嬉しかったこと、悔やまれたこと。11日間の正直な思いがぎっしり詰まっています。日本語表現がおかしい部分・これでは意味が不明な部分が沢山あると思うけど、毎日放課後にあのメンバー(人名省略)でテンパリながら時間いっぱいまで書いていたものなので、編集をかけずに完全ノーカット版で記していくことをどうかお許しください(ただし、人名などは法律的な関係(地公法34条)もあり伏せさせてもらってます)。今後教育実習に行かれる皆さんのために参考になる……のかな??

教育実習日誌

第1日目  平成12年6月5日(月) 晴れ

 初日から早速ネームプレートを忘れてしまった。名前を覚え、覚えてもらわねばならないのに大きな失敗をしてしまった。汽車通学の為に、忘れ物に気づいてももう戻ることはできない。これを戒めとして、明日以降持ち物管理はしっかりと行っていきたい。
・朝のHR(3−1)
 自己紹介をするが、緊張して声が上ずり、何を話したのかも忘れてしまった。教室は思ったより小さく感じ、一応36人全員の顔を見渡すことは出来たが、声は小さかった。Ki先生の連絡事項を伝える声の前では全くお粗末である。これから生徒たちとどう交流していくか、楽しみでもあり不安でもある。せめて声を大きく出し、積極的に生徒たちと触れ合いを持っていきたい。
・ 授業見学(3時限)
 1−7の世界史の授業がKo先生の受け持ちであったので、実習生の仲間たちと授業を見学させていただいた。本来は教務の時間が入っていたのだが、キャンセルで授業見学となった。私は5時限目に授業実習があったので、事前に1度でも授業を見学できたことは非常に授業実習の参考になった。授業の導入や展開などが流石で、上手く授業に引き込まれていく感じがした。板書も適当な量(1枚を使い切るくらいで十分だろうか)にしないと、と思った。
・ 教材研究(4時限)
 板書の練習をした。思った以上に時間もかかるし、余り多く書き込めない。大事な部分を更に厳選して板書するようにする。
・授業実習(5時限)
 あっという間の50分だった。もう無我夢中のうちに終わった感じだった。指導案の半分も進めず、指導案の通りにもうまく進めず、授業の進め方の難しさを実感した。一単位時間の進める範囲も漠然ではあったが、ここで実感できたので、次回以降の指導案の書き方や板書の書き方を工夫していきたい。沢山教材研究をしても授業では言いたいことの半分も言えない。教材研究は少なくて困ることはないので、今後も怠らずに努力していく。最後に生徒たちの感想を聞こうと思ったが、紙を忘れてできなかった。授業を受けてもらった生徒たちの生の感想は今後の反省・改善に生かせると思うので何度か試してみたい。
・帰りのHR、放課(清掃)(3−1)
 清掃を手伝わせてもらった。4人の班だったが効率良く的確にこなしている。久々の清掃で新鮮感があった。ゴミ箱が増えているのにも驚く。明日からはSHRも担当させていただくので、Ki先生のご指導を仰ぎながら行っていきたい。

指導教諭(教科)評
 初日の緊張の連続、しかもいきなりの授業展開で大変だったでしょう。ご苦労様です。何事もすぐ慣れますが、何が大切かは常に心にとめて下さい。授業、初めてにしてはしっかり展開してました。うまくいった所を財産に、次の課題を目指しましょう。


