アネモネ







「…どんなに憎まれても、どんなに恨まれても、俺はミリアリアが好きだ。」


―――やめて。


「…そんなの、嘘に決まってる。なんで私なんか――。」


その、漆紫の瞳で、私を見ないで。


「…お前を守りたいから、ここに戻ってきたんだ。好きだから…。」


知ってる。そんなことくらい、知ってる。

私の中で変わっていくアナタの存在ももうとうに知ってる。



―感情が熱さを帯びてきている―



「…やめて、そんなこと言わないで。…だって、私…。」

「憎んでるって知ってるよ。けど、俺は、この気持ち、変わらねぇから。」




だから――




あの人を失って、恋に臆病になってる。

もう、失いたくない。失いたくない。…失いたくない。


もう、人を好きになりたくない。


けど。


この人はあの人とおんなじくらい優しくて、暖かくて。

感情に彩を与えた。





前に、進んでも良いよね…?





「伝えたいのは、それだけだから――。じゃ、俺、行くわ。もう時間ねぇし。」

「――あ……っ!」




その彼の瞳はアネモネの花弁みたいだった。


                                             fin.







あとがき。

花言葉ネタです。ありがとう、マイダーリン!!素敵な花言葉&花を教えてくれて!!ちなみにアネモネの花言葉は「はかない恋 恋の苦しみ 薄れ行く希望」だそうです。…ゲフッ。(吐血)もうなんてディアミリな花なんでしょう!!色も結構あって、楽しめますので皆様、是非栽培しましょう!(花選択している農業人)

読んで下さいまして、ありがとうございました。

2003 7 28 伊予

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