秘密






宙でのある闘いで、一段落着き、格モビルスーツはアークエンジェルへと帰還していく。

その中の一機、バスターを操り、アークエンジェルを守った青年も居た。

CCI担当のミリアリアは複雑な気持ちだった。

バスターの搭乗者、ディアッカはつい先ほどまでこのアークエンジェルの捕虜で、つい先ほどに解放されたのに、何故戻ってきたのか。何故、この敵である艦隊を守ったのか。

ミリアリアは複雑な気持ちとともに、やはり胸になにか引っかかるものを感じていた。

(…なんで…なんでアイツは…。)


少しの休憩のあと、格納庫に降りて行き、バスターの前に立った。

コクピットからディアッカが降りてくる。

「んっ?なーんだ、お前か。何?俺に何か用?」

いつもと変わらない口調で少し驚く。

「…べ、別にっ…。」

「ふーん、それならいいんだけどね。」

下から覗きこむようにディアッカはミリアリアを見た。

その紫の瞳と蒼の瞳が交じり合う。

「…ね、ねぇっ!」

「んっ?」

咄嗟に出たその言葉がひどく動揺しているのがミリアリアは自分でも分かった。

「……なんで、」

「『何で、ここに戻ってきたか?』でしょ?」

「!!」

自分の言いたいことをズバッと当てられ、驚いた。

ディアッカは、ニッコリと普段の笑顔で、それでも、穏やかな落ち着きのある笑顔で返した。

「…何で、アンタはここに戻ってきたのよ。それも私たちの艦を守ってくれた…。」

「……。」

ニッコリとした表情が少し、マジメな顔になっていく。

「戻ろうと思えば、戻れたはずなのにっどうしてなの?」

「…そりゃ…。」

「え…っ?」

さっきまで上にあった顔がミリアリアの顔のすぐ横に近づいてきて、ディアッカは耳元で囁くように言葉を言う。

「…守ろうと、思ったんだよね。」

その囁く声がとても切なげな、甘い声に聞こえた。

それだけで、胸の鼓動が早くなり、頬が赤くなる。

「なっ…!!」

「まだいろいろ理由はあるけど、この理由が一番。」



知りたい。



もっと、知りたい。




「それだけだよ。」

あの余裕な笑顔をしながらディアッカはミリアリアの元を離れ、またどこかへ行ってしまった。


「…それなら…っ!」

赤く染めた頬で、ミリアリアはこの胸にある想いに気づいた。

最悪な出会いから、不思議な気持ちに、興味。




「私は…秘密にしてやるわ……っ。」





普段着に着替え中のディアッカは、というと。

また笑顔を残しながら微妙な表情をしていた。

「・・やっぱ、言うべきだったかな。この気持ちを。」



二人はまだお互いに知らない。

最悪な出会いから、少しの興味へ。

知りたい。

もっと、しりたい。



だけど。


もう少し、秘密に。




                                                 fin.





あとがき。

時間は不明。だけど、少しわだかまりが解けたカンジの時ってーことで(爆)新OP見てから妄想が止まりません(汗)片思いディア素敵☆

ってか、私が書く小説はミリアリア視点風になっていますね…;ってか私の中でのディアって笑顔を絶やさないスマイルvハッピーィなお兄さんなんですけど?(爆笑)や、余裕があってね…;

次はディアッカ視点を書いてみたいなと思います。

読んで下さいましてありがとうございました。

2003 7 19 伊予

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