否定側立論

1999.4.1 文責:倉島

これから、否定側立論を始めます。

定義は肯定側に従います。

否定側のプランは現状維持です。

肯定側のプランを導入することによって発生するデメリットは誤判の増加、誤判の増加です。

まず、このデメリットの深刻性を述べます。誤判が起これば、冤罪が起こります。その冤罪が許されるべきものでないことは肯定側の主張する通りです。しかし否定側は、その深刻な冤罪が、逆に増加してしまうと主張します。

また、誤判が起これば、犯罪者が裁かれずに野に放たれることになります。これは、冤罪に劣らず深刻なものです。犯罪者が裁かれなかったら、犯罪者本人、また一般社会に、犯罪を犯しても、罰を免れる、という認識を与えることになります。そうなれば、法律のもつ犯罪の抑制力は著しく損なわれます。そうなってしまえば、犯罪が増加し、治安が悪化し、私たちの生活を脅かします。このことは、肯定側も主張された通りです。ですからこのデメリットは大変深刻です。

まず発生過程を述べます。発生過程は三点あります。

一点目。偏見による誤判です。また現在、メディアによる様々な報道がされており、また、しばしばその報道は国民の共通したイメージすなわち偏見を構築します。

これでは、正しい事実認識はできません。正しい事実認識ができなければ、正しい判決も下せません。したがってデメリットが発生します。

二点目は、無知による誤審、無知による誤審です。先程も述べたとおり、裁判官は、法律に対する高度な知識を持っています。それに対して、陪審員は法律の素人であり、どう頑張っても裁判官の高度な知識にはかないません。法律は、しばしば複雑で微妙な概念を持ちます。知識がなければそれを理解することはできません。

証拠資料。出典は『国際商事法務 24』96年刊です。米国ミシガン州弁護士の牧野和夫氏は、陪審員に関してこう述べています。引用開始。『適用されるべき適切な法原則を理解し、その法原則を「認定した事実」に適用する能力に疑問が向けられている。つまり、適用する法原則がしばしば、複雑で微妙な概念を含むからである。』引用終了。

判決は、正しい事実認識を法律に照らし合わせて行われなければなりません。ですから、評決において、法律への深い認識は必要不可欠なのです。ですから、法律に無知であれば誤判がおきてしまいます。従ってデメリットが発生します。

三点目は、論理的思考能力の欠如、論理的思考能力の欠如です。正しい事実認定を行うためには、証拠や証言をもとに論理的に考え、真実を見極める必要があります。裁判官というのは、裁判官になるための研修を通して、また、日頃の裁判において、論理的な思考を行っており、論理的思考力を身に付けています。それに対して、陪審員はそうではありません。

証拠資料を引用します。先程の国際商事法務です。引用開始。『教育・訓練の欠如による特定種類の証言の・・・・・ (時間切れ)