第2日目  平成12年6月6日(火) 晴れ

・朝のSHR
 初めて前に立ち出欠確認、連絡事項、配布物を配る。1つ白楊パイの予約のことを言い忘れてしまったが、Ki先生にフォローしてもらった。今日は助け舟を出してもらえたが、帰りのSHRからは1人で行うことになる。きちんと連絡事項を伝えられるだろうか。
・校長講話(2時限)
 教員としての仕事や役割、北海道高等教育の現状などを講話していただいた。守秘義務を繰り返しておっしゃっていたので、実習中、というか期間後も注意していかなければならないと思った。
・授業見学(4時限)
1年5組の世界史を見学した。実習生のHさんの初めての授業である。HRクラスということもあって、終始和やかな展開であり、授業におけるクラスの雰囲気といったことが実感できた。板書も色分けが上手く、重要点が上手く強調されていたと思う。7時限目もあったので、見学したかったが、HR・清掃指導があって見学ができなかった。どれだけより素晴らしくなったか見てみたかったので残念である。
・授業実習(5時限)
 2時間目の実習だったので、緊張というのは特になかった。しかし、今回も最後が少し尻切れになってしまったことが反省点である。用語説明の具体例がなく分りにくかったと思うので、次回もう一度復習を兼ねて板書をし説明の補充を行なっていきたい。
・帰りのSHR
 今回から1人で行う。帰りは用件も少ないので、無事に用件を伝えることができた。掃除中、若干のコミュニケーションを生徒たちととれ、「さようなら」とあいさつをして別れることもできた。また明日会えるのが楽しみです。

指導教諭(教科)評
 他人の授業は得難い"教材"、"模範"でもあります。その良い所、反省点はそのままそっくり自分にもあてはまることです。他の二人の実習生とともに学び合いましょう。


第3日目  平成12年6月7日(水) 晴れ

・授業見学(2時限)
 3年6組の日本史。Tさんの初めての実習だった。授業の流れもスムーズで50分の時間内でストーリーをきちんと構築できていたように感じました。自分が月曜日に行った授業にはなかったものを多く発見した。授業を聞いていて、もう一度私もこの場面を行えたらよかったなぁ、と思った。1クラスしか担当していないので、同じことを2回行えないのだ。しかし、1度きりであることを逆に集中力につなげ、授業の反省を次回に生かせるようにしなければならないと感じた。
・授業実習(4時限)
 3時間目。今日も遅れてしまい、指導案通りにいけなかった。どこかで詳しく説明しすぎなのだろうか。今日は授業入る前に前回の板書を書いておいてよかった。あれがなければまた最後途切れることになってしまっただろう。あと、今日は特に途中言葉に詰まってしまう部分が多かった。城下町プリントも作ったが、下調べ(教材研究)通りにわかりやすく説明することができたか疑問。先日、生徒たちに授業の感想があれば、と配った紙が戻ってきた。授業の主体である生徒たちの意見はとても参考になった。生徒それぞれの捉え方の違いや、共通点をうかがうことができ、私としては感想を求めてよかった、と思った。指摘されたところは次回、来週になるが、必ず修正して、成長した姿でまた生徒たちに対して臨んでいきたいと思う。

指導教諭(教科)評
 スムーズな授業展開になっています。「資料」の準備も適切で生徒の興味関心をひいたように思います。1回勝負の厳しさ(といっても次回に多少はフォローできる)をむしろ体験して下さい。他人の授業は大変参考になります。どんどん取り入れましょう。L・H・Rはいかがでしたでしょう?


