扱えるようになったら5キロのダンベル、次は7キロのダンベル・・・、と負荷の大きさを次々に上げていくからです。同じアスリートでも、スプリンターの筋骨隆々とした身体と、マラソンランナーのスリムな身体とは違いますよね。このように、同じ激しいトレーニングといっても、筋肉が太くなるトレーニングと、そうでないトレーニングとがあるのです。ダンベルの重さを一定以上に重くしなければ、筋肉が太くなってしまう、という心配はいりません。でも、手足に触ってみると、ほとんどが脂肪で、筋肉は骨のまわりに申し訳程度にしかついてない、という女性が少なくないですから、ある程度は筋肉を太くしないとダイエット効果は表れません。

 運動をすると運動によって脂肪が減るだけでなく、筋肉がつくことによって運動していないときも脂肪が減り続ける、という好循環がおこります。反対に、運動をしないと、食事で摂ったエネルギーが脂肪として蓄えられ、さらに筋肉が細くなって脂肪燃焼工場が縮小して脂肪が増え続ける、という悪循環に陥ります。そういう意味で、目的の体重・体脂肪率になっても、ダンベル運動などを続けないと、筋肉が痩せてしまって太りやすい体質に戻ってしまうことになります。

 ダイエットをした後、リバウンドでダイエット前より太ってしまった、という話をよく聞きます。これは、食事制限だけの「ダイエット」をやっているからです。また、運動をせずにダイエットをやってリバウンドすると、筋肉がより細くなったところに脂肪がつくので、醜い太り方になってしまいます。筋肉をつけるダイエットをやっていれば、リバウンドは起こりにくくなります。どんなに運動の苦手な人でも、ちょっと早めに歩いたり、軽いダンベルを上げ下げすることぐらいはできますよね?

 ロングヘア女性の場合、髪の重さを支える必要がありますから、首や肩・胸の筋力はある程度は必要なのではないでしょうか?

 水泳は意外にダイエット効果は少ない、という説があります。それは、人間の身体は水にさらされていると、体温を保つために皮下脂肪を蓄えようとするからです。また、プールの水には塩素がたくさん入っていますから、髪が変色してしまう、ということもあります。もちろん、水泳は全身運動ですから、筋肉を付けるという点ではいい運動であることは間違いありません。

4 付け加え

 悩みがあるときに、食欲がなくなるのを利用してダイエットに成功、という人もいるようですが、筋肉が細いままだとリバウンドの危険性がありますよね。それに、悩みやストレスがあるときは身体の抵抗力も弱くなるので病気になってしまう危険性もあります。また、悩みやストレスがあるとついつい食べてしまって太る、というタイプの人もいます。ぼくの家庭教師の教え子の女の子で、高校時代はストレスですごく太っていたのが、女子大生になってストレスが解消して、みるみるうちにスリムになったという娘がいます。精神的に安定することがダイエット成功の秘訣の一つではないでしょうか?

 最後に一言。今の日本で、「太っている」と思える女性はほんのわずかです。大多数の女性は、男から見れば全然太っていないのに太っていると思い込んでいるように思えて仕方ありません。間違ったダイエットをして身体を壊したりリバウンドしたりするよりは、今のままのほうが素敵ですよ。ぼくは、スリムなショートカットの女性より、少々太めでもロングヘアの女性のほうがはるかに魅力的に思えます。



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