初めて、ザフトの捕虜に会ったとき、私は不覚にも捕虜の薄紫色の瞳に一瞬囚われてしまった。




初めて会ったとき―――

私が、アイツにナイフを振り下ろしたときだった。





ディアッカ・エルスマン





あの事件が有った後、アイツは独房に入れられた。

私には自室謹慎が下された。




「……ハァ…。」

昨日、謹慎が解かれたが、仕事以外で外には出たくなかった。

ほとんど一人部屋なベットに寝転んで、ため息を付いてみた。




気持ちに落ち着きはあるけれど、やっぱり憎い。

憎んで当然。

トールのことをあんな風に言って、傲慢で、人の心なんて絶対考えてない。

心は怒りと憎しみでいっぱいなのに。




一瞬、あの瞳に心を奪われた―――





外から、人の声がする。

どうやら、あの捕虜の食事を運ぶ人で、もめているらしい。




「―――私が持っていきます。」

突然の申し出にみんな目を丸くしていた。

それでも、「それなら…」と言って独房の場所と、その人たちが持っていた食事の入ったトレイを渡された。




ただの興味心。

それだけよ。

それだけ。





独房に入って、アイツの前に、鉄格子越しに立った。

とても、驚いている様子だった。

食事の入ったトレイを下から入れ、アイツの顔を見る。






やっぱり、心は怒りと憎しみでいっぱいなのに。




その瞳を見てしまう。





これが、アイツとの出会い。




―――ディアッカ・エルスマンとの出会い。






end





あとがき

久しぶりなディアミリ。久しぶりなので初心に帰ってみました(笑)久しぶりに書いたんでブランク高いなぁ〜;またDVDでも見ようかしら。

読んでくださいましてありがとうございました。

2004 3 22 伊予