1998.8.11 文責:倉島
問題:以下の議論を読んで、否定側は肯定側の反駁に対してどう反論すべきでしょうか?
論題:日本は陪審制度を復活すべし
否定側立論
デメリットは「陪審員による誤審の増加」です。陪審制度を復活させると、素人が有罪・無罪の判決を下すことになります。素人ですから、難しい議論より、表面的な印象に左右されがちです。その結果、裁判では、事件を深く審議するのではなく、表面的な印象を競うようになってしまいます。ろくな審議をしないで、表面的な印象だけを競えば、必然的に陪審員の誤審が増えます。データを示します。ニューヨーク州弁護士の松本直樹は次のように「法廷はショーである」と述べています。
『弁護士は、陪審員を説得するために演出するのがつとめであり、陪審控訴とは法廷を舞台としたショーである。......したがって、弁護士で勝負が決まる。弁護士料をケチってはいけない。』 このように、法廷がショー化されて、誤審が増えるのです。
肯定側第1反駁
否定側は、ニューヨーク州弁護士の話を持ち出して、法廷がショー化するので誤審が増えると主張してきましたが、この主張は成立しません。なぜなら、肯定側の引用したデータが全く信頼性に欠けるからです。弁護士が「弁護士料をケチってはいけない」と主張するのは当たり前で、その主張は中立性に欠けます。つまり、この弁護士は自分の弁護士料を上げたいが為に、先のような主張をしているだけなのです。このように信頼性の欠けるデータでは、「法廷がショー化する」という主張をサポートできません。
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