徳 山 |
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9-1 |
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ペニャロサ |
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115 |
予想通りの苦しい試合だった。ただ、徳山は賞賛できる防衛戦をしたといえるだろう。僕の採点は上のように、ペニャロサが3ポイントもリードしているが、微妙なラウンドがいくつもあった。スプリットの王座防衛は、不当な結果ともいえない。 なにより、徳山の見事だったのは、苦しいながらも創意に満ちた試合をしたという点だ。序盤、ペニャロサのフックが鋭くてダメージを受けると、中盤は細かいジャブを突いてペースを半ば取り戻した。終盤に入り、疲れからかそのジャブもうまく出なくなると、クリンチやはぐらかしの動きを多用してペニャロサのパワーをかわす一方、ボディーを粘り強く叩き続けて形勢をひっくり返した。 苦手な相手と戦いながら、一試合中に何度もあたらしいことを試みることは、平凡なファイターにはけっしてできないことだ。徳山のボクシングセンスと、勝負根性をあらためて見た気がする。 ペニャロサも、前回に続いて額を大きくカットするアクシデントに見舞われたが、黙々と接近戦を挑み続けた。さすがに、長年世界の最前線で叩き続けているファイターだ。川島郭志と戦ったときの冴えはないが、相変わらず不気味なほどの安定感を備えている。 とにもかくにも、徳山は生き残った。内容も、苦戦だが拙戦ではない。最大の難関を乗り切ったことで、二桁防衛への展望がひらけてきたと言えるのではないだろうか。
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