聖夜
「…遅いわね…ディアッカのやつ…。」 ミリアリアはまだ訪れないディアッカを待ちわびていた。
終戦してから初めてのクリスマス・イヴ。 彼女は彼、ディアッカを呼んで夕食を食べようと誘ったのだった。 もちろん、ディアッカは即OK。 キラたちからもパーティーに誘われいたが、丁寧に断っておいた。
「せっかくあたしから誘ったっていうのに…まったく。」 何故ミリアリアはディアッカを誘ったのか。 彼女自身、よく判らないのだ。 ただ、誘いたかっただけ。
「…どうかしてるのかな、あたし。」 思い出すと、ディアッカの笑顔しか思い出せない。 『彼』の笑顔も思い出せるけれどそれは遠い過去の映像。
ゴトゴトッと窓の外で音がした。 「来たのかしら?」 外を見てみると、大きな白い袋を引きずりながら来るサンタの姿――。 一瞬、何だと思い、よく見てみると知っている背格好、顔だった。
「アイツったら…。どうして、おんなじことをするのかしら。」 かつての『彼』のしたことと同じで、そして『彼』より間抜けなディアッカを見て、ミリアリアはクスッと笑った。
「これから、いろんなこと話さなくちゃね、おバカなサンタさんに…。」 そう呟いてドアの前まで歩いていった。
ディアッカの間抜けな笑顔で「メリークリスマス」と言うのだろうかと、期待しながら。
fin
久しぶりに小説書いたのでガタガタです; これでもよろしければ、持って行って下さい。 2003年12月24日 伊予。 |
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