第4日目  平成12年6月8日(木) くもり

・朝のSHR
 伝達事項がまだ朝の打ち合わせの額面通りで分かりやすく説明しきれてないと感じました。個人的なことに関する事項でも、クラス全体に関する事項も聞いている1人1人に分かってもらえるように話していきたいと思う。
・授業見学(1時限)、反省会(2時限)
 今日も落ちつきのある授業展開でした。声量や生徒たちの様子を見、それにきちんと反応することなど、また自分に足りないものを見つけ再確認させられました。今日・明日と授業実習がなく、ホッとする反面、すぐに反省点を実践できないもどかしさも感じます。来週まで忘れぬよう明日も更に学び、そのことをしっかり留めておきたいです。
・授業見学(3時限)
 初めて歴史以外の授業を見学しました。板書量が厳選されていて、板書〜発問〜説明、の流れが理想的でした。憲法の社会権という難しい分野でしたが、講義調になってなくて感銘を受けました。ここで一つ気づいたことですが、メモを教卓上でなく、手に持ってもいいので、前を向いて生徒たちに向かって話そうということです。今までは机の上のものを読むという感じで下を向きがちでしたが、次回以降、試してみようと思いました。
・授業見学(5時限)
 2時限の反省会での注意点をしっかり克服した授業だったと思いました。板書の筆圧や記号などで生徒たちのノートもきっと見やすいのだろうなぁ、と思います。一度、私の実習でも机間巡視で生徒たちのノートを覗いてみたいです。毎回、歴史へ興味をもたせるような話が入ることが印象的です。体験談を交えていて、歴史が好きなんだ、ということが伝わって来ました。同じ内容でも個性の違いが出ています。取れる所は取りこみたいですが、常に私が実習先行しているのが悲しい……。
・帰りのSHR、清掃
 伝えることもなかったので、早々に放課にしてしまったが、気づいたことをもっとずけずけと言った方がいいのかな、と思う。白楊祭のカウントダウンカレンダーができていて、いろいろ書き込める欄があったので、明日私も書き込ませてもらっていいか聞いてみようかなぁ……。全体的に大人しいクラスなので、どうせあと1週間、こちらから突っ込んでいかないと。

指導教諭(教科)評
 言う迄もなく授業は「生徒との対話」です。板書をして話をするだけならば「NHK教育テレビ」のビデオで済んでしまうのですから……。生徒の動向をつかみながら進めましょう。そのための伸縮ができるのも現実の授業だからこそ、です(途中で終わったり、とばしたりするテレビ授業など皆無ですよネ)。生徒との対話を存分に味わって下さい。


第5日目  平成12年6月9日(金) くもり

※ 今日は5分短縮授業。昼休みに高体連全道大会の壮行会。
 昨日の話になるが、放課後5時頃教室に行ってみたら数名(5〜6人)の生徒たちが自習をしていた。そこで進路や大学生活についてなど自分の体験を少し話した。男子2人(Kくん・Nくん)が話してみたらN町出身ということで驚きました。私より遠いところから通学してくるということで、朝8時半までに毎日来ることだけでも素晴らしいことだと思う。私の大学生活(特に朝)を話したらあまりのギャップに驚いていました。ホント怠惰な生活が、実習に入ってきちんと前に数時間ずつズレて規則正しい生活です。
・授業見学(1時限)
 世界史でN先生の授業を見学しました。今日はインド文学と中国古代文明で、『シャクンタラー』の説明・エピソードにぐっと魅きこまれました。改めて知識の豊富さ、専門性の高さに感動しました。板書でも、写している途中、個々の生徒を見て声をかけるなど、自分の授業でも応用できそうかな、とまた発見しました。授業がないので発見ばっかり。課題がたまっていく心境です。
・授業見学(3時限・4時限)
 政治経済でTくんのを見学。途中まででしたが、発問や生徒とのかけ合いがよいテンポだったと思いました。
 4時限はTさんのを見学。3日間連続で見ていてかなりいろいろな面で先生らしく成長されていたと思います。注意点が先生からもなくて羨ましいです。
・壮行会(昼休み)
 生徒会の発案で実現したらしい。各担当の係の生徒たちもよく動いていたと思いました。多くの部が全道に出場するので、1つでも多く勝ちすすみ、成果を発揮してもらいたいです。

 授業見学の1日でした。月曜からまた授業も入ってきます。生徒たちはマーク模試で学校に来るので恐縮ですが、自宅で教材研究・反省点を確認して、頑張りたいです。生徒たちも頑張って欲しいです――。

指導教諭(教科)評
 教師の仕事の多様さ、に思いをいたして下さい。学習指導の外に進路指導、もし「不登校」・「非行」などがあれば大変な生活指導、これらに関連した校務分掌、各種委員会の仕事、そして放課後、場合によっては日曜・休日返上の部活指導その他諸々の雑務……。教材研究のみに専念できない教師の姿を垣間見たような気がしたでしょうか?


