3. 入院生活


2月12日

朝、目が覚めて先生に受診してもらうと「別の病院に搬送しないといけない」といわれ

午前中にまた救急車にて別の病院に・・・

そして着いた病院は「済生会野江病院」だった。救急外来の部屋に入り主治医になる

先生に問診をうけ、何種類か採血をされ病室の方に運ばれた。

ふつうの病室かと思ったらHCUという看護婦が常時待機してるいろいろな機械の

音が1日中聞こえる部屋だった。

この日に「随液採取」という脊髄に注射することがあったが大して痛くなかった。

(普通は抜群に痛いらしい)


2月13日

この日は日曜日で大した治療はなし。

ただし、体の力は日に日に落ちてきている。


2月14日

この日から本格的な治療が始まった。まず、足の付け根(股)に管を入れたのですが

これが1番痛かった。ベットのシーツまで血だらけになったし・・・

それが終わるとその管と透析機を使った「免疫吸着術」を開始。やっている間は

動くことができないので辛いです。

 

免疫吸着術とは??

免疫吸着術といのは血液の中にある不必要な成分(僕の場合は間違って増殖した抗体)

だけをフィルターにて取り除くというものです。フィルターの能力は血液2g強。

時間は3時間から4時間かかります。

ギランバレー症候群に対して僕の知っている限りでは3種類の治療法がありますが

1番安全で有効な治療法らしいです。


2月15日

2回目の免疫吸着をしましたが効果なし・・・


2月17日

3回目の免疫吸着をしましたが効果なし・・・

じょじょに足が動かなくなってきた。


2月18日

4回目の免疫吸着をしましたが効果なし・・・

この日、ついに足が動かなくなった・・・気持ちが落ち着かず頭がおかしくなりそうに

なる。この日から面会時間以外に夜から朝まで付き添いをしてもらう。


2月19日

当初、この日は免疫吸着をしないことになっていたが僕が無理を言ってしてもらった。

土日の2日も治療をしないと体がさらにひどくなりそうで怖かったので・・・

5回目の免疫吸着をしましたが効果なし・・・


2月21日

6回目の免疫吸着をしましたが効果なし・・・

ただし、悪くなる一方だったのが止まったような気がする。

あいかわらず睡眠がとれない・・1日の睡眠時間は1時間くらいか。


2月22日

7回目の免疫吸着を終了。これで当初予定していた治療はとりあえず終了した。

自分の血が管から出ていって機械を通りまた自分に還ってくるのを見るのもこれで

見納めかと思うとホッとした。(結構気味悪いよ。血が循環してるの・・)


2月23日

体に変わりなし。HCUから一般病室の2人部屋へ。

体の状態は・・・上から。顔の筋肉が動かしずらい。のどに違和感があるので水も

通らない(むせてしまう)。腕は週刊誌を持ち上げるのも辛いほど力がはいらない。

手はしびれてページをめくるのもおっくうだ。お尻、太股、膝はぜんぜん力がはいら

ない。足首からしたは痺れているが指はちょっと動く。

とゆうことで寝たきり状態であり尿には管が入っていて口から栄養がとれないので

24時間栄養剤が点滴にて投与されている。

 

この日、僕を含めた家族に先生から説明があった。

内容はだいたいの患者なら免疫吸着術で回復してくるのだが僕の場合は効果があまりなかったのか効果が出るまで時間がかかるのかわからないとのこと。

もし、状態がよくならなければ別の治療法をしていかなければならないらしい。

2つあって1つは血漿交換。これは免疫吸着術と同じ機械を使うがフィルターを通すのでなく完全に既製の血漿と交換する治療法。ただし副作用として高熱や下痢、又は体に必要な成分まで廃棄するので抵抗力が落ちるらしい。

もう1つは免疫グロブリンの大量投与。これは前の治療法とは異なり直接抗体を攻撃

するというものらしい。ただし、効果が出る出ないはやってみないとわからないという

困った治療法だ。副作用は高熱やジンマシンなど学会で報告されている。結構確率が高い

ようだ。さらにこの治療法は高額になるとのこと。さらに保険がきかない可能性が高いらしく、もしそうなれば150万ほどかかるらしい。効果が出ない可能性も高いので判断が

むつかしい。

とりあえず1週間ほど様子を見て決めることになった。


2月25日

やっと水分がちょっととれるようになった。ひさしぶりにのどに通る水はおいしかった。

涙が出るほどうれしかったし、ちょっとずつだけど回復してきたのが感じられた。


2月27日

最悪な日だ・・・

顔の筋肉が麻痺して話すこともままならない。腕の力も落ちてしまった。

回復しつつあっただけに僕も家族もショックが大きかった。特に僕はパニック状態になってしまった。


2月28日

先生に診てもらったらすぐに免疫グロブリンの大量投与を実施しましょうというとに。

家族と先生で話し合いをしてこの方法で進めることがきまった。もしかしたら保険が適用できるかも。。

1回目の投与が終了。

 

