シドニーオリンピック最強戦士


  今世紀最後のオリンピック、シドニー−オリンピックが閉幕しました。今回のオリンピックでは、日本人選手の活躍も目立ち、大きな盛り上がりを見せた大会といえるのではないでしょうか。日本人の金メダリストは5名が誕生したわけですが、その中で最強といえる人間が1人いました。やわらちゃんこと、田村亮子??、国民栄誉賞内定の高橋尚子??、母捧げる金メダルの井上康生??、違います。柔道男子60kg級の野村忠宏選手です。まず、彼が達成したことはとてつもなく大きな功績のあるものなんです。オリンピック2連覇。事実上8年間世界の頂点にいたと言うことを証明したのです。彼は、田村、篠原らと並んで、大会前から金メダルの最有力候補であったのは確かです。しかし、オリンピック連覇という重圧の中、いとも簡単に結果を出してしまいました。なぜ、私の中で彼が最強なのか?それは、試合内容にあります。彼の予選から決勝まですべての試合を見ましたが、出会い頭の一発がある柔道競技という性質の中、彼の戦い振りには全く危なげがありませんでした。試合をしていて負ける気配が全くないのです。(このあたりが田村より上)これは、彼の勝負に対する冷静さを象徴している事実でもあります。事実、彼は決勝もたった10秒足らずで一本勝ちしています。彼は事実上の決勝は準決勝のプロ(キューバ)戦であると考えていたのです。その準決勝は冷静な試合運びで判定勝ちしています。よって、決勝に挑む際にはある程度の精神的余裕があったのでしょう。技に派手さはありません。田村、井上のように強烈なバックグラウンドヒストリーがあるわけでもありません。しかし、彼の戦い振りは「強かった」の一言に尽きます。計算し尽くされた戦い振り、まさに、玄人好みの選手です。新聞の一面は田村に持っていかれました。前回のアトランタに続いて、田村と同じ試合日だったというのが災いしましたね。金獲得の当日、テレビ番組に田村と共に生出演し、翌日の新聞をみて「小さいなあ、俺の記事」と、言っていたのが印象的でした。どちらにしろ、初日に金メダル獲得、日本選手団に与えた勢いと言う意味でも価値のある金メダルでした。


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