第6日目  平成12年6月12日(月) 晴れ

・朝のSHR
 実習も今日から2週目。最後の1週間である。朝、出席をとりつづけていることで、ようやく座席と生徒(顔・名前)が一致しはじめてきた。
・授業見学(2時限)
 Tさんの授業で始めて向こうの先行授業。寛永文化と村の生活という難しい分野でしたが、板書量を厳選した授業だったと思います。授業で質問の出ていた「ギヤマン」についても週末できちんと調べてきていて、授業もこういう所で信頼を上げていくのだなと感じています。
・授業見学(3時限)
 高校時代にも受けたこともない地理の授業を見学。見学してみると、作業が多くて(地図の作成)面白い授業でした。クラスは3年生なので落ち着いた雰囲気で展開していましたが、授業に盛り上がりの波があり、発問の仕方なども適確で参考になります。自分の授業でも分かりやすい発問を多くしていきたいと思いました。
・授業実習(5時限)
 先週水曜日以来で、また少し緊張して授業に臨みました。字が薄いと生徒からも指摘されたので、注意して力強く書いてみたり(必然的に字が大きくなり、1列(段)に書く量が少なくなってしまいましたが)、前を向いて話すようにメモを教卓ではなく手持ちにして中央で山のように固まらないよう工夫はしてみたつもりですが、受けている側の生徒から見た感じはどうだったのでしょうか? 日誌には「教育実習生さんの授業、板につく」などと書かれていて嬉しかったですけど。メモを見ないで話すというのはなかなか難しいですが、あと4回頑張っていきたいです。
・帰りのSHR、清掃
 1組は6時限が体育で戻ってくるのが遅いので、戻ってきた人から集金袋を返却していった。授業や朝・帰りで会うことで、だいぶ名前・顔・座席が一致してきた感触があった。清掃も生徒たちと楽しく行うことができて面白かったです。ゴミ投げじゃんけんで一抜けしてしまい、生徒に「来週こそは!」と反射で言われたのですが、その来週がないことにさびしさと悲しさを感じてしまいました。

指導教諭(教科)評
 自分なりの反省や他人の優れた点を取り入れたい、というのは、だんだん授業展開に欲が出てきた証拠ですから大変好ましいことです。どんどんトライして見て下さい。担当クラスの生徒との交流も意欲的に深めて下さい。良い思い出を沢山作って下さい。


第7日目  平成12年6月13日(火) 晴れ

・教材研究
 今日は公開授業が土曜の3限に決まったこともあり、そこに標的を定めた授業進度を心がけようと、一日中教材研究に集中することにした。今日の扱う箇所は江戸時代の「農民の負担」・「江戸時代の身分制」で、それぞれに説明事項が多く、内容の濃い所だと考えている。そこで「農民〜」は「税負担」と「法統制」に分け、前者は名称・負担内容・納入方法、校舎は名称・説明に分けて板書をしようと板書ノートを作成してみた。「勧農(板書は間違ったが)」を更に法統制のポイントに付け加える。今日は社会科の実習生(Hさん・Kくん・Tくん)がプリントを作っていたので、私も触発されて即興でプリントを作成した。教科書では原文でしか史料が載ってないので、口語訳と幕府の農民政策のまとめ、空白にはマンガの部分を挿れてみた。「身分制」は封建的身分制度(士農工商)が何のために作られたか、ということから、賤民身分(えた・非人)の設定に中心を置いて展開を試みてみる。
・授業実習
 教材研究で指導案の留意点でおさえた事項は半ば強制であったと思うが、生徒には伝えることができたように思う。ただ、説明に集中しすぎて発問がはじめと終わりに2人しかすることができなかったのが反省点だ。少しずつだがメモにかじりつかないで話せるように努力し、なってきていると感じるので、公開授業に向けて効果的な発問が行えるようポイント(箇所)・発問(セリフ)・予想回答と対応も考えてみたい、というか考える余裕が欲しいです。おとなしい生徒たちなので、残り3回はとにかく簡単なことでもバシバシ当てて生徒の発言を掘りおこすようにしたい。
・清掃・放課後
 1組は文系で6時限で終わりであり、他の実習生たちとあわないので、清掃後、しばらくクラスにとどまり、世間話などをしてくる。男子とはだいぶ話せるのだが、女子とはそんなに多く話せない。対応に少し差が出てしまう。女子、個々人とならまだアレでも、集団で居る所にはなぁ……。そういう点では1年生がうらやましいかも。