免疫グロブリンの投与方法は点滴で50cc入りを10本連続で投与する。所要時間は

3時間から4時間くらいで5日間つづける。5回目が終了してから1週間様子をみるとのこと。


2月29日

2回目の投与終了。体に変化はないようだ。ただし熱は上がってしまう。


3月1日

3回目の投与終了。熱は38度後半まであがった。


3月2日

4回目の投与終了。熱は37度後半までさがる。


3月3日

5回目の投与終了。これで治療が終了した。

足首などちょびっと動く箇所がでてきた。家族はすごく喜んでいるが僕は喜べない・・

なぜなら前「もう大丈夫だろう。リハビリをがんばろう。」と言われ喜んでいたがぶりかえしたので素直に喜ぶことができない。

 

ここから先は神経内科の治療はないので印象に残っている時だけを。(約1週間ごと)

 


3月10日

薬の効果が出てきたのか、だんだん顔の麻痺している部分がましになっていくようだ。

やっと僕の話すことが聞き取れるようになる。

この週から8日間だけ看護学生が僕の世話をしてくれるようになった。

あと、簡易型人工呼吸器を病室に設置した。これは寝たきりが続いたため心肺機能が落ちたため呼吸を補助するものらしい。ずっと使うのではなくできる時間に使うようにとのこと。


3月14日

僕の28回目の誕生日。まさか病院で迎えることになるとは入院したときには考えてもいなかった。いままでで最悪の誕生日かと思ったんだが・・・今日で看護学生の子が最後になるんだけど、看護学生数人が僕の病室で誕生日の歌を熱唱してくれて色紙に寄せ書きまでしてくれた。格好悪いが泣いてしまいました。最悪だと思っていた今回の誕生日だったが1番うれしい誕生日になった。

体の回復は雀の涙ほど。悪くなってないだけいいか。あと体に張り付けていた心電図を詰め所まで飛ばす機械がはずれた。


3月23日

お粥食が食べれるようになってやっと点滴がはずれた。

寝ながら体をよじれば膝が立てれるようになってきた。あと片方(左)のまぶたが閉じきらなかったのがあと2,3ミリで閉じそう。(閉じないおかげで目が乾き視力が低下)


3月31日

尿の管もとれて体には何にもついてない状態になった。あと、食事が普通食に。

この1週間は飛躍的に「お尻」と「足」に力が戻ってきたと思う。リハビリの効果なのか

悪い抗体?が消えてきたのかわからないがベットの端に簡単に座れたり膝が簡単に立てれるようになった。


4月1日

とうとう4月に突入・・・

そしてついに物に捕まれば立てるようになった!!まだフラフラ状態だけど・・


4月5日

入院して初めて家に帰ることが許された。(実家)ひさびさに外に出たら「しゃばの空気は

うまい。」と思いましたな。。1日だけでしたが好物の食事などいいことがありました。

ひさびさにNETができていい気分転換になりました。あと、chatで話せたのもよかった。

体の調子は伝い歩きがギリギリできる状態。


4月8,9日

2回目の外泊。伝い歩きはできるが階段や段差は辛い・・・1回家の中で転げました。

1回目の外泊の時よりも自分で移動できる場所が増えた。

体の状態。フラフラで危ないが支えがなくても歩いて前に進むことができる。


4月15,16日

3回目の外泊。今回は自分の家に帰りました。ひさびさに嫁さんと息子と僕の3人で

生活ができました。「大樹」は僕よりも速くはいずり回ります。完全に遊び相手が務まるまでもうちょっとかかりそうだな。それにしても子供の成長は早いですね。入院する前は

「ずりはい」ができるだけだったのにお座りやつかまり立ちまでできるようになってました。

体の状態。ちょこっと安定して歩くことができる。(まだ膝が弱いので杖が必要)

顔の麻痺は90%以上は戻ったと思う。腕や手は左がまだ弱く40%弱、右が60%くらい。手の指は左は5本とも痺れがとれない。右は中指と人差し指の痺れがなくなったようだ。

あと、4月のはじめに体重を量ったら55kだったのが60kまで戻った。僕のベストが

65kだったんだけどこの勢いだとオーバーしそうだ・・・(たばこが吸えないのでお菓子ばかり食べてます。)


4月20日

杖がなくてもある程度は歩くことができる。看護婦さんは驚いているようだ。

一ヶ月以上寝たきりが続いていたので歩けるようになるまでもっとかかると思っていたらしい。

そして・・・退院日が決まった! 4月22日だ。


4月22日

ついに・・退院。

長いようで短いような2ヶ月半だった。

これからは通院と自宅でのリハビリをがんばらなくてわ。


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