Find me......





激しい地球軍との闘いから少しの間、キラはザフト軍で、幼馴染のアスランと今までのこと、お互いのこと、決意、全てを語り合っていた。

そのすぐ近くで、ミリアリアは耳の遠くで、少しだけ、少しだけそれを聞いていた。

一瞬、ミリアリアの大切な人、「トール」について聞こえた時、ミリアリアは体が強張った。


「…おい。」

後ろから、聞き慣れた、でもひどく落ち着く声がした。前までは、そして今でも、少し躊躇う人の声だけど。

「……。」

見ると、後ろに、心配そうにディアッカが立っていた。

「おい…っその…。」

躊躇いがちに、声を掛けてきた。

「……。」

それでも無言で返す。



あの人が、トールを殺した…。

でも、私たちはあの人の友達を殺した…。



頭の中が、やけに冷静になれた。

でも、やっぱり、拭いきれない気持ちがあって。すぐにでもこの場所から出て行きたくなった。

「……っ。」

「あっ!お、おい…待てよ!」

もちろん、ディアッカは呼び止めてしまった。

「何よっ?!」

声を上げ、キッと睨み返した。

「あっ…いや、その…。」





私を見つけた。

私を見つけて。





「っあの人を殺したってトールは帰ってこない!帰ってこないのよ!!全部…全部みんな帰ってこないのよ!」

勢い余って走り出した。

「お、おいっ!!」




何故か、後ろが暖かかった。

少し触れた手が暖かくて驚いた。


見つけて、私を。

あの人と同じように、違うように。


もう、何かが吹っ切れたような気がした。





                                          fin.






あとがき

一応、これ、39話のミリィちゃんの心境と言うか、なんと言うか…(汗)この頃、一人称ばっかり書いていたから、客観的な文章が書けなくなってきました(汗)それ以前に、もっと精進しなくちゃですが(涙)

読んで下さいましてありがとうございました。

2003 7 6 伊予

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