 さて、また明日からも残り少ない日々を大事にしたい、いや大事にします。

指導教諭(教科)評
 いよいよ「公開授業」に向けた全体的な絞り込みに入って下さい。全てに良い点が発揮できる50分であればいいですね。少なくとも授業を受け入れる、という当り前ですが、多くの高校では失われている好条件に恵まれているのですから、頑張って下さい。


第8日目  平成12年6月14日(水) 晴れ

 ここ数日、帰宅後自宅での勉強ができない。19時まで学校で教材研究し、20時半に着いてテレビを見ていたら何時のまにか寝てしまっている。見えない疲れがたまっているのかなぁ。その代わり朝は早く起きられるようになっている。
・授業実習(4時限)
 考えてみると、もう6回目の授業である。6回の授業でどのくらい成長できているのだろうか。最後の授業(公開授業のあと)で、もう一度生徒たちに授業の感想などを聞いてみたいと思う。最後だと思えば生徒たちも本心で書いてくれると思っているので。日誌で日直のSさんが「今日の授業は分かりやすくてよかった」と書いていてくれて嬉しかったし、Sくんも「土曜日は社会がんばります」と書いてくれたので、その期待に公開授業で応えられるようしっかり予習をして(2日間空きがあるので)臨みたい。授業に戻るが、今日は10数名に発問ができて、双方向の授業が展開できた点には自分でも満足でした。ただ、1巡したあとの発問する生徒選びに困ってしまい、余裕もなくて寝ていそうな生徒に当ててしまったのは少し失敗だったかなと思います。これだと再び質問の説明をしてしまうことになり、思わず時間をとってしまいました。公開授業では生徒たちも気が入ると思いますが、発問対象にも次回は生徒をよく見て行うよう心がけていきたいです。
・LHR見学(5時限)於、体育館
 今回は司会進行が1組担当だったのですが、HR会長以下、スムースな進行が生徒たちの手で行われていたと感じました。私の時代には生徒による運営はなかったように思うので、こういうことは自主性を高めていくのにもとてもよいことだと思います。
・清掃、放課
 今日も、清掃を手伝い、その後学年集会の影響で進路雑誌を開いている生徒たちが多く居たので、自分の進路選択の経験などを少し雑談してきた。残り少なくなると、SHR後簡単に教室を離れるのが、とても勿体無く感じてしまいます。日誌のコメント書きも楽しいし、せめて日誌で日直が1巡するまでコメント書き続けてたい気分です。
 授業は次回が公開授業、HRもあと3回しか行けません。悔いのないよう、最終日を迎えていきたいです。

指導教諭(教科)評
 板書も大変キレイでまとまっていて見やすいです。声はもう少しメリハリを(やや単調か?)つけた方が生徒には印象深く入っていけるのでは、という気もします。勿論、聴きづらい訳ではありません。自分も楽しくなるような授業に仕立てる最後の工夫をこらしてください。


