星野 |
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鈴木 |
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96年8月に星野敬太朗が横山啓介から王座を奪取した時は、正直「出来すぎ」 とも思った。だが、星野はその後もどんどん安定感を増し、いよいよ見ごたえの あるチャンピオンになってきた。 今回はパンチのある指名挑戦者鈴木を迎えた星野だが、完全にスピードと技巧 で圧倒、自信満々の試合運びで快勝した。
星野の武器は、スピードに加え、ノーモーションでパンチが打てることだ。 パンチを出す直前までまったく気配を発しないため、次に出るパンチが右なの か左なのか、目を凝らしていても(少なくとも僕には)まったく予測できない。 巧いインファイターの鈴木も、立ち上がりなかなか接近できず、とまどったとこ ろを突然飛んでくる左右ストレートでびしびし叩かれる。
事態を打破するため、鈴木は3回から強引にテンポアップ。一応は接近に成功 し、星野の顔面に数発フックを決めた。だが、このハイテンポは4回までしか もたなかった。5回には鈴木はペースダウン、再び星野のカウンターが試合を 支配し始める。本来のスピードには大きな差があるため、鈴木のハイテンポが 続かなくなった時点で試合はワンサイドになっていった。
6回には右カウンターで鈴木のヒザを落とさせ、ダウン寸前に追い込んだ星 野は時折軽くスイッチしながら自在に試合を運ぶ。7回にはラッシュをしかけ る。ノー・スタンディグ・カウント・ルールでなければ、レフェリーはダウン を取っていただろう(本来の主旨からいけば、これでストップなのだが)。
8回、鈴木のパンチで星野は右目上を切り、ややリズムが乱れた。だが、続 く9回、右で鈴木を大きくぐらつかせると連打。ここでレフェリーがストップ した。
星野は、「スパーリングをよくやってもらっている」というロッキー・リンを のぞけば、日本に強敵は見当たらなくなってきた。今ノッている時期なだけに、 適切なマッチメークで上を狙う力をつけてもらいたいところだ。 |