第9日目  平成12年6月15日(木) 晴れ

 今日から実習生たちの公開授業が多くなっている。私は土曜日でほとんど最後の方なので、時間的余裕があるぶん、どんどん終わっていく実習生たちの晴れやかな顔を見るにつけ、だんだんと緊張と不安が高まっていきます。でも、学級日誌や生徒たちから「頑張って下さい」と言われると、それも緩み、やる気がまた湧いてきます。
・授業見学(3時限)、その他
 同じK大のHさんの公開授業を見学させてもらった。単元は「羅生門」で最後の部分(下人に盗人になる勇気が生まれ、髪を抜いていた老婆の衣服をはぎ取って去っていく)。社会科以外の初の国語科の授業見学である。彼女が特にそうなのだが、実習生のみんなはとても導入の仕方が上手いと感じました。導入部分で生徒たちの関心をぐっと引きつければ、展開がスムースに行えるというのを、実習生たちの授業を見て再確認です。Hさんのように笑いをどっと起こすことはできなくても、もう一息工夫をこらして展開に入っていけるようにしていきたいと思います。あと、国語科を見ていて感じたことは、「こたえ」がない、発問の難しさです。生徒の数だけ、文学に対する考えはあると思うので、発問でただ1つの考えを文章読解の解答にするにはとても危険である、安易にできないものだと感じました。歴史は「こたえ」が決まっていることが多いので、その点発問が簡単であることがわかりました。6時限目の反省会では発問の応答で「そう、○○だね」と復唱することが重要だとKo先生もおっしゃっていたので、その点も公開授業では注意していきたいです。
・教材研究
 ノートとプリントを作る。ノートは今週の他の時間より少し板書量が多いかな、とも思うが区切りが悪いし、2時間続きなので仕方がないかな、と考える。これでも厳選したつもりなので、生徒たちには少したえてもらうつもりだ。プリントは前回に続いてマンガを切り貼りして板書の流れに対応させたもの。意外にマンガであってもよく事項がまとめられていて、私は作ってみてその過程から面白がっているのですが、生徒たちの理解の助けとなれるでしょうか。最後に感想のアンケートを配ってまた確かめてみたいです。

 ……すいません、日を追うごとに日本語がおかしくなり読みづらくなってしまっています。

指導教諭(教科)評
 生徒の励ましは何よりの薬です。善意に満ちた環境の中で授業を展開できる幸せをせい一杯味わって下さい。多くの教育実習生が個性豊かにそれぞれの工夫をこらしています。しかし、教科の特性、自分の持ち味が何といっても一番です。得意とする所を思いっ切りぶつけて下さい。


第10日目  平成12年6月16日(金) 晴れ

 明日、自分の実習(公開授業)を控えているにもかかわらず、公開授業を見学し続けてしまいました。じわりじわりと寄せてくる緊張感にじっと教材研究に集中できるような状態が保てないせいでしょうか。今日はなかなか寝つけなさそうです。
・授業見学(4時限)、教材研究
 Tさんの最後の授業(公開授業)。範囲は鎖国へのプロセス&島原の乱で、ちょうど私がやるのと同じ範囲である。大抵私が先行する形で実習が進んでいたので、今日Tさんが先に範囲をやっていただいたことは、明日の自分の授業展開のうえでも、とても参考になるような感じがする。今日の授業を見ると、自分のは板書に時間をとりそうに思った。2時間続きということで余裕の思いがあるが、一応1単位時間のことはその時間内で終われるように努力をしていきたい。私は明日の授業で、鎖国の理由を「@:禁教」よりも「A:貿易統制」に力点を置いて行いたいと思っている。恐らく中学校段階では「禁教」しか目が向かれていないのではないかと考えているからである。あす、理由を生徒たちに発問してみて、出てしまったらどうしようか……。まぁ、その時はそれでさらっと流していこう……。
・避難訓練(6時限)
 避難訓練があり、その指導をさせてもらった。きびきびと生徒たちが動かないのは私の生徒時代と変わることはないが、指導する側となると、適切な指示のタイミングや各種の確認など、多くの難しい事項が教師にはあるのだ、ということがわかった。案の定だらだらとした動きは講評でおっしゃっていたが、一度でも抜きうちで訓練というものはできないのだろうか。混乱はかなり増すだろうが、臨場感もますのではないだろうか……?
・その他、生徒との関わり
 ついに明日が実習の最終日になってしまう。1組の生徒たちはみんなとても素直でいい子ばかりなので、別れるのがとても惜しく悲しいです。学級日誌の記録を見るだけで涙が浮かんできそうです。
 まずは明日の公開授業、1組(&3組)のみんなと楽しく行えるようにしたいです。応援があれば、きっと頑張れます。お礼返しで精一杯の授業をし、満足し合い、そして私は……泣くのかな? そういう見かけではないんですが。
 明日は想い出作りです。公開授業込みで――。

指導教諭(教科)評
 今までの実習の中で、ほぼ基本的なことはマスターできています。「平常心」で臨んで下さい。何と言ってもしっかりと教材研究していることが、自ずと自身あふれた余裕のある授業を実現する基本中の基本です。「教育実習」のエンディングをどのように飾るか楽しみです。頑張って下さい。


第11日目  平成12年6月17日(土) 晴れ

 ついに終わってしまった。単に終わったのではなく、本当に終って「しまった」という思いでいっぱいである。2週間、始まる前は長いな――、と考えていたのだが、過ぎてみると、あまりに早く駆け抜けた2週間だった。特に今日は半日にも関わらず、公開授業もあり、とても凝縮された最終日となった気がする。
・公開授業
 2時間続きの1時間目で、後ろもあるから、と余裕をこいて授業展開を進めていたら、やっぱり途中で時間が終ってしまった。最初と違い計算通りの時間オーバーだったが、違った意味で時間配分を覚えることができたかもしれない。
 4時限目は早めに終わって2週間どうだったか感想を書いてもらった。全員分はまだ見てないが、みんな沢山書いてくれていて、とても嬉しかった。私は生徒の一人ひとりをじっくりと見れなかったのに、生徒たちはよく私を見ていてくれたんだな、と思うと感激です。
・帰りのSHR
 3年1組のみんなから素敵な色紙と花束をいただきました。たった11日間で、全員と親しく話すこともできなかったのに、みんな一生懸命に2枚もの色紙いっぱいにメッセージが寄せられていて思わず涙が出そうになってしまいました。一生の宝物として大事にします。「いい先生、やさしい先生になって下さい」って言われても正直いって自信がないのですが、でも頑張って7月の試験(1次)を突破して教師への道に、みんなの期待する教師になれるよう頑張っていきたいと思います。「将来、私の子供が先生に教えてもらったりしたら、おもしろいですね」、本当にこうなったら素敵だと思います。教師という職業の醍醐味がここにあるといっても過言ではないのかもしれませんよね。
 もっと仲良くなりたかったのですが、2週間本当に早すぎて今日で実習が終わってしまうのはとても悲しいです。3年生なので、今後は受験などで慌ただしい日々になると思うけど、1ヶ月後の白楊祭はじめ、残された学生(生徒?)生活を送ってもらいたいです。白楊祭パフォーマンスと学級旗、東京から戻って見たいよ……。
 本当に2週間でしたが、Ko先生・Ki先生はじめ先生方には大変お世話になりました。そして、1組のみんなや日本史受けてくれた3組の生徒たちも。本当にありがとうございました。教師になって皆さんにお礼返ししたいです。

指導教諭(教科)評
 2週間、大変ご苦労さまでした。落ち着いて最後の授業を締めくくることができて、おめでとう!! 私達自身が日常的にそうなのですが、素晴らしい環境で、そして何よりこれ以上は望めそうもない良い生徒達の暖かい視線の中で2週間を過せてよかったですね。私も何人かの"教え子"の子供をまた生徒して最後の1年を迎えています。素敵な教職生活を送って下さい。